だが、ライブの終盤に差し掛かると、怒涛の盛り上げ攻撃へと転じた。まずは、ファンの間でタオルを振るのがお約束になっている「Spread Your Wings」。疾走感あふれるキャッチ―なダンスチューンに乗せて、誰もが笑顔でタオルを振り回していた。タイアップソングとして広く認知された「イダテンドリーマー」に差し掛かるやいなや、キャノン砲が打ちはなたれ、銀のテープがキラキラと空に舞った。華やかなムードの中で、みやかわくんはダンサーと息の合ったダンスステップを華麗に決めて見せた。
ラストのMCでは、思いが次々に溢れて言葉に詰まる場面も。涙ぐみ声を震わせながら「本当にありがとう」と深々と頭を下げたみやかわくん。彼のこの誠実さは、彼の紡ぐ音楽にしっかりと受け継がれている。それをよく表していたのが、最後を飾った「On Your Mark」かもしれない。インディーズで初めてリリースしたミニアルバムの表題曲は、聴き手に優しく届いたに違いない。みやかわくんの音楽の旅は、この曲から始まり、そして今、当時の本人すら思い描けなかったような大海原へと漕ぎ出している。マルチクリエイターとして様々な引き出しも持つ彼は、きっとますます魅力的な音楽を創造してくれるだろう。日本武道館で行われた「大生誕祭2019」は、その道のりのマイルストーンに他ならない。 みずみずしさとクリエイティビティに溢れたステージを、ぜひじっくりと鑑賞してほしいものだ。
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