発売日が2020年1月23日に決定したスクウェア・エニックスNintendo Switchニンテンドースイッチ)、プレイステーション4iOSAndroidソフトファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』。

 2019年9月12日から開催される東京ゲームショウでは、オンラインマルチプレイが楽しめる試遊体験台が出展。また、9月15日には『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスタースペシャル Live ステージが行われる。同ステージでは、声優のLynnさんと作曲家の谷岡久美さんをゲストに、ネットワークを介してのオンラインマルチプレイをはじめとした新規要素が紹介され、主題歌カゼノネ』、『星月夜』を担当するYaeさんによる生歌唱も行われる。

 本稿では、そんな『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』を改めて紹介するとともに、新規要素、さらにはプロデューサーの荒木竜馬氏と音楽ディレクターを務める岩崎英則氏(※崎は旧字)へのインタビュー、さらにはキャラクターデザインを手掛けた板鼻利幸氏のコメントをお届け。

『FF・クリスタルクロニクル リマスター2020年1月23日発売決定! マルチプレイキャラクターボイス新規収録など、新要素を紹介する“TGS2019トレーラー”も公開
https://www.famitsu.com/news/201909/09182861.html

・ファミ通.com”TGS 2019情報まとめ“特設サイト


【画像55点】「『FFCC リマスター』オンラインマルチで合体魔法はどうなる!? キレイになったビジュアルを大量に公開――開発者インタビューも【TGS2019】」をファミ通.comで読む(※画像などが全てある完全版です)

 プレイヤーは、村を瘴気から守るクリスタルを清めるため、“ミルラの雫”を集める旅に出るキャラバンの一員となって世界を旅することになる。ミルラの雫がある危険なダンジョンへは、シングルプレイではモーグリのモグと、マルチプレイではキャラバンの仲間となるほかのプレイヤーと協力しながら進むことになる。ダンジョンを巡り、雫の器である“クリスタルケージ”が満たされると村に帰還。そして翌年も雫集めの旅へ出るというサイクルをくり返していく。


キャラクター


 『FFCC』の世界ではクラヴァット、リルティ、ユーク、セルキーという4種族が共存している。プレイヤーはこの4種族の中からひとつを選び、性別、容姿タイプを決定して自分のキャラクターを作成する。オリジナル版では、容姿のバリエーションは1種族につき男女各4タイプが用意されていたが、リマスター版ではさらに1タイプずつ追加。この新バリエーションデザインは、オリジナル版のキャラクターデザインを担当した板鼻利幸氏が手掛ける。

“温”の民 クラヴァット
自然と共に生きる、地道でおだやかな種族。空気も、大地も、自分とは違う種族も、彼らにとってはみんなが友だちなのだ。優しいクラヴァットらしく、キャラバンを守るのが得意。

クラヴァットの歴史:リルティとユークを発端とする戦争は200年におよんだが、その間に入り戦争を中断させたのがクラヴァットの族長アルトゥス。戦勝終結後は各地の開墾に精を出し、ファム大農場、ティパの村、ティダの村などをつくる。だが50年前ティダの村が滅亡するなど平穏な生活に影をおとす。


“武”の民 リルティ
はるか昔、その力で大陸を支配していたと言われる、誇り高い種族。血の気は多いが、さっぱりとした性格から人々の信頼も厚い。小さな体で大きな槍を振り回し、その力はモンスターも圧倒する。

リルティの歴史:かつてリルティのカドゥリゲス一族が鉄器を用いて世界支配に乗り出すが、200年におよぶ戦いで資源が枯渇したことも要因となり終結する。その後人々を魔物から守ることを誓い、街道の整備に着手。それにより交易が盛んとなり、世界の商業をつかさどる存在となる。


『智』の民 ユーク
かつて大陸を支配していたリルティに対し、魔法の力で対抗してきた種族。いまでも研究に熱心な彼らの知識は、ひっそりとこの世界を支えている。彼らの魔力は、きっとキャラバンも後ろから支えてくれるだろう。

ユークの歴史:リルティが武力により世界を支配しようとしたため、魔力をもってこれに対抗する。200年におよぶ戦争終了後、ユークの賢者ホーミヒエレは自然の対話の道に戻り水路の整備を開始。肥沃な大地を生み出す大事業を成しとげたあとは、研究をかさねる静かな暮らしに戻っている。


“我”の民 セルキー
風のように自由に生き、自分のことを第一に考える種族。ルールに縛られず、各地を旅する盗賊になるものも多い。野生の動物のような素早い身のこなしは、相手を翻弄する。

セルキーの歴史:大昔は手先の器用な職人として活躍していた。戦争終結後は規律の強まった世界を嫌い放浪生活を開始するが、その多くは定住先を見つけられず人々の財産を盗んで生活するようになったため、ほかの種族に制圧される。その後、一部のものは他種族に交じり暮らし、一部のものは窃盗生活を続けている。


さまざまな恩恵が――家族と職業
キャラクター作成時、家族の職業を選ぶことができる。選べる職業は全8種類。選んだ職業に応じてアイテムをもらえたり、武器を安く作ってもらえるなど、さまざまな恩恵を受けられる。


ミルラの雫”を求めて


 本作の世界は“瘴気”に覆われており、触れ続けると体が傷つきやがて倒れてしまう。その瘴気をしりぞけるものがクリスタルだ。人々はクリスタルの周りに町や村を作り生活をしている。クリスタルの輝きをたもつためには、年に一度“ミルラの雫”で清める必要があるのだ。


瘴気ストリームが行く手を阻む
各地方の節目に点在し、濃厚な瘴気が壁となってキャラバンの行く手を阻む。この瘴気ストリームを突破するには、クリスタルの属性の力を借りる必要がある。瘴気ストリームが持っている属性にクリスタルの属性を合わせることでキャラバンはこの瘴気の壁を越えて次の地方へ進むことができる。


冒険の出発点となるキャラバンの故郷――ティパの村
冒険の出発点となるキャラバンの故郷。もともとはクラヴァットが住み始めたが、いまではすべての種族が過去の確執にとらわれず平穏に暮らしている。村の奥中央に大きなクリスタルを祀り、瘴気から守られて生活をしている。その輝きを保つため、村の若者たちはミルラしずくを求めて旅立つ。


最初の冒険後――リバーベル街道
川沿いにのびる旧街道。かつては旅人でにぎわっていたこの場所も小鬼たちがすみ着いてからは使われなくなってしまった。美しい水と青々とした緑が広がるダンジョンは、かけだしキャラバンに最適の場所だ。


奥には奇妙な生物も――キノコの森
無数の巨大キノコが群生し、その様子はまるで森のよう。キノコは日々成長しており、年を追うごとに森もその姿を変え続けている。森の奥にはキノコの胞子を吸収する奇妙な生物がいるらしい。


ダンジョンの仕掛け――鍵&門
すべてのダンジョンにはさまざまなタイプの仕掛けが存在する。閉ざされた門を開くためには、台座にはめこむ隠された鍵が必要だ。鍵はモンスターが持っていたり、別の仕掛けを解くと出現したりなど入手方法もさまざま。ダンジョンによってはどの台座に鍵を置くかで、行けるエリアが変わることもある。


ミルラの雫を溜める器で、瘴気を払う効果も――クリスタルゲージ
ミルラの雫を溜める器としての役割のほか、はめ込まれた小さなクリスタルで周囲の瘴気を払うなどキャラバンにとって冒険の必需品。クリスタルケージから離れると瘴気によるダメージを受けてしまう。


パートナー――モグ
世界は瘴気に覆われているため、バトルの移動中もクリスタルケージは手放せない。マルチプレイではプレイヤーの誰かが運び手となるが、シングルモードではモーグリのモグが仲間となり、クリスタルケージの運び役となってくれる。さらに魔法を唱えてプレイヤーを助けることもあり、タイミングを合わせればプレイヤーとモグとの合体魔法の発動も可能だ。


ゲームの流れ


 冒険は1年単位で進んでいき、1年の終わりにはティパの村で盛大なお祭りが開かれる。冒険を重ねるごとにさまざまな出来事に遭遇し、世界の真実に触れることに――。
 雫がケージいっぱいになると強制的に故郷へ戻り、水かけ祭りが発生。1年間が終了し、次の年が開始する。



基本コマンド


たたかう
コマンドで“たたかう”を選択してボタンを押すと、装備中の武器で攻撃できる。またタイミングよくボタンを押すと連続攻撃が可能だ。


必殺技
通常攻撃を溜めることで発動できる必殺技は、武器ごとに固有の技が存在している。敵の懐にとびこむ打撃タイプや、衝撃波や弾丸をはなつ射出タイプなど、各種族・武器の特徴が生かされている。敵に合わせて装備をかえるなど、戦いを有効に進めていこう。


まもる
コマンドで“まもる”で敵の攻撃から身を守れる。防御方法は種族ごとで異なるため、それぞれの特徴を把握して使用しよう。
クラヴァット:盾をかまえて防御。前方からの攻撃には無敵をほこる
リルティ:武器の槍を水平にかまえて、ダメージを減らす
ユーク自分の姿を透過し攻撃をやり過ごす。ただし敵には察知されるので注意
セルキー:バク宙で攻撃を回避することができる



魔法
ダンジョン内で敵を倒したり、宝箱から入手できる魔石をコマンドリストセットすることで魔法を使用することができる。ダンジョンから出ると魔石は失われてしまうため、ダンジョンに入るごとに魔石を集めて戦略を組み立てる必要がある。


アイテム
消費アイテムは、あらかじめコマンドリストセットしておくことでバトル中に使用することができる。使ったアイテムは消費されるため忘れずに補充しよう。さらに、アイテムに武器をセットしておくと、バトル中に装備中の武器と切り替えて戦うこともできる。


連携技マジックパイル、魔法剣


 魔法には単体で発動する魔法と、合体させて使う2種類が存在する。かけ合わせる種類とタイミングによって、さまざまな種類の強力な合体魔法を発動できるのだ。シングルモードと、マルチモードではその方法が異なる点に注意。

マルチモード


シングルモード


ボス紹介――モルボル
キノコの森の胞子をすいこみ巨大に育った、醜く凶悪なモンスターモルボル。『ファイナルファンタジーシリーズでもおなじみの技“くさい息”で毒を振りまいたり、ステータスを低下させる呪い“カーズラ”など多彩な攻撃でプレイヤーを翻弄してくる。


新規要素


オンラインマルチプレイクロスラットフォーム対応
ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクルリマスター』では最大4人でのオンラインマルチプレイが楽しめる。Nintendo Switchプレイステーション4、さらにはiOSAndroid、どのハードで遊んでいる人ともいっしょにオンラインプレイが可能だ。いつでも、どこでも、たくさんの仲間とともに、美しくも過酷な世界へと旅立てる!

[クロスプレイ]
異なるプラットフォーム間でオンラインマルチプレイを行うことができる。また、オプション設定でマルチプレイを行うプラットフォームを制限することも可能。

[クロスプログレッシブ]
異なるプラットフォーム間でセーブデータの移行を行うことができる。
※詳細な方法は追って公開される。
※プラットフォームごとにソフトの購入が必要。


インターネットに接続することで利用できるサービスは、ゲームの発売から期間が経過すると終了する場合があります。
オンラインマルチプレイの利用には、インターネットへの接続および、Nintendo Switch版ではニンテンドーアカウントの作成(無料)と「Nintendo Switch Online」への加入(有料)、プレイステーション4版ではPlayStation Networkの利用(無料)とPlayStation Plusへの加入(有料)が必要です。
※画面は開発中のものです家庭用ゲーム機(Nintendo Switch / プレイステーション4)とスマートフォンiOS / Android)の画面構成・デザインには差異があります。



高難易度ダンジョン&ボスの追加
本編クリアー後にプレイ可能となる高難易度ダンジョン&ボスを新たに追加! 新たな装いのダンジョンにはより強力になったモンスターや、ボスが登場する。ひとりで力試すもよし、仲間と共にさらなる報酬を求めてもよし、10を超える高難易度ダンジョンプレイヤーを待ち構えている。

高難易度ダンジョンのひとつ――紅葉のリバーベル街道
青々とした緑が赤く色づき、秋へと季節の変化を感じさせられる街道。美しい景色とは反対に、生息するモンスターはより凶悪になりダンジョン最奥までたどり着くのも命がけ。


キャラクターボイスの追加
プレイヤーキャラクターは各種族の男女ごとに4種類から選択が可能。さらに、物語を彩るさまざまなキャラクターにも豪華キャストによるボイスを実装!


キャラクターバリエーションの追加
プレイヤーの外見となるキャラクターバリエーションは各種族、男女ごとに4種ずつ。今回、オリジナル版『FFCC』のキャラクターデザインを担当した板鼻利幸氏の描き下ろしによる、各種族、男女ごと1種類、合計8種の新たなキャラクターバリエーションが追加!

装備アイテムアーティファクトの追加
新たな装備アイテムを生産できるレシピが追加! さらにダンジョンクリア後に選択できる強化アイテムアーティファクト”の種類も新たに追加されている。


主題歌カゼノネ』、『星月夜』&ゲーム内のナレーションを新規収録!
FFCC』で多くの人の記憶に残る、アーティストYaeさんが歌うオープニング曲『カゼノネ』、エンディング曲『星月夜』さらにゲーム内のナレーションを15年ぶりに新録! 透明感あふれる歌声が、いま鮮やかに蘇る。

Yae
故藤本敏夫・歌手加藤登紀子の次女。2001年ポニーキャニオンからデビュー存在感あふれる「声」で、NHKみんなのうたゲームソフトFFCCディズニー映画くまのプーさん」の主題歌を歌唱。
代表曲「名も知らぬ花のように」は、東北大震災応援メッセージCM「ハッピーバースデイ3.11」、TBSテレビ60周年企画ドラマレッドクロス~女たちの赤紙」に起用される。現在は、三児の母となり、家族とともに自然豊かな里山「鴨川自然王国」で、農を取り入れたスローライフを送り、ラジオパーソナリティも務めながら全国でライブ活動を行っている。
Yae オフィシャルサイトhttps://yaenet.com/


新規楽曲の追加
オリジナル版のBGMを作曲した谷岡久美さんの新曲や、原曲のリミックス版も収録! 新たな『FFCC』の楽曲、そして美しく蘇る原曲の両方を楽しめる。

谷岡久美
作・編曲家、ピアニスト。スクウェア・エニックスにて、数々のゲーム音楽制作に携わったのち2010年よりフリーランスとして活動開始。ゲーム音楽のみならず、絵本や知育アプリ、舞台音楽など、多岐にわたる音楽制作に携わっている。
また、近年はピアニストとしての活動にも力を入れ、オリジナルアルバムリリースや多数のアーティストとのライブ活動や楽曲提供、ゲーム音楽ピアノアレンジ、海外での演奏活動など精力的に行っている。


TGS試遊版プレビュー


 TGSにも出展される本編の最初のダンジョンであるリバーベル街道を体験。ダンジョンを進み、魔法の原動力となる魔石が揃ってきたので“合体魔法”を試すことに。ボタン長押しでターゲットリングを重ねるのは従来と変わらないが、ボタンを離すタイミングが時計のようなパイルメーターで視覚的に確認できるようになっている。このゲージは魔法に参加した仲間のうち、2番目以降にボタンを離す人の画面に表示され、時計の針が色のついたエリアに入ったときにボタンを離すと成功。ボタンを放すタイミングは魔法ごとに異なり、うまく上位魔法が放てたときはメンバーとの一体感を感じられた。グラフィックも洗練され、多くの人に触れてほしい!(Text by 本間ウララ)


 ファン待望の『FFCC リマスター』の発表からはや1年。本作の開発を担当しているスクウェア・エニックスの荒木竜馬氏と岩崎英則氏(※崎は旧字)にご登場いただき、リマスター版の特徴や開発秘話などをうかがった。また、インタビューの最後にはキャラクターデザインを担当した板鼻利幸氏への一問一答も掲載しているので、そちらもお見逃しなく。



――まずは、リマスター版の企画がスタートした経緯を教えていただけますか?

荒木社内で過去のIPを活かした作品を立ち上げようという話が出たとき、私から「ぜひ『FFCC』のリマスターを」と、起案しました。

――荒木さんが『FFCC』のリマスターを推した理由は?

荒木FFCC』が好きというのはもちろんあるのですが、『FFCC』発売当時、私は他社のデザイナーで、あるGC用ソフトの背景やムービーを作っていたのです。そのとき、『FFCC』を見て、同じハードなのに、自分の作っている作品より綺麗で感動したんです。その後、技術の高さに憧れて、スクウェア・エニックスに入社しました。

――移籍の動機になるほどだったんですね。

荒木そのあと『ドラゴンクエストX』を担当した際には、『FFCC』を作ったスタッフともいっしょに仕事をしたのですが、その意識の高さはとても勉強になりましたね。ちなみに、リメイクではなくリマスターで起案したのは、リメイクとして作り変えてしまったら、当時からこの作品を愛してくださっている方には響かないと思いましたし、機会がなく『FFCC』に触れてこなかった方もまだたくさんいらっしゃると思うので、リマスターという形で当時のファンの方も、新規の方にも触れてほしかったからです。

――オリジナルスタッフの方からは、リマスターにあたって何か要望はありましたか?

荒木河津(河津秋敏氏。オリジナル版のプロデューサー)からは「当時遊んでいただいたお客さんに向けてしっかり作ってほしい」とリクエストされました。また、当時のディレクターの青木(青木和彦氏)からは「そのまま移植だと、現在では不親切な部分が出てくるだろうから、いまのプレイヤーに向けて調整してほしい」と言われました。

――あまり変えるとオリジナル版のよさが損なわれるかもしれませんし、調整には気を遣ったのでは?

荒木はい。確かに気を遣う部分ですが、サウンドチームの岩崎を始め、オリジナル版のスタッフも何人かはリマスターチームに参加してもらいました。子どものころ『FFCC』を遊んでいたという熱心なスタッフもいて、こちらが細かくオーダーしなくても、予想を上回るものが出てくるんですよ。

――具体的にはどういったところを調整しているんですか?

荒木オープニングからゲームプレイに入る部分の動線をわかりやすくなるようにしています。それと、絵本のような物語をより感じてほしいので、キャラクターに声を入れました。合体魔法の「ファイガ」などのボイスもあるので、オンラインで顔をつき合わせていなくても、オリジナル版同様、仲間といっしょに放ったという感覚が味わえると思います。

――リマスターされて、グラフィックも精細になりましたが、リマスターの作業はスムーズに進んだのでしょうか。

荒木順調だと思います。ゲームプログラムデータもほぼ残っていましたし、グラフィックに関しては、『FFCC リマスター』ではテクスチャーのサイズオリジナル版の倍にしているのですが、最近はAIの技術も進歩していて、まずAIでテクスチャーを一括でサイズアップして、いたらないところを手で直していくので、以前と比べるとそこまでたいへんではなかったです。しかも、オリジナル版は「ドット単位で調整していたのでは?」と思うほど細かく描き込まれていて、ポリゴンモデルについても、とくにイジる必要性がなく。大型モンスターのみ、増やすべきところを増やすといった調整をした程度ですね。

――『FFCC』は根強いファンが多いという印象がありますが、その理由はどこだとお感じになりますか?

荒木王道ファンタジーでありながら温かみのある雰囲気の作品は、当時もそんなに多くはなかったと思います。安心できるファンタジーを求めている方もいらっしゃって、そういう方の心に深く残っているのだろうなと。

岩崎フィールドを歩いているのにすごく牧歌的なんですよね。リコーダーの音がポエ〜と鳴っていたり(笑)ゲーム音楽は状況説明や、感情を煽る役割を求められることが多く、たとえば、バトル曲なら気分を鼓舞する曲が鳴ったりしますが、『FFCC』の音楽は、「この世界のことを語っている」という音楽が多い。そういったところにプレイヤーの皆さんは惹かれてくださっているのかなと。

――Yaeさんが歌うオープニング曲『カゼノネ』とエンディング曲『星月夜』を新録した理由は?

岩崎音楽も好評いただいたゲームでしたので、何か新しいことをやりたいけれど、変えたくないという気持ちもあって。ですので、変わってないけれど新しい試みのひとつとして、主題歌をもう一度、いまのYaeさんに歌っていただくことにしました。

――Yaeさんの収録はいかがでしたか?

岩崎歌声も当時と比べて表現力が増していると感じました。何より、Yaeさんご自身が乗り気で歌ってくださったのがうれしかったですね。この曲を作った谷岡さん(谷岡久美氏。オリジナル版のBGMを作曲)からは、「当時はもう少し長い尺にするつもりが、ゲームオープニングの尺の都合で短くする必要があったので、新録するならフルバージョンも」というお話もありました。そこで当時、歌詞を書いた片岡さん(片岡正博氏。スタジオリール代表)に歌詞も書き足していただきました。

――新録やアレンジも手掛けた人にやってもらう、というのはこだわりですね。

岩崎はい。じつは歌だけではなく伴奏も新録していて、収録の際には当時の演奏家にも集まっていただき、当時と同じ楽器構成で演奏してもらいました。スタジオではオリジナルの音源を鳴らしながら「もうちょっとピッチを高く」と微調整しながら、極限まで原曲に近づけていきました。パッと聴いただけでは「何が変わったの?」と思われるかもしれませんが、聴き比べると新しくなっているのがわかると思います。

――BGMのほうはいかがですか?

岩崎そういえば、そのときの収録で一部のBGMもついでに録ってみたんですよ。こっそりと(笑)

荒木本当に、こっそりでしたよね(笑)

岩崎そのとき収録したBGMを荒木に「ねえねえ、こんなものがあるんだけど」と聴かせてみたところ、「いいね!」と予想以上のリアクションで(笑)

荒木すぐBGMも新録しようと決意しました。

岩崎GC版は内蔵音源だったので、生楽器のフレーズを細かくカットしたものを割り当てて、それをソフトの容量に収まるように工夫し、あたかも生演奏のように鳴らしていたんです。当時、泣く泣く外すことになった楽器やパートは、今回の新録で復活させることができました。リマスターの話がきた当初は、数曲程度でいいから、当時カットしてしまった楽器を復活させ、ちょっぴりアレンジ。そしてサントラおまけトラックとして収録、くらいのつもりで考えていたのですが、けっきょく、「全ステージ分やろう」となりました。オリジナルの曲は当時のまま鳴りますし、追加のダンジョンで、これらの新しいバージョンを聴くことができます。また、ステージによってはあえてガラッとアレンジを変えているものもあります。

荒木谷岡さんの新曲も収録していて、それらも追加されるダンジョンで流れる予定です。

インタビュー完全版は、週刊ファミ通9月26日号(9月12日発売)で!



キャラクターデザインを担当した板鼻利幸氏への一問一答


――原作『FFCC』のキャラクターデザインコンセプト、また、当時こだわった部分を教えてください。

 『FFCC』開発の前はハワイで『FFIX』のデザインに参加していたのですが、日本に帰国後、『サガ』シリーズを作ってきた河津秋敏に誘われ『FFCC』の開発に加わりました。『FFIX』や他の『FF』ナンバリング作品のように明確な主人公がいるタイトルとは違い、マルチプレイの『FF』ということで、特定の主人公は存在せず、瘴気に覆われた世界の村に住む一村人が主人公で、村の青年団といった人々が愛する家族や村人の為に力を合わせて冒険に出るといったテーマキャラクターデザインを依頼されました。
 いままであまり携わったことのないデザインラインでかなり悩みましたが、最終的には個性の強さより、生活感や一般人だけれども生きる強さを感じさせるデザインを心掛けました。村人然としているということで、『FFIX』で大量にデザインした王都に生きる人々やモブキャラ、亜種族のデザイン経験が生きました。

 さらに村々の建物や、旅に使う馬車なども高度な文明が作り上げたモノより、手作り感を大切にしました。

 『FFCC』の世界は瘴気に覆われており、ただ生きていくということ自体難しい環境のなか、人々の想いや生きてきた記憶が世界を読み解くキーになっています。ともすると重く感じてしまうストーリーですので、プレイヤーに手触り良く触ってもらえるゲームとなるようデザインとしてはちょっと頭身が低めでコミカルキャラでその世界を描くことに決めました。



――シングルモードではモーグリと共闘するなど、『FF』作品のなかでもモーグリ密度が高いと思いますが、『FFCC』のモーグリデザインするにあたり、どのようなところを意識されましたか?

 そういえば、『FFCC』にはチョコボは入れないといった決まりがあったのを思い出しました。理由は忘れましたが(笑)
 モーグリですね……。『FFCC』のモーグリは、他タイトルモーグリより真ん丸で、よく「『FFCCオリジナルデザインですか?」と聞かれるのですが、じつは天野喜孝先生が書かれた『FF』の絵の中に描かれていた真ん丸なモーグリモチーフにしています。『FFIX』のキャラクターエーコの絵にも同様なモーグリが描かれています。
 『FFCC』のモーグリクリスタルケージを持ち運ぶ重要な役割があるので、歩くより浮いていたほうがいろいろ都合が良いので、そのままふわふわ飛びやすいデザインに落とし込んでいます。



――『FFCC リマスター』をご覧になった感想は?

 「くっきり綺麗!」というのが最初の印象です(笑)
HD化されたことで、以前はある意味ボケ味も絵作りの味だと思っていた部分もありますが、オリジナル版を遊んだ方からするとシャープさに違和感を覚えるという人もいると思うので、そのあたりはリマスターチームに印象を近づけるよう何度となく相談しました。
 あと、当時使っていたUIのアイコンなどは解像度が足りなくなった部分もあるので、私のアートチームリファイン作業などもしています。その際に顔アイコンなど、オリジナル版でもう少しこう描けばよかったかなと気になっていた絵などもこっそり直したりしています(笑)

――『FFCC リマスター』の新たなキャラクターバリエーションはどのようなコンセプトで作られたのでしょうか。

 去年の東京ゲームショウで『FFCC リマスター』を発表したのですが、その日の閉館した会場ブースでリマスタープロデューサーの荒木と立ち話をしている際に「せっかくリマスターするなら旧作を遊んでくれた方々にもちょっとしたおまけ要素が入れられないだろうか、たとえばキャラクターバリエーションを追加するとか」と提案したところ、荒木が喜んで話に乗ってくれたので、ではさっそくと各種族男女ごとに一体ずつデザインさせて頂きました。オリジナルデザインもあれば、一部、『FFCCシリーズに登場したキャラクターモチーフにしたものなどもあるので楽しみにしてください。



――『FFCC』ではキャラクターデザイン、後のシリーズではアートディレクションや『クリスタルベアラー』ではディレクションも担当されましたが、板鼻さんにとって『FFCC』とはどんな作品ですか?

 『FFCC』開発まで、私は『チョコボの不思議なダンジョン』や『FFIX』のデザイン等をしてきましたが、それまでの経験や、学んできた絵作りを全くのオリジナルの世界観にすべて投入して生み出した作品だったので、ある意味、私の画風のスタートとなった作品だと思っていて思い入れはとても深いです。
 『FFCC』は作品性が強く、個性的なタイトルと言われますが、それはシナリオ担当の片岡正博さんや作曲の谷岡久美さん、UIデザインの渋谷員子さん、その他、各セクションスタッフがいい形で「自分の好き」を投げ込めた作品だったからだと思います。
 その一端でもプレイヤーの方に感じてもらえたら幸いです。

――『FFCC リマスター』を楽しみにしている方にひと言いただけますでしょうか。

 『FFCC』を初めて遊ぶ方は、ゲームを開始してすぐに個性的な『FFCCワールドの4種族に出会えますので、ぜひ自分のお気に入りの種族を見つけて、友だちやオンライン上の誰かと、もしくはお供のモーグリと旅を楽しんでください!
 以前遊んだことがある方は、今回新たなキャラバリエーションも増えていますので、新しいキャラを使うのもよし、以前使っていた思い入れがあるキャラを再び使うのもよし、再びクリスタルをめぐる冒険を楽しんでください!
 道中、重々用心するように、それでは良い旅を!






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CHARACTER DESIGN: Toshiyuki Itahana