トルコにW杯初戦完敗、日本敗戦の要因を元日本代表名手に聞く

 バスケットボールワールドカップ(W杯・DAZNで生配信)は1日、世界ランク48位の日本が同17位のトルコとの初戦に67-86で敗れ、黒星発進となった。歴代最強の呼び声高かったアカツキファイブが喫した完敗。八村塁(ウィザーズ)も15得点とスコアを伸ばし切れなかった。日本の敗戦の要因はどこにあったのか。「THE ANSWER」は元日本代表・渡邉拓馬氏に聞いた。

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 お互いのランク通りの結果。期待感はありましたが、簡単に勝てる相手ではなく、戦い方に注目していましたが、細かい部分の世界との差はまだまだあると感じました。苦戦の要因となったのは、試合の入り方の経験の差です。

 印象的だったのは、八村選手に対するトルコの守り方でした。親善試合からしっかりとスカウティングされていました。ディナイディフェンスでボールを持たせなかったり、フォーメーションで守る場面でも予測できないところから手が伸びてきたり。選手の視点では、外から見ている人がわからないようなプレッシャーを受け、パスコースがないという状況もあったように感じます。

 立ち上がりからいくつかオフェンスでミスが出ていていたのも、八村選手や日本の選手にとって感じたことのないプレッシャーが関係していたと思います。日本が戦っていた親善試合とは違う大会仕様の雰囲気、流れ、メンタルトルコは立ち上がりから徹底されていました。そういった部分が零コンマ何秒、何ミリのプレーの質の差につながってきます。

 トルコはとても集中していたし、初戦から勢いをつけようとガツガツ来ます。日本としては親善試合が好調で自分たちの力を信じてプレーしようとした結果、立ち上がりで慎重になりすぎてしまったように思います。

 八村選手については本人も内容に満足していないと思いますが、発熱の体調以上に相手のスカウティングが良かったと思います。ここまで自分だけがマークされた経験は大学を含め、経験がないのではないでしょうか。相手のディフェンスで方向付けされ、ヘルプで対応される。そこに対応しきれず、1on1で点が取れたのは後半からでした。

次戦チェコ戦へ鍵に挙げた2選手は? 「相手も八村選手だけ守れなくなる」

 トルコにとっては八村選手を乗せれば、30点くらい取ると理解している。渡邊選手とファジーカス選手も合わせた「BIG3」を乗せたら面倒になるとわかってしました。その起点となるのが、八村選手。それだけ認められているということでしょう。

 八村選手だけでなく、親善試合で好調だった渡邊選手、馬場選手もマークされていました。課題として浮き彫りになったのは、オープンで打った3ポイントの確率(40.9%)を1試合を通し、波をなくすこと。特に、日本ならノーマーク50%以上決めないと、なかなか点差が縮まらない。今日も20点も差はつけられていない。精度一つで10点差以内の接戦に持ち込めていたはずです。

 3日のチェコ戦に向け、重要となるのは「BIG3」以外の働きです。特に、比江島選手の良さがまだまだ出ておらず、安藤周選手の3ポイントも3本とも外れました。ベンチから出てきた選手がこういう場面で活躍すると、一気にチームとしても楽になり、勝機が見えてきます。

 八村選手の能力なら間違いなくアジャストしてくると思います。そういう中でこの2人がチームの苦しむような場面でオープンからシュートを決めていけば、相手も八村選手だけ守っていられなくなり、「BIG3」も本領発揮しやすくなるはずです。

 1次リーグもまだ戦いは続きます。手応えを感じたところと修正しなければいけないところは選手たちも理解しているので、4連敗から8連勝したW杯予選の勢いを思い出して、見ている人が震えるような試合を演じてほしいと思います。(THE ANSWER編集部)

八村塁【写真:Getty Images】