この夏、話題を呼んでいるドラマ『凪のお暇』は、心理セラピストの私から見ても、とても興味深いドラマです。

興味深い点は主に3つあります。

1、コミュニケーション
2、恋愛のこころの距離
3、「空気」を読んで自分が無くなること

主にこの3点でしょうか。

とりわけ「空気」はこのドラマキーワードです。

コミュニケーション「空気」

主人公の凪は、空気を読み過ぎて人に合わせすぎ、心折れて、職場を辞め彼氏から去り、立川の安アパートで人生をリセットします。
そんな「お暇」中に知り合って友人になる龍子は、東大卒の高学歴にも関わらず「高学歴空気が読めない」とそしられて職場を点々とし失業中。

凪の元カレ、慎二は職場の空気を読んで「凪みたいな子は全然興味ない」と周りに言います。
凪を失ってから、陰では号泣するほど好きなのに、凪本人には「お前みたいなやつ」を繰り返します。

2、の恋愛のこころの距離に少し触れますと、とても好きな相手の心の距離が近くなると、
相手に自分の中に入り込まれるようになって、追い出したくなります。
そういう愛の誤解は、かなりあります。

ドラマの中でも「あんた小学生?好きな子をいじめるアレでしょ」と言われていましたが、同じことです。

他にもゴンちゃんとの関係など、語りたいネタはありますが、これだけにしておきます。


さて、凪が、空気を読まざるを得なかった一つの理由は、コミュニケーションが苦手だったから。

何をはなしていいかわからないので、いつも相手が投げてくれる言葉を待ち、
相手の空気を読んで投げ返すことで、自分は聞き上手だと思い込んでいたようです。

それをガツンと言ったのは、元カレの慎二。
凪は「自分に興味持ってくれる人しか興味ないだろ。」と言われ、自分から人に働きかけてないことに気づきました。

凪は、職場の女子仲間で愚痴をこぼす人がいて、みんなが「わかる…」と言えば自分も「わかる」ととりあえず言っておく。
そんなことを繰り返しているうちに、けっきょくそんな空気が吸えなくなり、過呼吸も起こし、自分をリセットせざるを得なくなったわけです


INSIGHT NOWの過去の投稿でも、何度か「コミュニケーション」は相手を理解することだとテーマに挙げました。

凪はそれができていませんでした。そのことによって自分を成長させる機会も逃しがち。
結果として、自分を追い込むことになったのかもしれません。


◆ 「自分度」を上げること

一方、慎二は行方知れずだった兄がユーチューバーになっているのを知り、探して本人に会うと、

『相変わらず仮面をかぶって生きているんだ。どうせ「空気」読みまくってんだろ、家でも職場でも、女の前でも…』

と指摘され、空気を読むことで何を失ってきたのか、
ようやく気づき、仕事のイベント中に倒れてしまいます。

慎二の父は官僚で、母は世間体をとても気にする人で、慎二は両親が望む「空気」を読んで育ったようです。

兄は、いち早くそんな空気に支配されずに自分らしく生きることを選んだ人で。
修二は、自分の外面と内面のギャップにようやく気づいたようです。

さて、凪が取り戻しつつあるもの、それは「自分自身」です。

私がやっているフラワーフォトセラピーで、「自分度」がどれくらいあるかを測る方法があり、
かつてある女子大生さんについてお母さんの依頼で対応したことがあります。

本人と直接会わずにお母さんを通してメールだけのやりとりでしたが、
スベリ止めで入った大学ではあるけれど、自分なりに外国語に取り組もうとゼミに入ったら、
よくできる彼女は、あるボス格の学生によって、ほぼ全員にハブられる状態になってしまいました。

しかし、彼女の「自分度」が上がるにつれ、周りの低い次元の感情に合わせる必要はないと思い、毅然と勉強をしていたら、先生も味方になり「空気」を超越できたようです。

◆ 組織の息苦しい「空気」が生き辛さを生む

この「空気」の正体は、同調圧力です。
昨年末に出版された『「超」入門 空気の研究』鈴木博毅 著(ダイヤモンド社)は、
1977年、山本七平・著の『空気の研究』を今のビジネスパーソンが活用しやすいよう論理化されています。

鈴木氏の著書には「日本が再び破滅するなら、空気のためだ」という山本七平氏の言葉が書かれています。

『凪のお暇』は、徐々に自分を取り戻していくプロセスのお話ですが、そんな日本の縮図なのかもしれません。

あなたの職場の空気は、軽やかに吸って吐けますか?

ドラマ『凪のお暇』の名言「空気」は読まずに「吸って吐く」