W杯アジア予選の初戦に向けて練習を再開

 日本代表DF吉田麻也サウサンプトン)が7日、4年前のロシアワールドカップ(W杯)アジア2次予選初戦の雪辱を誓った。日本代表は10日のカタールW杯アジア2次予選初戦となるミャンマー戦(ヤンゴン)に向けて現地で練習をスタート。ピッチが劣悪だったり、スコールが降ったりと“アジアの洗礼”に遭うなか、自身3度目となるW杯予選に臨む主将は、前回の苦い経験を糧に精神面を安定させて冷静に戦うことを強調した。

 カタールW杯への切符をつかみ取るため、7日から練習を再開した森保ジャパン。5日の国際親善試合パラグアイ戦(2-0)は快勝し、弾みをつけてミャンマーの地に乗り込んだ。だが、ヤンゴン市内に天然芝の練習場はなく、日本サッカー協会関係者が「一応天然芝のスタジアムのピッチに近い」とした、芝ではなく“雑草”が生え、ぬかるんだピッチの練習場となった。練習中には約20分間のスコールに見舞われ、選手たちのユニフォームは泥だらけ。“アジアの洗礼”と言えるような劣悪な環境でW杯予選初戦を迎えることになる。

 主将の吉田は、負けられない一戦を前に敵地での戦い方を分析。18歳のMF久保建英(マジョルカ)はもちろん、森保ジャパンの中軸を担うMF中島翔哉ポルト)やMF堂安律PSV)、DF冨安健洋(ボローニャ)らは初めてのW杯予選となる。自身3度目のW杯予選に臨む吉田は経験ある立場から勝利をつかむために必要なことを明かした。

「なかなか普段と違う環境、劣悪な環境で理想とするサッカーができない。そのなかで、理想と現実をどこまで折り合いつけてプレーするか。慣れていない選手は難しいですし、どんな大会でも初戦は非常に難しいと思うので、前回のような失敗をしないように、フィジカル的にそうですけど、やっぱりメンタル的に気を付けたい」

 吉田が話す「前回のような失敗」――。4年前、2015年6月16日ロシアW杯に向けたアジア2次予選の初戦だった。ホームで5万7000人以上が埼玉スタジアムに駆けつけたシンガポール戦で圧倒しながらも0-0と引き分けた。この“ショッキング”なドローは吉田にとっても大きなものだったようだ。

繰り返してはならない4年前の“失敗” そのために…

「本当に1年経っても引きずっていたな、というのが正直なところ。ただ今はフレッシュな状態で自分も保っているし、特にメンバーが変わって、4年前とは全然違うかなと思います。雰囲気は心配していないけど、経験の部分で多少少ないかなと思っているので、予選を通してたくさんの選手が試合に絡んで、レベルアップしていかないといけない」

 大事な初戦だが、難しい環境で戦い抜き、勝たなければいけないのも確か。前回の“失敗”を繰り返さないためにはどうすれば良いのか。

「それがサッカーじゃん、と言われればそれもそのままですけど、失点せずに先制点を取ること。やっぱアウェーは特にこういう雰囲気で、東南アジアサッカー人気が非常に強い。日本をリスペクトしている分、日本を叩きたいという思いで戦ってきているので、その雰囲気に飲まれちゃうと難しくなる。そうなる前にやっぱり日本強いなという状態で試合を展開できるようにしたい」

 まずは迎える敵はミャンマー。どんな環境下でも完勝し、4年前の屈辱を晴らしたい。(Football ZONE web編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

日本代表DF吉田麻也【写真:高橋学】