ドイツ時間2019年9月6日Huawei Technologies(以下,Huawei)は,家電総合展示会「IFA 2019」の基調講演で,ハイエンドスマートフォン向けの新型SoC(System-on-a-Chip)「Kirin 990」シリーズを発表した。5G対応モデムを統合した「Kirin 990 5G」と非統合の「Kirin 990」の2種類をラインナップする。
 また,Kirin 990シリーズを採用するフラッグシップスマートフォンHUAWEI Mate 30」シリーズ(以下,Mate 30シリーズ)を,2019年9月19日ドイツミュンヘンで発表することも明らかにした。



 Kirin 990 5GとKirin 990の違いは,5Gモデムの有無だけではない。Kirin 990 5Gが,半導体製造の露光技術に極紫外線(Extreme Ultra Violet,EUV)を用いた最新の7nm製造プロセスKirin 990はこれまでと同じ7nm製造プロセスを採用するといった違いもある。


 CPUコアは,Arm製のCPU IPコアであるCortex-A76を4基と,Coretex-A55を4基からなる8コア構成だが,Cortex-A76のうち,2基を高クロック,もう2基を低クロックで動作させることで,アプリケーションワークロードに合わせて,柔軟にCPUコアの組み合わせを変えられるのが特徴だ。
 なお,Kirin 990 5Gは,Kirin 990と比べて,低クロック側のCortex-A76×2とCoretex-A55×4の動作クロックが,高く設定されている。

 また,SoCに組み込まれたAI処理専用ユニット「NPU」は,Big-CoreTiny-Coreを組み合わせた「Da Vinciアーキテクチャ」を採用し,Kirin 990 5Gが2基のBig-Coreと1基のTiny-CoreKirin 990が1基のBig-Coreと1基のTiny-Coreという組み合わせになっている。
 GPUコアはいずれも前世代モデルと同じく,Arm製のGPU IPコアであるMali-G76を採用するが,コア数を従来の10基から16基に増量した。



 今回の目玉となるのは,やはりKirin 990 5Gであろう。他社製SoCのようにSoCと5Gモデムが別チップの場合と比べて,マザーボードに占めるSoCとモデムの面積を削減できるだけでなく,5G接続時の電力消費も抑えられるのが特徴であるという。





 Huaweiはここ数年,IFAでフラッグシップ端末に搭載する新しいSoCを発表して,その後に同SoCを搭載するMateシリーズスマートフォンを発表するというを続けている。しかし,2019年は,米国からの輸出規制が続く影響下で,Huaweiがどれだけグローバル市場の不安を払拭できるかという,製品以外での注目も集めている状況だ。
 なかでも日本のユーザーが気にしているのは,Mate 30シリーズで,Google関連のサービスが継続して搭載されるかどうかであろう。だが,この部分については特に発表がなく,9月19日ドイツミュンヘンで行われるMate 30シリーズの製品発表会を待たなければならない。
 余談だが,SoCの発表を経て新デバイスを発表するという流れは同じだが,Mateシリーズの発表は,例年よりも3週間程度前倒しとなった。iPhone新製品の発表が日本時間の9月11日で,発売が9月20日と予想されているので,その日程を意識しているものと思われる。


■ウェアラブデバイス向けSoC「Kirin A1」を搭載する完全ワイヤレスイヤフォンHuawei FreeBuds 3」

 SoCと端末以外に,アクセサリー新製品の発表も行われた。その1つである完全ワイヤレスイヤホンHuawei FreeBuds 3」(以下,FreeBuds 3)は,ウェアラブデバイス向けとしては初めてSoCに「Kirin A1」を採用したのが特徴だ。Kirin A1は,Bluetooth 5.1とBluetooth 5.1 LEに対応したSoCで,完全ワイヤレスイヤホンの左耳側と右耳側の両方に対して,低消費電力で接続できるそうだ。


 ウェアラブデバイス向けの自社チップというアプローチは,Appleが数年前から行っているように,自社製デバイスとの接続しやすさや,拡張機能の実装などで,汎用チップを使う場合よりも優れた製品を実現できるのが利点だ。FreeBuds 3の場合,音声の遅延も完全ワイヤレスイヤホンのなかでは,最小を実現したとアピールしていた。




■P30 Proのカラバリに新色登場。出荷時からAndroid 10を搭載

 2019年春に発表となったHUAWEI P30シリーズは,世界市場においては,6カ月間で1650万台を出荷。前世代のP20シリーズに比べて,53%の成長率を見せているとのことだ。そうした実績をもとにHuaweiは,同社がスマートフォン市場におけるトレンドセッターになっていると自信を見せる。Samsung ElectronicsのGalaxy Note9からNote10への変化を例に,Galaxyシリーズすらも自社のフォロワーだと豪語していた。


 こうした好調な販売を背景に,P30 Proにはカラーバリエーションを追加する。新色は水平線をモチーフにした「Mystic Blue」と「Mystic Lavender」の2色だ。


 Mystic Blueは昼の光と水面を,Mystic Lavender夕暮れの光と水面をイメージしたとのこと。既存の製品は,背面カラーのグラデーションに特徴があるが,今回のカラーバリエーションは,光沢のある上部と,マットな下部が水平線をイメージしたラインで分割されているのが特徴だ。ハードウェア面での変更はないが,専用の壁紙やアイコンテーマが用意される。


 それに加えて,既存のP30およびP30 Proは,Android 9(Pie)+EMUI 9の構成で出荷されていたが,今回のカラーバリエーションモデルは,出荷時からAndroid 10+EMUI 10の最新OSベースになっている点もポイントといえよう。なお,既存のP30シリーズ向けには,9月中にAndroid 10+EMUI 10へのアップデートをβリリースとして提供するとのことだ。


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5Gモデム統合の新SoC「Kirin990 5G」をHuaweiが発表。搭載製品「Mate 30シリーズ」は9月19日に発表