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 カナダ国内の国立公園管理当局であるパークス・カナダによって、沈没したHMSテラー号の史上初となる調査の様子が公開された。驚くべきことにその大部分は無傷のままだった。

 HMSテラー号は、HMSエレバス号とともに、イギリスの海軍将校で北極探検家のジョン・フランクリンが率いていた北極探検船だ。

 1845年にイギリスを出発したがその後2隻とも氷に閉じこめられてしまい、船員たちは船を放棄してカナダ本土に向かうも、誰一人としてそこにたどり着くことはできなかったと言われている。

 2014年になってようやくエレバス号が発見され、その2年後、テラー号が発見された。

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Parks Canada Guided Tour Inside HMS Terror

「恐怖」と名付けられたHMSテラー号

 HMSテラー号のテラー(Terror)は「恐怖」という意味だ。

 テラー号は元々はイギリス海軍の軍艦で、ボルティモアの戦いなど、いくつかの戦闘を経たあと調査船に換装され、1845年、ジョンフランクリン船長に率いられて北極調査へ出航する。

 その目的は、ヨーロッパから北極海を経由して太平洋に至る北西航路を発見し、その海図を作成することだった。

 HMSエレバス号とともに北西航路(大西洋と太平洋を北アメリカ大陸の北方経由で結ぶ航路)へ向かうが、バフィン湾で2隻の捕鯨船に目撃されたのを最後に129名の船員もろとも消息を絶った。

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遭難後の運命

 消息を絶ってからのテラー号の運命については、歴史家がそれなりに信ぴょう性のある証拠をまとめて推測している。

 まずビーチェイ島では船員3名の墓が発見されている。このことから、その年の冬、船員はビーチェイ島で過ごしたとされている。

 天候が回復すると調査隊はビクトリア海峡へ出航するも、1846年9月、キングウィリアム島付近で氷に行く手を遮られた。

 生存者のメモによれば、フランクリン船長は1847年6月11日に死亡。また他の船員は、越冬中のキャンプか、徒歩で帰還を試みる途上で死亡した。

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仲間を食べていた痕跡も

 これまでいくつもの研究が、ビーチェイ島やキングウィリアム島から回収された遺体や遺品を調べてきた。

 そして現在の通説では、低体温、飢餓、栄養失調にくわえて、肺炎、結核、亜鉛欠乏が船員の死の主な要因だとされている。人骨には切った形跡があり、人の肉を食っていたらしいこともうかがえる。

 なお北西航路の横断に初めて成功したのは、1903~06年にかけて挑んだロアール・アムンセンの探検隊だ。彼らはキングウィリアム島西海岸沿いのルートはさけ、東海岸から抜けることでフランクリン船長がたどった運命を逃れた。

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エレバス号とテラー号の発見

 2014年9月、パークス・カナダによって、オレイリー島の西でHMSエレバス号の船体が発見された。さらに、それからちょうど2年後、今度は北極調査基金の調査隊によって、キングウィリアム島の南沖にあるテラー湾で沈没したテラー号が見つかった。

 発見地は、これまで歴史家が推測していたところから100キロ離れた場所だった。

 この付近では、イヌイットのハンターたちが船を目撃したと噂しており、数年前には氷から突き出るマストを見たという証言も報告されていた。これが手掛かりとなり、調査隊はたった2時間半でテラー号を発見できたとのこと。

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冷たい水が船の時間を止めた

 水温が低く、光が届かず、しかもシルトが船体を覆ってくれたなど、好条件が重なり、船の保存状態は驚くほど良好だった。中には割れずに残っている窓ガラスまで見つかっている。

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 パークス・カナダの調査では、無人潜水艇で7度の潜水が試みられ、キャビンと客室合わせて20室を探索。テラー号が沈没して以来初となる調査の様子を撮影した。

 映像には、船の外側の姿だけでなく、船員や船長の部屋など、水で満たされた船内まで映されている。特に船長室には、船や船員の運命を記した書類の類も残されているのではと期待されている。

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 これまでの調査ですでにきちんと保存された地図のキャビネット、三脚、温度計が発見されている。ただ、あいにく船長の寝室だけは調査できなかったとのことだ。

References:Fresh images of HMS Terror shipwreck could clear up lingering mysteries | Ars Technica/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2019/9/6)タイトルと本文を一部訂正して再送します。

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52278982.html
 

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