前作「ゲットアウト」が全米で大ヒットし、日本でも一躍脚光を浴びたジョーダン・ピール監督の最新作「アス」(公開中)。本編には、名作映画のオマージュなど、知ればより楽しめるトリビアが隠されており、主演のルピタ・ニョンゴやピール監督らのコメントからそのポイントを紹介する。

本作は、自分たちとそっくりの謎の存在と対峙する一家の恐怖を描いたサスペンススリラー。「それでも夜は明ける」でアカデミー助演女優賞を受賞し、「ブラックパンサー」などで活躍するルピタ・ニョンゴが主人公アデレードを演じている。

過去のトラウマを抱えるアデレードと、その目の前に突如現れるドッペルゲンガーレッドの2役を演じたニョンゴによると、ドッペルゲンガーの動きはある虫を参考にしたという。「レッドの動きを表現するうえで、ジョーダン(・ピール)が使った言葉の一つが"ゴキブリ"だった。レッドゴキブリの生命力と関連付けるのはすごく有益な方法だったわ。ゴキブリはあちこち動き回るし、素早いから退治するのが難しい。そうかと思えば、気付かれずにじっとしていることもできる。それに、驚異的な生命力と回復力を持っているの」と明かしている。

また、劇中にはハサミが印象的なアイテムとして登場する。その理由について、ピール監督は「ハサミはこれまでにも古典ホラーで使用されているから、本作の中心的なイメージとして起用することで敬意を表したかった。ハサミには言葉のうれでも物質的にも二面性がある。2つの部分から成り立っているし、日用品と恐ろしい凶器という境界線上に存在する物でもあるからね」とアイテムのこだわりを語る。

ピール監督は、舞台となるカリフォルニア州サンタクルーズにもある思いがあったといい、「アルフレッド・ヒッチコックの大ファンで、サンタクルーズに見られる西海岸特有の空気は、『めまい』や『鳥』を彷彿とさせる。それに、サンタクルーズを破壊した最初の映画である、『ロストボーイ』へのちょっとしたオマージュでもある」と、ロケーションにも映画愛が込められた。

そのほか、レッドワードローブは「スリラー」のマイケル・ジャクソン、「ハロウィン(1978)」のマイケル・マイヤーズが着ていたジャンプスーツ、「エルム街の悪夢(1984)」のフレディ・クルーガーが着けていた刃の付いたグローブの影響を受けているそう。細かい箇所にも往年の名作ホラーの要素を取り入れており、再鑑賞して楽しむことができる。

ジョーダン・ピール監督のこだわりが詰まった「アス」 (C)Universal Pictures