4人の女子高生無人島でサバイバルするというハードなシチュエーションでありながら、コメディ要素やサバイバル知識をふんだんに盛り込んだエンターテイメント作品『ソウナンですか?』。その4人を演じ、キャラクターとしてOPテーマを歌う声優のM・A・O(鬼島ほまれ役)、河野ひより(鈴森明日香役)、安野希世乃(天谷 睦役)、和氣あず未(九条紫音役)に、役作りから見どころ聴きどころを聞いた。

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サバイバル女子高生 キャラ立ちと関係性の妙を楽しむ芝居づくり
――まず作品をご覧になっての印象を教えて下さい。

M・A・O 映像が本当にきれいで、女の子が肉感的でした(笑)。30分のアニメに比べると半分の尺なのですが、テンポも良くギュッと濃い時間が詰まっているという印象でした。アフレコをしているときも毎回、あっという間でしたね。

河野ひより 原作マンガの画もとてもかわいいのですが、それがそのまま動いているみたいにきれいで、原作から読んでいる読者の方にも「アニメになるとこんなに動くんだ」という驚きを持ってご覧いただけるなと思いました。

安野希世乃 収録をしたのはだいぶ前だったのですが、こんなにもきれいなアニメーションを作り上げてくださって、アニメ班の皆さまには感謝感激と思いながら拝見していました。M・A・Oさんも先ほどお話しされていたように、張りのある少女たちの体から生命力がみなぎっていて、『ソウナンですか?』にふさわしい素晴らしいボディが鮮やかだなと思いました(笑)。

和気あず未 原作を読んだとき、無人島という緑が多い風景で絵柄も可愛らしい一方、お話としては雄々しいサバイバルというコントラストが面白い作品だと思っていました。アニメでも綺麗な原作の絵柄そのままでしたので、動いて色がつくと改めてそれを感じました。

――それぞれの役柄についてどのように作り上げていきましたか?

M・A・O ほまれちゃんはクールな印象だったので、言葉には起伏をあまりつけず「心では反応している」という感じで演じさせていただきました。また、サバイバル術の説明をする際に、内容をきちんと理解し、言葉の立て方などを意識して話すように努めました。原作を読んで初めて知る知識も多く、まさに「ほまれ様、ありがとうございます」という感じです(笑)。

河野 毎回の収録で挑戦や苦戦、成長を感じた現場でした。私はこれまで小さな女の子を演じることが多かったので、明日香のような体格のいい女の子を演じるにあたり、「こういう風に演じなければ明日香に聞こえないのでは?」と言う意識を強く持ってアフレコ現場に向かったのですが、他の3人のお芝居を聞いたりディレクションを受ける中で、現場で明日香のことを知ることができました。

安野 睦ちゃんはインスピレーション通りに演じたという感じです。オーディションの段階で、うさぎさんを仕留める時に腹を決めるシーンが入っていたりして、試されているなと感じました。あとは、勉強が好きな真面目な子なんだなと思って原作を読み進めていくと、実はオタク的な面があるということもわかってきたりして(笑)。むっちゃん的には、ほまれさんからいろんなサバイバルのことを吸収して健やかにサバイバーとして成長しているところも見せつつ、結構苦労人なところもギャグテイストで生かされているので、そういったシーンごとの振り幅は意識しました。シリアスな顔になってツッコむ瞬間が楽しかったですね(笑)。

和氣 紫音ちゃんを演じるとき、ふだんはお嬢様キャラで良いのですが、ツッコミになったときや自分が窮地に立たされたときにどう演じれば良いのか悩みました。家で練習する時も、綺麗にツッコむと面白くないだろうなと思って、そのときは激しめにしたり、ギャグテイストになったときはお嬢様らしさを感じさせないように演じました。

――本作でのお芝居を演者としてはどのように楽しんでいますか?

安野 「ソウナンですか?」という作品は、原作の時点でフリからオチまで綺麗でテンポが良くて、「コント」としても非常に完成されていると思うんです。シチュエーションとしては命がけなんだけれども、その中で一生懸命なのに噛み合わないところとか、4人の個性のギャップが強いことで自然とキャラが立っていて、それがすごく面白いなと思いました。各々カラーが強烈だったのでこの4人でお芝居ができて楽しかったです。

M・A・O 台本の台詞もだんだんと皆さんの声で再生され、読めるようになってくるんです。テストでボケやツッコミを受けると、勉強になるなと思いつつ楽しさを感じる瞬間がたくさんありました。

河野 本番前のテストで、「その方向いいですね! もっと行ってみましょう」というディレクションもあれば、真逆の指示をされることもありました。そういうときに、コメディってなんて計算されて作られているんだと知ることができて、そこは役者として非常に勉強になる時間でした。

和氣 家で映像と台本を見ていると、声がない状態でも思わず笑ってしまうシーンがあり、さらに私が声を当ててもっと面白くしなければと思い、キャラがブレない程度に大げさに演技を組み立てていったかたちです。

――収録現場の様子を教えて下さい。河野さんと和気さんは、先輩であるM・A・Oさん安野さんのおふたりの収録をどのようにご覧になっていましたか?

河野 お二人の姿をしっかりと最初に見たのはアフレコ現場だったので、背中を見て頼もしさを感じていたんですけれども。

M・A・O安野 けれども!?(笑)

河野 いえ、いまして(笑)。お話をしていくと、安野さんは大胆でお茶目な感じが、柔らかい雰囲気も相まって素敵だなと思いました。M・A・Oさんはクールビューティーでズバっとビシッとお話される方だと勝手に思っていたのですが、ホワッと柔らかくて素敵な方だなと思いました。

和氣 私は現場でM・A・Oさんの斜め45度くらいの座り位置で見ていたのですが、背筋もピンとされていて本当にお人形さんみたいだなと思いました。休憩時間も常に自分の世界に入ってる方なのかと思っていたのですが、希世乃さんが話してくれると、みんなで「わ〜」という雰囲気になって、お話しすると意外と丸い方なんだと思いました。希世乃さんは他の現場でも一緒になったことがあり、そこでも場を温めるのが上手な方だなと思いました。

――オープニングテーマ「ココハドコ」をキャラクターユニット“あほむし”ソングとしてこの4人で歌われています。どのように組み立てていきましたか?

河野 これまで私が歌ったことがあるキャラクターソングはアイドルユニットでしたので、先に方向性が示されているという意味でヒントが多かったのですが、“あほむし”の場合は、作品のどこをピックアップして歌詞のどこに当てるかを考えるのが難しかったです。ディレクションでは具体的なヒントを頂きつつ進めることができて、この4人が歌う姿を最終的に想像して歌うことができました。まだ経験が浅い中で、はじめてオープニングテーマを歌わせていただくことで世界が開けたという印象でした。

M・A・O アップテンポで明るくて、イメージカラーは『青!』という感じで聴かせていただきました。クールなほまれちゃんとしては、どこまで元気を出せばいいだろうと思いながら練習して収録に臨みました。その際、すでに河野さんの歌が入っていたので、明日香さんと合わせるところはノーマル状態のほまれちゃんで、明日香さんに引っ張ってもらいつつ、サビでは明るめに、でもクールなトーンを忘れずに歌わせていただきました。

和氣 私は収録順で言うと3番目でした。紫音は元気にお嬢様感を残しつつ歌おうと最初は思ったのですが、1番を歌ってもあまり掴めなくて。そこでおふたりが先に歌ったのを聴かせていただいたところ、想像以上にもっとテンションを上げて歌う必要があるなと思って、無人島・炎天下・みんなでワーキャー言いながら踊っているところを想像しながら歌いました。紫音ちゃんが木の枝をマイクにしながら、メチャクチャ熱唱しているみたいなイメージです。

安野 私は最後に録ったんですが、むっちゃんは「あまり歌い上げる感じではなく、合唱部みたいにみんなと一緒に頑張る前向きな気持ちで」というディレクションを頂きました。リズムには乗っかりたかったけど、縦ノリを出しすぎるとむっちゃんではなくなってしまうかもしれないので、キャラ性は良い塩梅のところを採用していただきました。それと、実は上ハモもすべて担当させていただきました

――安野さんはソロアーティストとしてエンディングテーマ「生きる」も担当されています。この他にもキャラクターソングを数多く歌われていますが、その際にとくに意識することや取り組み方のセオリーについて教えて下さい。

安野 キャラクターソングはそのキャラの声帯から声が出ているという実在感を大切にしています。キャラごとに身長や肉付きも違うし、絵柄のテイストによっても声の太さのイメージは左右されます。ですので、その肉体感のイメージをなるべくずらさないように心がけています。ソロの場合はニュアンスを最優先に、引き算をしたり意味深な表現を選んだりすることもありますが、今回のあほむしの「ココハドコ」はオープニングテーマで、一キャラソンとも違う作品を背負うテーマソングなので、メッセージをシンプルに、気持ちにまっすぐに歌いました。あとは、みんなで歌う曲の場合は溶け込みやすいような声の硬さをより意識して、混ざった時に気持ちのいい響きに鳴るように、バランサーでいようという意識は持っています。

――ファンの皆さんに聴きどころ、作品の魅力をお教えください。

M・A・O そろそろ終盤になり、ほまれちゃんが紫音さんに甘かったり、睦さんが紫音さんに塩対応だったり(笑)と、みんなの個性や関係性などが明確になってきましたが、更なる盛り上がりが第10話以降に訪れるので、そこに向けて楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。オープニングはイントロでの「WO-O-Oh」から、すごくキャッチーで本当にかわいらしく明るい歌になっておりますので、まずはそこから元気になって、本編のコメディを楽しんでいただき、安野さんのエンディング曲で癒されるという、一連を楽しんでいただけたらと思います。

河野 お話を通してキャラクター同士お互いの存在感が増していっています。ここまでご覧になった方はオープニングやエンディングをご覧になるときも映像やメロディだけではなく、歌詞にも意識が向く頃かと思います。それぞれソロで歌う部分があるのですが、そこで「どうしてこのキャラがこの歌詞を歌っているんだろう」という聞き方をしていただけると嬉しいです。残りの話数も少ないですが、楽曲はそんなところに注目していただきつつ、お話やみんなの関係性を楽しんで見ていただけると嬉しいです。

安野 最初は女子高生4人のほっこりした話と思いきや、意外とガチでサバイバルしていたり、キャラクターそれぞれのギャップに良い意味で裏切られたりして、きっと今頃は皆さん虜になっていることと思います。「ソウナンですか?」無しでは生きていけなくなってもらえていたら嬉しいです(笑)。4人で濃厚なアフレコ体験ができてとっても楽しい現場だったので、今後も作品が続くように、私たちもまた帰ってこられますように応援をよろしくお願いします。

和氣 もともとこの4人はクラスも別々でお互いに知らない間柄からスタートしましたが、ずっと一緒にいると良い意味で扱いも雑になったりして、本当に仲良くなっているんだなと感じました。このあと、大きな展開が待っていますので楽しみにして頂ければと思います。私は昔から無人島に行きたいという夢があったので、キャラクターとしてそれが叶えられたのでとっても嬉しいです。今度は私達4人が無人島に行けるよう、応援よろしくお願いします!

Interview & Text By 日詰明嘉



●リリース情報
オープニングテーマ
「ココハドコ」
歌:あほむし(CV. M・A・O河野ひより安野希世乃和氣あず未

9月4日発売
品番:EYCA-12610
価格:¥1,200+税

<CD>
1. ココハドコ(TVアニメ「ソウナンですか?」オープニングテーマ)
歌:あほむし(CV.M・A・O河野ひより安野希世乃和氣あず未
作詞藤林聖子 作曲:サイレンジ!(ハイキックエンタテインメント) 編曲:久下真音(ハイキックエンタテインメント)
2. かんたん!はじめてのソウナンマニュアル
作詞・作曲・編曲:久下真音 (ハイキックエンタテインメント)
3. ココハドコ Instrumental
4. Tr.2のInstrumental

エンディングテーマ
「生きる」
歌:安野希世乃
9月4日発売
安野希世乃3rdミニアルバム「おかえり。」に収録。

おかえり。』
9月4日発売

【限定盤A(CD+ライブCD+Blu-ray)】

品番:VTZL-160
価格:¥4,400+税

【限定盤B(CD+ライブCD)】

品番:VTCL-60502~3
価格:¥3,400+税

【通常盤(CD)】

品番:VTCL-60504
価格:¥2,400+税

<CD>
1. ミナミカゼ それはきっと
作詞・作曲:かの香織/編曲:鈴木智文
2. 生きる(TVアニメ『ソウナンですか?』EDテーマ)
作詞:西 直紀/作曲・編曲:川崎智哉
3. Destino ~恋は一秒の永遠~
作詞:六ツ見純代/作曲・編曲:松本良喜
4. kiss! kiss! kiss!
作詞:安野希世乃/作曲:矢吹香那/編曲:北川勝利
5. エイリアンボーイ
作詞・作曲:堂島孝平/編曲:生田真心
6. 夏色花火
作詞・作曲:柳澤奈緒樹/編曲:ラムシーニ
7. おかえり
作詞:古屋 真/作曲:h-wonder/編曲:扇谷研人

<ライブCD>(限定盤A、Bに同梱)
1. ちいさなひとつぶ
2. 笑顔。
3. 涙。
4. 戸惑いトレイン
5. Wonder Shot
6. ロケットビート

【演奏】 扇谷研人:Piano(1、2、3)、外園一馬:Guitar(4、5、6)
※2019年4月13日5月5日開催の「安野家。」FCイベント(マウントレーニアホール)にて収録

<Blu-ray>
1. ショートムービーおかえり。」  ※この商品でしか観ることが出来ないスペシャルコンテンツです!!
2. 「生きる」 Music Video90sec Short version
3. メイキング映像

●作品情報
TV『ソウナンですか?

TOKYO MX他にて放送中

【スタッフ】
原作:岡本健太郎
漫画:さがら梨々(講談社ヤングマガジン』連載)
監督:長山延好
シリーズ構成・脚本:待田堂子
キャラクターデザイン:西尾淳之介
プロップデザイン:佐藤玲子
コンセプトアート・美術設定:佐久間 昇
美術監督:西倉 力
色彩設計:小川由美香
撮影監督:伊藤康行
編集:岡 祐司
音響監督:菅原輝明
音楽立山秋航
アニメーション制作:Ezo’la
制作NAS

【キャスト】
鬼島ほまれ:M・A・O
鈴森明日香:河野ひより
天谷 睦:安野希世乃
九条紫音:和氣あず未
鬼島丈一:大塚明夫

(C)岡本健太郎・さがら梨々・講談社ソウナンですか?製作委員会

関連リンク
TV『ソウナンですか?』公式サイト
リスアニ!

掲載:M-ON! Press