2019年11月8日を控えた全世界が注目する小島秀夫監督の新作DEATH STRANDING』。ノーマン・リーダスをはじめとした有名俳優の起用や美麗なプロモーションビデオなど、非常に期待値の高いゲームではありながら、発売が約2ヶ月後に迫ったいまなお、そのゲーム内容の本質的部分に関しては謎のヴェールに包まれていた。

 今回、東京ゲームショウのPlayStationブースでは、約50分にわたり小島監督の解説が加えられた状態で、そのゲームプレイの概要が明らかにされた。

※先日公開された「ブリーフィングムービー」では物語の世界観や目的がぼんやりとではあるが理解できる。

 冒頭シーンでは主人公サムの今回のミッションが、「Q-Pid」というガジェットを使用し「カイラル通信」を復旧させることが大きな目的であることがあらためて説明される。ゲーム中に登場するアメリカ大陸の各エリアは、「カイラル通信」が繋がっている地域とそうでない地域がはっきりと分かれており、通信が通っていない場所ではアイテムを生み出す「カイラルプリンタ」といった機能が使えない。東から西へとこのカイラル通信をつなげていくことがプレイヤーの大きな目標のひとつとなるようだ。

 配送センターから地上へと昇ってきたサムは、配送端末からミッションを受注する。ミッションを受けると数々の荷物をサムに積み込むことになる。この際、ゲーム中に登場するアイテムはすべて省略されずに表現されており、ブーツや梱包されたグレネードなどひとつひとつをどう背中に積むかを考えなければならない。最適な荷物のバランスや積み込み方をすることによって、体力やスタミナの減少度も変わるとのこと。バランスが悪いとまっすぐ歩くことが出来ないので、移動中にLRボタンでバランスを取らなければならない。

(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)

 本作はこの荷物の運搬に加え、”移動”が大きな意味を占めている。目的地までのルートを選択するとマップだけでなくプレイ画面にも表示されるので、そのルートに沿って移動することになる。地形センサーで周辺を調べると、地形の険しさが黄色や赤色によって区分される。黄色は注意、赤だと転倒してしまう。転倒すると持っている荷物が壊れることもあるとのこと。

 また、前回の映像でも明らかにされていたように、旅の同行者である赤ん坊「BB」にも機嫌があり、ときおり様子を見る必要がある。今回のプレイ映像では、サムが川中を進むとBBの機嫌が悪くなる様子が披露された。

(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)

 今回のミッションでは、ルート上にミュージシャンの荷物が落ちており、彼の拠点まで持っていくサイドミッションへと枝分かれしていった。落とし物を届けるミッションを納品すると、道中で荷物が破損していないかといった評価がくだされ、ミッションのスコアが出る。

 このミッションでは荷物を届けた先のミュージシャンがUCAに加入し、カイラル通信が使用できるようになった。さらにお礼に「ハーモニカ」を受け取った。

(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)

 来た道を帰る最中、世界中の別のプレイヤーの足跡や、谷にかけた梯子を見つけることができた。小島監督の説明によれば、間接的に世界中の「サム」(他のプレイヤー)と繋がり、設置されたアイテムなどが共有できるとのこと。

 たとえば、他人が落としてしまった荷物をリペアして使用したり、誰かが作ったガジェットを拾ったりすることができる。誰かが作った雨宿り用の構造物のもとでは、星野源の歌も流れていたりもする。ゲーム中では、こういった誰かの痕跡に「いいね」をつけることができるという。

(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
先ほどのハーモニカを使用するとBBが喜び「いいね」をつけてくれる。さらにハーモニカは吹けば吹くほど上手くなり、コミュニケーションもスムースになるとのこと。
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
サムが休んでる時は身体が自然修復する。休んでいる地点も世界中で確認することができ、人が休んでいる場所で休むと何かが起こるようだ。
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)

 次に黄色い防護服を着た「ミュール」によって世界中の人の荷物が奪われ集められているという集積場に向かい、それを奪い返すことになる。

 装備をアップグレードしていくのがゲーム進行に重要な要素のようだ。敵をステルス攻撃で仕留めたり、運転する敵を振り下ろして乗り物を奪ったり、さらに逃げる際には「スピードスケルトン」という外骨格装備で素早く移動し大ジャンプするという様子が披露された。

(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)

 しばらく移動していると天気が変わっていき、雨が強くなっていく。敵の出現が確定的になり、BBを使って索敵をすることになった。過去とつながりのある敵である「BT」はこちらの姿を見ることができないが、こちらも動いているときは見ることができない。動画ではハンターという敵に襲われ、先のエリアにいる巨大な敵と対峙することになった。

 主人公は「サムの血液入りのグレネード」で対抗。小島監督いわくこれは「雑魚」だという。所有武器がなくなると、オンラインで繋がっている誰かに助けを求め、そのプレイヤーから貰った武器で継戦する様子が紹介された。その助けを得て敵を倒したことによって、報酬のカイラル結晶を得ることができた。

(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)

 山岳地帯にある温泉に入ることもでき、そこでコミュニケーションボタンを押すとノーマンリーダスが歌う「いい湯だな」を聞くことができるという遊び心もある。広大なエリア内では、看板を立てるとことも可能で、世界中のサムに特定の場所を示すことができる。たとえば「バイクで進むことができない」という意味を示す看板もあり、プレイヤー間で情報を共有していくことが重要になりそうだ。なお、この看板にも互いに「いいね」をすることができるという。

 ついに目的地に荷物を納品し、最終的にスコアを獲得することになる。その都市とのカイラル通信を接続し、都市と都市がそこで「繋がる」ことになる。配送後は配送センターに戻り、プライベートルームがあり、そこで休むことができる。たったひとりで旅しているようで常に間接的に誰かと「繋がって」いる感覚。それが本作品の基幹デザインである「ソーシャル・ストランド・システム」の一端と言って良さそうだ。

(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)
巨大な橋。これもプレイヤーが設置することができるが、作るまでにはかなり大変なようだ。
(画像はYouTube 「PlayStation® presents LIVE SHOW “TGS2019”」より)

 今回、東京ゲームショウのPlayStationブースにおいてDEATH STRANDINGのステージイベントは一般公開日にあと2回予定されている。今回のプライベートルームで行われる移行のギミックは14日の実機プレイで説明が行われるとのこと。興味がある人はぜひチェックして欲しい。

ライター/Nobuhiko Nakanishi

ライター
大学時代4年間で累計ゲーセン滞在時間がトリプルスコア程度学校滞在時間を上回っていた重度のゲーセンゲーマーでした。 喜ばしいことに今はCS中心にほぼどんなゲームでも美味しく味わえる大人に成長、特にプレイヤーの資質を試すような難易度の高いゲームが好物です。