堺市でバイクに乗っていた男子大学生自動車で執拗に煽った上に、追突し死なせたとして、殺人罪に問われていた41歳無職の男の控訴審判決が11日、大阪高裁で開かれた。

 報道によると、この事件は2018年7月2日夜、堺市南区の路上でバイクを運転する大学生の男性に腹を立て、被告が執拗にクラクションを鳴らし、ライトをハイビームにするなどして煽り、車を追突させ死亡させたもの。

 証拠となったのは被告のドライブレコーダー。全ての行為が記録されており、死亡した瞬間「はい、終わり〜」という音声が入っていた。検察側は、一連の行為が明確な殺意を持ったものだとして殺人罪を求め、弁護側は自動車運転処罰法違反(過失致死)にとどめるべきだと主張していた。一審の裁判員裁判では殺人罪が認められ、懲役16年の判決が下されていた。

 弁護側はこれを不服として控訴。追突について「故意ではなかった」「殺意はなかった。『はい、終わり』は自分の人生が終わったということ」などと主張し減刑を求めていた。

 11日に大阪高裁は、弁護側が故意ではなかったとの主張について、ライトのハイビームを当て、執拗なクラクションを鳴らす行為に出ていることを挙げ、「怒りに任せた意図的な追跡行為」とし、故意だと認定した。

 殺意についても衝突後「はい、終わり」と発言したことから「死んでも構わないという未必の殺意があった」と認定。一審の求刑通り殺人罪を適用し、懲役16年を言い渡した。現在のところ弁護側が上告するかは不明だが、無法行為に「鉄槌」が下されることになった。

 殺人罪が適用され懲役16年となったものの、遺族側は判決が「軽い」と不満を漏らしているようだ。何の落ち度もない人間を殺した人間が、16年後に出所し自由の身になることに耐えられないというのだ。しかも被告は反省の態度をほとんど見せておらず、減刑を望むばかりだという。遺族が無期懲役クラスの重い罪を望むのも当然だろう。

 煽り運転に殺人罪が適用されたことは異例とされているが、それでも亡くなった家族が帰ってくることはない。最近では常磐自動車道煽り運転事件や、8日には東名高速煽り運転をした上にエアガンで撃ってくるというあり得ない行為も報告されている。煽り運転は減ることがない。

 警察庁は法改正による厳罰化を検討しているが、その間にも悪質な煽り運転は発生している。被害に遭わないよう十分に気をつけてほしい。

文 神代恭介

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