今年はかつてないほど、夏の移籍市場に注目が集まった。理由は日本人選手、特に東京五輪世代のプレーヤーたちの欧州移籍が目立ったからである。

 後にマジョルカへの期限付き移籍が決まったものの、レアル・マドリード入団が世界中で話題となった久保建英を筆頭に、安部裕葵はバルセロナ、前田大然はマリティモ、三好康児はアントワープへ移籍。堂安律のように、フローニンゲンからPSVへ欧州内でステップアップを果たした選手もいた。東京五輪開幕まで残り1年を切り、さらなる成長を目指すうえでの決断だったのだろう。

 とはいえ、話題になったのは日本人選手の移籍だけではない。今夏は20代前半、あるいはまだ20歳にも満たない俊英たちのビッグディールが次々に成立。大型移籍の低年齢化が一段と進んだ。

 そこで今回は、東京五輪世代(1997年1月1日生まれ以降)のプレーヤーを対象にした、今夏の高額移籍金ランキングトップ10を紹介する。

*移籍金はすべて『Transfermarkt』を参照
*日本円は、9月6日時点のレートで換算

◆■10位 ウィリアム・サリバ

生年月日:2001年3月24日18歳
国籍:フランス
ポジション:DF
移籍先:サンテティエンヌ(フランス)→アーセナルイングランド
移籍金:3000万ユーロ(約35億円)

193cmと長身ながらスピードも併せ持つことから、「ネクストヴァラン」と称されるセンターバック。昨年夏にサンテティエンヌでトップチーム昇格を果たすと、昨シーズンリーグ戦16試合に出場した。トッテナムなども獲得に乗り出していたというが、アーセナルが引き抜きに成功。今シーズンレンタル移籍でサンテティエンヌに残留し、来年夏から正式にアーセナルの一員となる予定だ。

◆■9位 マルコム

生年月日:1997年2月26日(22歳)
国籍:ブラジル
ポジション:FW
移籍先:バルセロナスペイン)→ゼニトロシア
移籍金:4000万ユーロ(約47億円)

昨年夏にボルドーから鳴り物入りバルセロナに加入したものの、シーズン通じて4ゴールと期待どおりの活躍を見せられず。わずか1年での退団を余儀なくされた。しかし、売却額は4000万ユーロ(約47億円)と獲得にかかったコスト(4100万ユーロ:約48億円)をわずかに下回るだけだった。

◆■7位 ユーリ・ティーレマンス

生年月日:1997年5月7日(22歳)
国籍:ベルギー
ポジション:MF
移籍先:モナコフランス)→レスターイングランド
移籍金:4500万ユーロ(約53億円)

今年1月にモナコからのレンタル移籍でレスターに加わると、プレミアリーグ13試合出場で3ゴール4アシストと躍動。「是非ともチームにいてほしい選手だ」とブレンダン・ロジャーズ監督が希望したとおり、クラブ史上最高額の4500万ユーロ(約53億円)で完全移籍が成立した。

◆■7位 ロドリゴ

生年月日:2001年1月9日18歳
国籍:ブラジル
ポジション:FW
移籍先:サントスブラジル)→レアル・マドリードスペイン
移籍金:4500万ユーロ(約53億円)

昨年6月にレアル・マドリードが獲得を発表し、今シーズンから正式にクラブの一員に。4500万ユーロ(約53億円)の移籍金は、1年前に加入したヴィニシウスの獲得費用と全く同じだった。マジョルカへの期限付き移籍が決まった久保建英とは同い年であり、2人の今後のキャリアにも注目が集まる。

◆■6位 エデル・ミリトン

生年月日:1998年1月18日(21歳)
国籍:ブラジル
ポジション:DF
移籍先:ポルトポルトガル)→レアル・マドリードスペイン
移籍金:5000万ユーロ(約59億円)

リヴァプールマンチェスター・Uなども狙っていた逸材を射止めたのはレアル・マドリード。設定されていた違約金の満額となる5000万ユーロ(約59億円)で引き抜きに成功した。ポルトを経由してレアルに加入したブラジル出身DFということから、元ポルトガル代表DFペペと比較する声もあるようだ。

◆■5位 アーロン・ワン・ビッサカ

生年月日:1997年11月26日(21歳)
国籍:イングランド
ポジション:DF
移籍先:クリスタル・パレスイングランド)→マンチェスター・Uイングランド
移籍金:5500万ユーロ(約65億円)

シーズン、高い守備力が武器の右サイドバックとしてブレイクを果たし、トップチームデビューから1年強でマンチェスター・U入りが決まった。移籍金5500万ユーロ(約65億円)は、東京五輪世代のDFとして、マタイス・デ・リフトの8550万ユーロ(約101億円)に次ぐ今夏2番目の高値だった。その期待に応えるかのように、プレミアリーグでは開幕から4試合連続でフルタイム出場を続けている。

◆■4位 ルカ・ヨヴィッチ

生年月日:1997年12月23日(21歳)
国籍:セルビア
ポジション:FW
移籍先:フランクフルトドイツ)→レアル・マドリードスペイン
移籍金:6000万ユーロ(約71億円)

シーズンブンデスリーガで得点ランキング3位となる17ゴールマークヨーロッパリーグでも14試合出場で10ゴールを挙げて、レアル・マドリードへのステップアップを果たした。移籍発表直後に行われたUEFA U-21欧州選手権2019はグループステージ敗退に終わり、東京オリンピック出場権獲得とはならず。それでも、覇権奪還を狙うレアルの新たな点取り屋としてさらなる活躍が期待される。

◆■3位 フレンキー・デ・ヨング

生年月日:1997年5月12日(22歳)
国籍:オランダ
ポジション:MF
移籍先:アヤックスオランダ)→バルセロナスペイン
移籍金:7500ユーロ(約89億円)

欧州制覇が至上命題のバルセロナが90億円に迫る大金を投じて獲得。1100万ユーロ(約13億円)とされるボーナスを含めれば、“オランダ人史上最も高額な選手”になる。ジョゼップ・マリアバルトメウ会長直々にアヤックスに赴き交渉をまとめたことからも、クラブの期待の高さが伺える。

◆■2位 マタイス・デ・リフト

生年月日:1999年8月12日(20歳)
国籍:オランダ
ポジション:DF
移籍先:アヤックスオランダ)→ユヴェントスイタリア
移籍金:8550万ユーロ(約101億円)

18歳からアヤックスキャプテンを務め、昨シーズンエールディヴィジと国内カップ戦の二冠をチームにもたらしたデ・リフト。移籍金8550万ユーロ(約101億円)は、クリスティアーノ・ロナウドゴンサロ・イグアインに次ぐユヴェントス史上3番目の記録になる。守備には細かいカルチョファンを納得させられるだろうか。

◆■1位 ジョアン・フェリックス

生年月日:1999年11月10日(19歳)
国籍:ポルトガル
ポジション:FW
移籍先:ベンフィカポルトガル)→アトレティコ・マドリードスペイン
移籍金:1億2600万ユーロ(約149億円)

東京五輪世代の移籍金ランキング1位に輝いたのは、アトレティコ・マドリードに加入したこの男だった。1億2600万ユーロ(約149億円)はアトレティコクラブ史上最高額であると同時に、世代の枠を超えた今夏の移籍市場最高額でもある。1日のエイバル戦でリーガ・エスパニョーラ初得点を叩き出すなど、早くも結果を残しており、真のスター誕生を予感させる。

(記事/Footmedia

移籍市場で高値がついた“東京五輪世代”たち [写真]=Getty Images