昨季から指導するデンマーク人のグレネマルク氏 「彼はたくさん話を聞いてくれます」

 昨季途中からリバプールスローイン専門コーチとして招聘されたデンマーク人のトーマス・グレネマルク氏が、ユルゲン・クロップ監督を「イノベーター」として称賛している。スポーツ専門サイト「The Athletic」が報じた。

 グレネマルク氏は母国デンマークのミッティランなどでスローインコーチとして活躍。その手腕に注目したクロップ監督が、昨年6月に自ら電話してスカウトした。同氏はすぐにリバプールと契約を交わした。

 スローインギネス世界記録(51.33m)を持つグレネマルク氏の指導で、リバプールの選手はスローイン技術が向上。イングランド代表DFジョーゴメスは、そのなかでも顕著にスローイン技術が向上した選手とされている。そして、リバプールは昨季、見事に通算6度目の欧州制覇を成し遂げた。

「ユルゲンはイノベーターです。彼はリーダーだが、自分はすべてを知っているわけではないと言う。クラブを前進させるための知識を持っている人間からは、話を積極的に聞きたがるんです」

 グレネマルク氏はクロップ監督のその姿勢を称えている。スローイン専門のコーチを雇うのは欧州でも珍しいことだが、チームのためならばと積極的に取り入れた。52歳のドイツ指揮官は、まさにサッカー界の革命家の1人だ。

「世界最高のクラブにいるからといって、昨日と同じことをしなければならないというわけではありません。ユルゲンに会うと、まるで親友と話しているように感じます。彼はたくさん話を聞いてくれます。イングランドではほとんど知られていないような男をクラブに迎え入れ、『あなたの知識をトレーニングプログラムに取り入れたい』と言う。それこそが大きな信頼と、素晴らしいリーダーシップを示しています」

 グレネマルク氏はクロップ監督への惜しみない賛辞を送っていた。こうした人心掌握術こそが、クロップ監督が名将と呼ばれる所以なのだろう。(Football ZONE web編集部)

リバプールのユルゲン・クロップ監督【写真:Getty Images】