将棋の棋士とコンピューターの5番勝負となる『第2回電王戦』最終局が20日、東京・渋谷区の将棋会館で行われた。

 先手となった最高峰リーグのA級棋士・三浦弘行八段(39)が102手で『GPS将棋』に敗れた。プロ棋士は対戦成績が1勝3敗1持将棋引き分け)となり、団体戦でも敗戦が決まった。

 21日付のスポーツ報知サンケイスポーツ、東京中日スポーツ各紙が報じており、これまでトップレベルの棋士と将棋ソフトの対戦は2007年、渡辺明王将が『ボナンザ』に勝利しており、将棋のトップ棋士が公の場でコンピューターソフトに負けたのは初になるという。

 三浦八段は「どこでミスをしたのか分からなかった。これだけ強いと分かっていればもっと準備すべきだった。責任を果たせなくて、申し訳ない」と、肩を落としているという。

 日本将棋連盟谷川浩司会長は「今回の結果は棋士にとって厳しい現実を突きつけられた。(棋士の)5人は全力を出し切ったと思う。胸を張ってほしい」とコメントを残した。

 一方の『GPS将棋』は昨年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝。今回は東大教養学部のコンピューターと結んで1秒間に2億5000万手と読みのスピードを上げて臨んでいたという。