ランボルギーニといえば、社会的成功の証ともいえる超高級車。そのランボルギーニを、普通の会社員なのに20代で購入したという男性に話を聞くことができました。

ランボルギーニ
中村賢治さん(20代後半・仮名)と愛車「ランボルギーニ ガヤルドスパイダー
 インタビューに応じてくれた中村賢治さん(仮名・20代後半)ランボルギーニを購入したのは20代半ばの頃。ローンで購入したのかと思い、話を聞くと「中古車を一括で購入しました」という驚きの答えが。そこで、一括購入できた理由や、購入して感じたことを聞いてみました。

普通の人ができない“経験”を買いたい

 中村さんは都内の大学を卒業後、IT系の企業に就職。入社1~2年目の年収は500万未満だったそう。車が好きになったのは、大学1年で免許を取った後でした。

「免許取得後は、カーシェアレンタカーを利用していました。都内は交通手段が豊富だし、車を買う必要性はあまりないと思っていました」

 では、なぜランボルギーニを購入したいと思うようになったのでしょう。

「免許を取って初めてドライブをしたときに、たまたま前を走っていたのがランボルギーニガヤルドだったんです。すごくカッコよくて、いつか買いたいなというのが頭の片隅にありました」

 車を運転するだけなら、レンタルやカーシェアで十分。だからこそ「わざわざ車を持つなら、ランボルギーニという普通の会社員はなかなかできない“経験”を買いたい」と思ったと言います。

 現金一括購入したという中村さんのランボルギーニガヤルドスパイダー)は、中古車でも1200万円前後します。一体、どうやって購入資金を用意したのでしょうか。

ローンではなく一括購入した理由は『都心では生活に必要不可欠なものではなく、趣味で買うのに、ローンの利息を払うのはバカバカしい』と考えたからです。もともと無駄遣いをしないタイプなので、大学卒業時点で塾講師のアルバイトで貯めた貯金が400万円程ありました。社会人になって収入がアップすると、その分、お金も貯まるようになって、このペースで貯金すればランボルギーニを買えるなと考えるようになりました」

無駄な出費を徹底的に省く“財テク”

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「会社では“飲み会に行かないキャラ”が定着している」という中村さん
 中村さんの1か月の生活費は、家賃が約10万円、食費(すべて外食)が約7万円、その他光熱費や通信費が数万円。これ以外は無駄な出費がなく、年間200万~300万円ペースで貯金していたそう。

「昔から、いかに無駄を省くかを考えるのが好きなので、無理な節約をしている意識はありません。例えば“ラテマネー”といって、カフェコンビニ自販機などで飲み物を買うのが習慣になっている人は、それだけで月に1万円以上使ったりしていますよね。特に行く必要のない飲み会は断るとか、そういう無駄を省けばお金は貯まっていくと思います」

 徹底したムダの排除はまだまだ続きます。

ATMも手数料がもったいないので、めったに利用しません。利用するときは、50万円などの大きな額をいっぺんに下ろして少しずつ使い、普段の買い物はほとんど電子マネーで行っています。あとは、お得なマネー情報を発信しているブログなどをいくつかチェックして、電子マネークレジットカードキャンペーン情報を逃さないようにしています。ポイントを活用するのは基本ですね。投資は自分の好きな飲食店の株を買うくらいですが、株主優待券で食事ができるので一石二鳥です」

 この「無駄を省く」という考え方は、なんと交友関係にも影響しているとか。

「友達も、よく会う人が数人いるくらい。やたらと人脈を広げることもしないので、無駄な会食や、人数合わせで参加するような結婚式に呼ばれてご祝儀を包むようなこともありません」

維持費は年間約150万。それでも「高くない」

 現金一括購入とはいえ、人生で初めての大きな買い物に不安はなかったのでしょうか。

ランボルギーニの維持費は、年間150万円程です。十分賄える範囲なので不安はなかったですね。それに、中古車でも価格がほとんど落ちないので、仮に1200万円で購入しても、1000万円程度で売ることができます。差し引き200万~300万円コストランボルギーニを持つ経験ができるなら、高くはないと思います」

 購入資金が貯まった頃「とりあえず車を見に行くつもり」でディーラーを数軒回ったところ、その日のうちに購入することになったそう。

「何軒目かで条件に合う車があったので、希望価格を伝えてその場で契約しました。達成感よりも、1000万円以上を一括で振り込んだので、もし車が届かなかったらどうしよう……と不安になりました(笑)

 契約後は、事前に調べていた機械式の地下駐車場(月6万5000円)を契約。2週間後、ついにランボルギーニが納車されました。

「初めてエンジンをかけたときの感動は、今でも忘れられないですね。エンジン音がすごくて、もう最高!って感じでした」

ランボルギーニは、あおられない?

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愛車のハンドルを握る中村さん
 現在は、休日に恋人や友人とのドライブメインスーパーカーライフを楽しんでいる中村さん。

「今も運転しているときの楽しさは変わらないですね。購入する前は3年経ったら売ろうと思っていたのですが、まだ手放す時期は考えていません」

 一方で、デメリットについてはこう話します。

「少ないですが、行けない場所があることくらいですね。事前に駐車場を確認しておかないと、左ハンドル用の駐車場がなかったり、車高が低いので急勾配ではこすってしまうことがあります」

 若くして高級車を走らせていると、最近話題の「あおり運転」の標的になったりはしないのでしょうか。

「そもそも、交通ルールを正しく理解して走行していれば、あおられることは少ないはずです。道路交通法の第二十七条では『他の車両に追いつかれた車両の義務』が規定されていますが、これを守らない人が多いのではないでしょうか。ただ、ランボルギーニの場合は逆に周りの車が避けて走ってくれますね。こういう車にぶつけると修理代が高いからだと思います。そういう意味では、万が一、故障したら補償できないということで、ガソリンスタンドで洗車を断られることがあります。僕はランボルギーニを扱ってくれる専門の業者に洗車を頼んでいます」

 ランボルギーニオーナーはほとんどが医者や社長などのリッチな人々ですが、中村さんはその中で人脈を作ることにはあまり積極的ではなく「ランボルギーニを持って、運転することが純粋に楽しい」といいます。

「僕が体感している日常やエンジン音など、ランボルギーニの魅力をTwitter(@Lamborghini_TYO)や『ランボルギーニ 東京』というYouTubeチャンネルで発信しています。もっと車好きな人が増えてくれればいいなと思って。そうなればランボルギーニの価格も上がりますし(笑)

チリも積もれば“ランボルギーニ”となる



 最後に20代社会人に向けたメッセージを聞くと、「20代でも欲しい車があるなら買ったほうがいい」と中村さん。

「都内なら、こだわりが無ければカーシェアレンタカーのほうが安いと思います。でも、“愛車”というように、所有して、愛着を感じるものができるというのは素晴らしい経験だと思います。僕はSNSなどで『チリも積もればランボルギーニ』とよく言っているんですが、サラリーマンは給料が大きく上がったりしないので、小さなことの積み重ねで資金を貯めるしかありません。年収500万円あればランボルギーニは余裕で買えると思いますね。300万円くらいでも、年数は掛かりますが、工夫次第で可能だと思います」

 小さな無駄を省くことで、ランボルギーニを持つという貴重な経験を手に入れた中村さん。毎日なんとなく使っているお金を見直して、本当にやってみたいことを探してみるといいかもしれません。

<取材・文/都田ミツコ>

【都田ミツコ】

編集者ライターエッセイスト。日課は今朝計った体重を妹にラインで送りつけること。

中村賢治さん(20代後半・仮名)と愛車「ランボルギーニ ガヤルド・スパイダー」