明治安田生命J1リーグ第25節、湘南ベルマーレvs浦和レッズが1日にShonan BMWスタジアム平塚で行われ、1-1のドローに終わった。

勝ち点30で並ぶ10位の湘南と、11位の浦和による中位対決。“パワハラ疑惑”の調査による曺貴裁監督不在の直近2戦を1敗1分けで終えた湘南は3戦ぶりの白星を目指すこの一戦に向けて前節から先発1人を変更。鈴木冬に代わって大野を3バックの一角で起用し、杉岡が左ウイングバックにポジションを上げた。

一方、2連敗中でリーグ戦5試合未勝利と低迷が続く浦和だが、ミッドウィークのACLでは2点差を追いつかれたものの、敵地で上海上港相手に2-2のドローと上々の結果を手にした。その上海上港戦からは先発2人を変更し、関根とファブリシオに代えて山中、武藤を起用した。

前回対戦で多くの物議、エモーションを与えた因縁の両チームによる今季2度目の対戦。試合はその前回対戦同様に浦和が先手を奪う。

開始3分、ハーフウェイライン付近の右サイドでボールを持った橋岡が逆サイドの広大なスペースへ飛び出した武藤へサイドチェンジ。そのままボックス内へ運んだ武藤が斜めのグラウンダーパスをゴール前に入れると、後方から走り込んだ興梠が右足のワンタッチで流し込んだ。なお、このゴールによって興梠は今季J1リーグでの得点数を「10」に伸ばし、J1史上初となる8年連続2桁ゴールの偉業を成し遂げた。

ホームであっさりと先制を許した湘南だがすぐさま切り替えて反撃に転じていく。13分には右サイド深くに抜け出した松田からの折り返しをファーでフリーの野田が頭で合わせるが、これを枠の左に外してしまう。続く14分には中央での流れるようなパスワークから最後は齊藤がゴール右隅を狙ったシュートを放つが、ここはGK西川のビッグセーブに遭う。さらに19分には再びボックス内の野田に決定機も西川が立ちはだかる。

その後も両ウイングバックが積極的に攻撃参加を見せるなど、リスクを冒した攻めで浦和を圧倒し続ける湘南。だが、幾度もボックス内までボールを運んでいくものの最後の場面でうまくいかない。逆に、前半終了間際には浦和のFKから山中のクロスを槙野に頭で合わされてゴールネットを揺らされるが、ここはオフサイドの判定に救われた。

立ち上がりのゴールによって1点リードで試合を折り返したものの、防戦一方の状況が続いた浦和は、ハーフタイム明けに山中を下げて関根を投入。すると、前半同様に後半も開始直後に決定機を作る。47分、GK西川からのフィードを前線の興梠が頭でスペースに流すと、これを武藤が回収。そのままボックス内でフィニッシュに持ち込むが、GK秋元の好守に遭う。さらに58分にもボックス付近でエヴェルトン、武藤と繋いで最後はボックス右の興梠に2点目のチャンスも左足のシュートは秋元にセーブされる。

一方、前半から飛ばしてきた影響と浦和のハーフタイムの修正によってなかなか攻め切れない湘南は、梅崎、菊地、古林と頼れるベテランを続けてピッチに送り出して攻撃に変化を加えようと試みる。

すると、古巣対戦のベテランがチームを敗戦から救う仕事を果たす。89分、ボックス手前左で山崎の落としに反応した梅崎がドリブルでボックス内に切り込むと、後ろから身体をぶつけたエヴェルトンに倒されてPKを獲得。これを梅崎自ら古巣のゴールへ流し込んだ。

梅崎の土壇場の同点ゴールによって前回対戦の劇的逆転劇の再現が期待された後半アディショナルタイムに湘南の杉岡、浦和の関根と互いに2点目に迫る際どいシーンを作ったものの、GK秋元のビッグセーブなどもあり、試合は1-1のままタイムアップ。

最後まで諦めずに走り切る、らしさを見せた湘南は勝ち点3こそ逃したものの、意地のドローで勝ち点1を積み上げた。一方、直近の上海上港に続くPK献上で逃げ切りに失敗の浦和は厳しいリーグ6戦未勝利となった。

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