アベック」や「HK」など、「昔はよく聞いていたり、使っていたりしたのに、いつの間にか消えていた言葉」ってありますよね。

今回は、アラサー女性372人を対象に、年配の方だけが使っていて今の若者が使わなくなった言葉や、消えていった言葉について調査してみました。

■「アベック」の意味を知ってる?

まずは手はじめに、1960~80年代にわたって長く使われた言葉、「アベック」について聞いてみました。

◇「アベック」の意味を知らないアラサー女性は約3割

Q.「アベック」の意味を知っていますか?

知っている(68.8%)
知らない(31.2%)
※有効回答数372人

「知っている」と回答した人のコメントを見てみましょう。

・「彼氏彼女のことだと思う。カップルと同意語だと思う」(34歳/商社・卸/事務系専門職)

・「男女の組のことで、スポーツ大会で“アベック優勝”などはよく聞いた気がする。ただし、“カップル”の意味では死語を集めた記事のなかで見かける程度」(31歳/ソフトウェア/秘書・アシスタント職)

・「昔の“双子コーデ”とか“お揃いの”という意味」(34歳/金融・証券/事務系専門職)

「使ったことはないけど、意味は知っている」「親世代が使っていた」「テレビで知った」と、実際に使う機会はないものの、アラサー世代の認知度は約7割と高め。

親や祖父母、上司など、身近な年長者が使っていた、メディアを通して知っていた、という人が多く見受けられました。

ただし、「知っている」と答えた人のなかには、字面が似ている「ペアルック(=恋人同士でお揃いの服を着る)」と混同していた人もちらほら。

◇「アベック」と聞くと、どんなイメージを持つ?

・「薄暗い公園で、よろしくやっているイメージ」(28歳/情報・IT/技術職)

・「人前でイチャイチャする人のイメージ」(30歳/アパレル・繊維/事務系専門職)

・「おじさんが使うイメージ」(33歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)

アベック」についての言葉のイメージについて聞いてみると、どうやら今で言う「リア充」「陽キャ」「意識高い系」といったイメージを持っているよう。

ちょっとした羨望や嫉妬、皮肉交じりの言葉といったところでしょうか。

また、「アベック」を自ら使ったことがない人が多いことと、親世代の50~60代が使っているのを聞いて、「古臭い」と感じるという意見も挙げられました。

アベックの意味って?

アベック」の意味を調べてみると、語源はフランス語の「avec」。

英語でいうところの「with」に相当し、「~と一緒に」「~とともに」と訳すことができます。

デジタル大辞泉(小学館)によると2つの意味があり、ひとつ目は「(男女の)二人連れ」、2つ目は「二人(二つのもの)が行動をともにすること」とありました。

野球をはじめとしたスポーツでは、現在でも「アベックホームラン」「アベック優勝」といった言葉が用いられることがあります。

アベック以外にもある! 若者はたぶん知らない死語って?

アラサー女性のみなさんにアベック以外の死語を聞いてみたら、出てくる、出てくる!

多く挙がった7つの死語をご紹介します。

◇(1)ナウい

・「ナウい。流行の最先端という意味で使います」(28歳/情報・IT/技術職)

・「ナウい→今っぽい」(32歳/ソフトウェア/事務系専門職)

・「“ナウい”とか今の人は知らないような気がする」(31歳/その他/事務系専門職)

今や死語の代名詞で、「今どき」の意味で使われるのが、「ナウい」。

英語の「now」が由来で、「そのファッション、ナウいね!」というように使われていました。

「この○○が、ナウなヤングにバカウケ!(今どきの若者に人気がある)」なんてフレーズも、昔は当たり前のようにテレビから流れてきた時代だったんですよねぇ……。

◇(2)写メ

・「写メ。『写メ送って』とか」(28歳/マスコミ・広告/クリエイティブ職)

・「写メ→写真のこと」(34歳/小売店/販売職・サービス系)

・「『写メ見せて!』と今の子は言わない。メール時代ではないから」(33歳/その他/その他)

写メとは、ソフトバンクの前身J-フォンが開発したサービス「写メール」(カメラ付き携帯電話で撮影した画像を、メールに添付して送信できるサービス)の略。

サービスが大ヒットして世間に一気に認知され、「写真を添付してメールを送って」という意味から、最終的には「携帯で写真を撮る」という意味にまで広がったほど。

アラサー世代では、今でもつい「写メ撮ろう!」なんて言ってしまう人、いるのでは?

◇(3)チョベリグチョベリバ

・「チョベリバイライラしたら使っていた」(33歳/通信/販売職・サービス系)

・「チョベリバチョベリグ。テンション下がるとき、テンションが上がるとき」(26歳/情報・IT/技術職)

・「うれしいときとか、テンション上がったときにチョベリグ、気分悪いときにチョベリバ、を使っていました」(33歳/小売店/販売職・サービス系)

1996年の伝説のドラマ『ロングバケーション(Long Vacation)』で、南(山口智子)と桃ちゃん(稲森いずみ)が使っていたコギャル語

「超ベリーグッド」「超ベリーバッド」を略した言葉で、「このチョコ、チョベリグ!」「雨に濡れてチョベリバ~」なんて使われ方をしていました。

「最高」「最悪」でも通じるのに、秘密の暗号みたいに、わざわざ使うのが楽しかったんですよね。

◇(4)HK

・「手紙内で、話が変わるときはH/K(話変わるけど)で話題変え」(25歳/その他/事務系専門職)

・「hkと手紙に書くと、話は変わるけど、という意味だった」(26歳/学校・教育関連/販売職・サービス系)

・「HK。話変わるけど」(29歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)

「H/K」「HK」「hk」など、表記にブレはありますが、どれも「話は変わるけど」の意味。

2000年代に、女子中高生の間で流行しました。

アンケートによると、友だちとの手紙のやり取りで使っていた人が多いようですが、現代のようにLINEではなく、手紙というのがほほえましくなっちゃいます。

◇(5)KY

・「KY。空気が読めない人がいるときに使っていた」(25歳/医療・福祉/専門職)

・「KY。あの子はKYだ」(29歳/医療・福祉/専門職)

・「あのおじさんKYだよね」(26歳/その他/専門職)

先ほど紹介した「HK」と同様に、このころはとにかくアルファベット2文字の略語が大流行した時代。

今でも通じるKYが生まれたのも、この時期でした。

流行した数ある略語のなかでも、この「空気が読めない」「空気を読め」という言葉が生き残ったのが、なんだか日本らしいですね。

◇(6)MK5

・「MK5。マジでキレる5秒前。怒る寸前のことを指す」(26歳/医療・福祉/専門職)

・「MK5。イライラしたとき」(29歳/その他/販売職・サービス系)

竹内まりやさんのプロデュースで、広末涼子さんが「ずっと前かっら~♪」と歌っていたのは、1997年のこと。

この曲のタイトルが『MajiでKoiする5秒前(マジで恋する5秒前)』でした。

それを「マジでキレる5秒前」としてもじったのが、MK5です。

それにしても、あのころの広末の透明感はハンパなかったですよね~……(遠い目)。

◇(7)わけわかめ

・「わけわかめ意味がわからないときに使う」(29歳/電機/その他)

・「わけわかめ意味不明なときに使う言葉」(30歳/その他/販売職・サービス系)

・「わけわかめとか。意味がわからんときに使ってました」(31歳/その他/販売職・サービス系)

「なぜそれとそれをくっつけた!?」とツッコみたくなる言葉ですが、当時は大人から子どもまで大流行!

「わけがわからない」という意味で、「あの人の言ってること、わけわかめ~」というように使っていました。

ウチの母も、いまだに会話中、この単語をナチュラルに放り込んできます。

本当にわけわかめ

■若い子とのコミュニケーションに使ってみるのも手かも?

スターバックスが実施したレトロなプロモーション「スタアバックス珈琲」や、使い捨てカメラ「写ルンです」、専門店がオープンした「カセットテープ」のように、近年若い子の間で、レトロ回帰がブームになっているのをご存じですか?

上記以外にも、アンケートで挙げられていた「おっはー」「アウトオブ眼中」「だっちゅーの」などの言葉を、あえて若い子との会話に取り入れたら、意外に受け入れられるかも!?

(akis)

※画像はイメージです

マイナビウーマン調べ
調査日時:2019年8月19日8月21日
調査人数:372人(25~34歳の働く未婚女性)

知ってる? 若者が知らない昔の言葉