職場においては、業務を円滑に進めるために、管理職には一定の権限が与えられています。

しかし、その優位な立場を利用して、部下や同僚に嫌がらせ行為『パワーハラスメント(通称・パワハラ)』をするケースもあり、近年大きな社会問題となっています。

求人広告を出す会社で、営業として働いていたえりた(erita_enikki)さんは、転職先で受けたパワハラの実体験を漫画化。反響を呼んでいます。

『ブロック・ブラック・ブレイク』

営業としてのスキルアップを目指し、同業他社に転職をすることにしたえりたさん。

面接の際、後の直属の上司となる『ブロック長』は、えりたさんにある条件を出してきました。

面接時のことをきっかけに、えりたさんはブロック長との関係が悪くなってしまいました。

そのせいか、営業所の責任者を任されても「備品申請がなかなか通らない」「人員を増やしてもらえない」など、業務上必要な要望も通らないことが多々あったそうです。

さらに、単身赴任にかかる費用も負担するはめになったえりたさんでしたが、この後とんでもない事実を知ることになります…。

一方、ほかの営業所では…


当時、えりたさんは営業所の責任者であるにも関わらず、手当はわずかな金額しかなかったといいます。

しかし、別の営業所の責任者に聞いてみると、『単身赴任手当』や『住宅手当』がちゃんと支給されていることが分かりました!

同じ仕事をしているのに差を付けられていると知り、ショックを受けたえりたさん。「これってパワハラなのでは…」と疑問を抱かざるを得ませんでした。

パワハラといえば「理不尽に怒鳴られる」「威圧的な態度をされる」といったイメージを持っていたえりたさん。

しかし、このブロック長のように、自身の立場を利用して従業員の職場環境を悪化させようとする行為も、立派なパワハラだと気付きました。

ブロック・ブラック・ブレイク(妨害する・ブラックな奴は・断ち切る)』と心に誓ったえりたさんは、退職することで現状を打破し、自分の人生を守りました。

作品を読んだ読者からは「逃げじゃない。自分に合う最適な環境に身を置き換えただけ」「ほかの人が後ろ指を指す権利はない」といった共感の声が寄せられています。

悲しいことに、パワハラで苦しんでいる人たちは少なくありません。被害にあった人たちの中には、同じ職場で頑張り続けた結果、心身ともに疲弊して命を落としてしまった人もいます。

自分を幸せにできるのは、自分だけです。理不尽な状況に追い詰められた時、「迷わず逃げる」という選択肢もあることを忘れずにいたいですね。


[文・構成/grape編集部]

出典
erita_enikki