日本のサブカル界で異彩を放ち続ける掟ポルシェの新連載!ブログツイッターでは語らない、“掟ポルシェの今”を赤裸々に語り尽くす居酒屋フリートーク企画「掟ポルシェのしゃれとんしゃあ通信」。あなたの知らない“もう一つの世界”はこんなにもおもしろい!

親としての当たり前のような子供の成長に一抹の寂しさを覚えるみたいなことをようやく感じ始めたんですよ。 / 掟ポルシェ

■ 友達と遊べないから家で兄弟とか親と遊んでるって、かわいそうじゃないですか

——先日、福岡市内のラーメン屋さんに行かれてツイッターで写真アップされてましたけど、一緒に写っているのは息子さんですか?

掟「そうです。今、小学校5年生ですね。体も大きくなって身長も140cm台とかかな。甘えてくるんですよ。子供なので。でもこの甘えてくるのも中学生とかになっちゃうと恥ずかしくなるじゃないですか。何か今までちゃんと成長して大人になってほしいから、成長を惜しんだりとか、女の子だったら彼氏ができたりしたら嫌だなとか、そんなことを思わないようにしてたんですよ。できるだけリア充な方向で生きて欲しいなと思ってて。でも、急にあと2年くらい経ったら全然甘えてこなくなるんだと思ったら、『あぁ~!もったいない!』と思いはじめてしまって。子供の成長に一抹の寂しさを覚えるという、親なら誰でも抱くであろう感情をようやく感じ始めたんですよ。『あ、この楽しい状況はあと2~3年で終わるんだ!』って途端に実感してきちゃって。だって、中学生とかになってお父さんと遊んでるような子供ってダメじゃないですか。客観的に見て。友達と遊べないから家で兄弟とか親と遊んでるってかわいそうじゃないですか」

——掟さんは子供の頃はどうだったんですか?

掟「うちは特殊な環境で、親父が船乗りだったんですよ。1年の内の休みを1ヶ月まとめて取るんですよ。それ以外の11ヶ月はいないんです。で、1ヶ月だけ丸ごと家にいるんですよ。全然好きでしたよ。うちの親父、いわゆるアルコール依存症で会社7回クビになってますけど。クビになっても『ああ、またか』みたいな感じですよね。大事と捉えないようになんらかの防衛本能が働いてたのかもしれないですけど。『いまは働いてる時期?クビになってる時期?どっち?』みたいな。失業しても食うに困ったことはないのが大きいんでしょうけど。船の機械をいじる人で、機関長っていう中卒で取れる一番いい免許を持ってたので、失業保険もかなりいいものをかけてて。ブラブラしてる時期でも失業保険とか年金で月に25万円くらいもらってましたね」

——へぇ!

掟「だから、親に一度も迷惑をかけられたと思ったことがないですね。ただ、酒癖はすごく悪くて暗いんですよ。机に向かってずっと唸ってる。とにかく暗い酒なんで、船で一緒に乗ってる船員の人から嫌われちゃうんですよ。理屈っぽくて面倒臭いし。でも暴力的ではない。普通に悪いことして怒られるときはゲンコツはられたりしましたけど、酔って家族に暴力を振るうとかは一切ないんですね。基本家で飲んでるから散財もしないし俺にとってはいい父親でした」

——お父さんと遊んでもらったりはしていましたか?

掟「父親が遊んでくれることをそんなに望んでなかったですね。家にいないのが基本なんでそれで慣れてたというか。俺も父親も野球見ないし嫌いだから、キャッチボールとかもしたくないし。ただ、話はよくしてくれましたよ。自分は屁理屈が得意だと思って仕事にも応用してるんですけど、多分それは父親から受け継いでるものなんでしょうね。小学校高学年くらいになると、いろんなことに対して知識欲が出てきて『これってどういうことなんだろう』と、世間に対する疑問を親父に聞いてたんですね。で、そういうときに親父が決まって言うのが『それは原則的に〇〇だ』という口癖で。原則的にと言ってるけど、その原則が何かってことは一切説明がない(笑)。原則的にそういうことになっているからって。そういう理由になってない無理矢理な理由づけとか、屁理屈とかって隙だらけでおもしろいなって思って、ロマンポルシェ。の曲の合間の説教ではその辺を意図的に盛り込んでます」

——息子さんと掟さんとの関係性とは全然違いますね。

掟「まあ、俺の場合は自由業だから、四六時中家にいる親父ですからね。いないとすれば東京の仕事場にいる時くらいで。夏休みは毎日一緒に犬の散歩に行ってますよ」

■ あれ、もしかして不審者に見えますか?

——教育方針とか、子供に対してこういう風にしてるとかあるんですか?

掟「教育方針?特にないですよ。人としてやっちゃダメなことをしたらそりゃ叱りますけど、できるだけこうあるべきっていうのを押し付けたくないんですよね。俺が子供の頃、父親が家にいなかった関係もあるんですけど、テレビを何時間まで観ていいとか、そういうのは一回も言われたことがなくて。そのおかげでテレビのことについて話したり文章書いたりするのが仕事になってるわけで。だから今、テレビは何時間までだよとか、ゲームは何時間までだよとか俺は言わないですね。好きなだけやっていいですよ。そこから得るものがなんかしらあればいいなと」

——理解あるいいお父さんですね(笑)

掟「ただ、俺がテレビを観たいのに息子がYoutubeをリビングのテレビでずっと観てるから、そういう時は『うるさいから消せ!』って怒鳴ります(笑)どうでもいい動画観てるんですよ。ゲーム実況とか。自分でやらないゲームで『うああああ!』とか叫んでると『うっせえ!このやろう!消せコラ!早く消せ!寝ろ!』って(笑)、いつも怒ってます。あのゲーム実況でギャーギャー騒いでるやつ、耳に入ってくると最悪にイライラするんですよ。居酒屋で隣の客が馬鹿騒ぎしてるみたいなのと同じで。それにYoutuberの多くはヤマなしオチなし意味なしのダラッとした動画ばかり配信してやがりますんで、そういうのだけは自分のセンス的に無しなんです。どうにも許せないときがある(笑)。俺がいないときは自由に見てていいからとは言ってあります。多少の理不尽はあった方がいいですよ」

——息子さんと二人で遊びに行ったりとかしないんですか?

掟「たまにはありますよ。嫁が仕事でいないとか、娘も保育園行ってていないとか。今ちょうど息子が夏休みなんでそんな感じですね。で、息子と二人でこのラーメン屋に行きましたね。嫁が仕事の時は子供だけイオンゲーセンに連れて行ったりとか」

——その時は掟さんも一緒に遊ぶんですか?

掟「遊んでますよ。娘とよく行く遊戯施設があるんですよ。おままごとができるセットがあったり、風船が空気圧でいっぱい飛んでるところがあったりとか。そういうところで遊ばせるときに、子供が3歳以下の場合は親も入らなきゃいけないんですよ。今うちの娘は5歳なんで入るか入らないかは自由なんですけど、でもいつも結構一緒に入ってて。その時に、俺がよその家の子供によく話しかけられるんですよ。こんな身なりだからなのか分からないですけど。で、うちの娘とままごとセットで遊んでる時に他の女の子も参加してきて、しょうがないから他の女の子とも普通に分け隔てなく話したりするじゃないですか。そうこうするうちに、子供がいっぱい集まってきちゃって。ウチの娘含む女児数名とのやり取りに熱中してたら、職員が飛んできて、『あの、おたくの娘さんの生年月日は?』ってすごい剣幕で言われて(笑)

——あははは(笑)

掟「職員の人に不審者だと思われちゃって。職員さんの必死の形相にちょっと動揺しちゃって、『あ、あ、いや、あの2000、あれ、あれ?』って即答できなかったりして。『あれ、もしかして不審者に見えますか?』って。『他の子供と遊ぶのを目的に、自分の子供をダシにしてる人みたいに見えました?』って。元々子供が好きだし、一時はちょっと変わった保育園で特別講師みたいな感じで教えてましたから、子供と遊ぶのはうまいんですよ。子供の扱いを心得すぎてるから猛烈に怪しまれちゃって。性的な意味で子供が好きな人と間違えられることがあるんですよね」

——それは嫌ですね(笑)

掟「世間ではロリコンだと言われることもある俺ですが、そういうのじゃないんですって!単に子供が好きなだけなんだけど、そういう危ない大人としてしか認識できないんですよね。世間がね」

■ 親が俺だから、子供が何かした時に怒れないですよ

——娘さんもあと10数年くらい経つと大人の女性になるわけですけど、家に彼氏とか連れてきたりするかもしれないですよね。

掟「もう相手はどんなのでもいいですし、彼氏とか早く作って、セックスとか若い頃からバンバンしてほしいですね。自分が若い頃からバンバンできなかったですから。ちょっとそれは親の若い頃できなかったことを叶えてくれというか、親が入りたかった大学に子供を入れるみたいな、そんな感覚ですかね。やっぱり息子娘にはバンバン高校中学時代からガンガンセックスしてほしい。相手はそんなに問わない。タトゥーくらいあってもいい。親が俺だから、子供が何かした時に怒れないってのがあるんですよ。息子が小学校一年生くらいのときですかね。授業参観に行くと、先生が生徒の前で『この中で、プライベートゾーンを友達に見せて笑いを取ろうとしてる子がいます』って言ってて、そしたらうちの子供の名前を同級生が叫ぶんですよ。『●●のことや!』って(笑)

——あははは(笑)

掟「『そういうことは絶対に良くないことです!』って先生も怒ってるんだけど、親もステージ上で似たようなことやってるわけで、『怒れない・・・』って(笑)。息子ももう小5だから、学校で出しちゃいけないってわかってきたみたいで流石にセーブしてますけど、家の中ではよく尻出したりチ〇ポギャグとかやってますよ。ずっと生尻出してて俺が気付くまでじっと待ってたり。でも、こっちから絡んでいくと『変態!きゃー!』とか言って嫌がるんですよね。昨日も二人きりだったから『ちょっと父ちゃんのお尻に顔を埋めてみない?』っていうのをやってました(笑)。『何言ってんの!変態!やるわけないだろ!バカじゃねえの!』って当然拒否されるんだけど、『いやいや、そんなこと言えるのもさ、あと2年くらいだよ。お前が子供だからそういうバカなことしても許されるんだ。もうあと数年経って、お前が真っ当な大人の体型になっちゃったら、これやっちゃうと父ちゃん犯罪になっちゃうから、今のうちにやってみないか』って子供に呼びかけたりするんですけど、『うるせー!バカ!変態!』って」

——そうやって自我が出てきたりするとやっぱり寂しいですか?

掟「『うるせえ、変態』って言ってるのも笑いながら言ってる程度なんで、まだ本気で嫌がってないですね。『やるわけねえだろ!バカ!』って言いながら半笑い(笑)。その状況をおもしろがってるんですよ。まぁこんなこと出来るのもあと数年ですよ。中学生になって自我が確立されたら、父親の渾身のチ〇ポギャグも『はいはい』とか言って流されちゃうんだろうな(笑)

※Vol.3は10月中旬頃に配信予定

■ 今回取材に協力してくれたお店

[Sunshine]福岡市中央区薬院1丁目11-13 正山ビル1F / 092-791-9203 / 20:00〜27:00 / 日曜休

掟ポルシェ(おきて・ぽるしぇ)

1968年生。男気啓蒙ニューウェイバンドロマンポルシェ。』&ひとり打ち込みデスメタル『ド・ロドロシテル』での音楽活動、ピッチを一切合わせないアイドルオンリーDJ、読後一切頭と心に残らない酷いコラム著述業、アイドルイベント司会を手がける他、頼まれれば法に触れない範囲で大体のことはやる。2015年より福岡西区に在住。2019年8月29日(木)に新著『豪傑っぽいの好き』(ガイドワークス)を発売。(九州ウォーカー・田崎紀之)

多少の理不尽はあった方がいいですよ / 掟ポルシェ