9月8日(日)放送の「ザ・カセットテープミュージック」(毎週日曜夜9:00 BS12 トゥエルビ)は、「ポツンと一曲」と題する特集。「有名アーティストに実はこんな曲もあるよ」と、マキタスポーツとスージー鈴木が、名曲・名演を掘り起こす。カセットガールは、ふるちゃんこと古橋舞悠が務める。

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「ポツンと一曲特集」の収録場所は、BS12 トゥエルビのビルのエレベーターホールで、2基のエレベーターの前にポツンと座らされた3人。「またいたずらされてますよ」(マキタスポーツ)という場所で、「『ポツンと』って付ければ、間違って見てもらえるんじゃないかと思ってる」(マキタスポーツ)、「『激レア曲連れてきた。』ってサブタイトルも付いてますよ」(スージー鈴木)という、スタッフの思惑をはらんで番組は進んでいく。

有名アーティストたちの隠れた名曲、いい曲なのに世間的注目度は低い楽曲、ほとんど耳にすることがない名演を、マキタスポーツとスージー鈴木が特選して紹介するこの企画。どんな楽曲がピックアップされたのか、今回はあえて楽曲タイトルをすべて伏せて記事化する。

スージー鈴木は、山下達郎の初期のレア仕事、デビュー前から才能を見せつける歌唱の記録を掘り起こす。

まず、山下達郎が手掛けた数々のCMソングの中から、数曲をピックアップ。あるCM曲を聴いたマキタスポーツは「スージーさん、これ何?」と爆笑する。それは、「山下達郎本人も『一生の不覚』と言っている。恥ずかしいから一人で録音した」(スージー鈴木)という楽曲らしい。

もう一つ、1970年代初めに山下達郎がアマチュア時代に友人たちと宅録したという曲も。仲間たちの中で突出した山下達郎の歌声を聴いたマキタスポーツは、「一人、佐々木朗希がいるよ」「その時代なら、作新学院の江川卓か」と、高校野球になぞらえてスゴさを表現する。

スージー鈴木は他に、桑田佳祐の2曲を紹介。ラップに挑戦している1987年の楽曲や、貴重なライブ音源を取り上げて、当時の桑田佳祐の音楽的構想を読み解いていく。

一方、マキタスポーツはまず、浜田省吾の「悲しい演歌みたいなイントロ」の一曲をピックアップ。これを聴いたふるちゃん(古橋舞悠)は「『ポツンと感』がありますね」と言いながらも味のあるボーカルに「わあ、カッコいい」と感想を漏らす。マキタスポーツは、当時の浜田省吾の動きに触れながら、楽曲で試みられた取り組みを解析する。

マキタセレクト3曲目は、「はっぴいえんど、および山達山の限界集落に『ポツンと存在している曲』」として、村田和人(むらた・かずひと)1983年バラードナンバーを取り上げる。村田和人は、2016年に亡くなったシンガー・ソングライター。日立マクセルCMソングになった1983年の「一本の音楽」などのヒットがある。

そのバラードをふるちゃんは「気持ちいい~。豪華客船の中で流れてそうな曲。すごく好き」と絶賛。スージー鈴木も「いい声ですよね」と同意する。

マキタスポーツは「山下達郎が才能に惚れ込んでいた」「音楽学校の講師を務め、後進を指導していた」「ハイトーン、乾いた風感」などなど、村田和人のミュージシャンとしての歴史や、ボーカルの魅力を語り尽くし、ギターを手にして取り上げた楽曲の聴きどころを細かく解説していく。

ラストは尾崎豊の楽曲。マキタスポーツは「音源を持っていないのに知っている、そんな『聖曲』と同じアルバムに収録されていながら、ポツンとしてしまっている一曲』」として取り上げる。いわく、「刹那(せつな)という漢字を覚えた曲」。この選曲をめぐって、番組では珍しくスージー鈴木が共感してくれないという事態が生じ、マキタスポーツが思わず涙してしまうくだりがちょっと面白い。

最後に「スージーさんが紹介した曲、一曲も知らなかった」と告白するマキタスポーツ。二人それぞれの音楽鑑賞歴の中から、とっておきのレコメンドが披露される回となった。

エレベーターホールを収録場所に選んだスタッフの思惑どおりではなかったが、ちょっとしたハプニングも発生。その瞬間の3人のオドロキぶりも見ものです。(ザテレビジョン

「ザ・カセットテープ・ミュージック」9月8日(日)放送より