高齢者に多い病気だけど、その予防は今から

脳に障害が起き、記憶や判断などの認知機能がうまく作動しなくなった状態をいう「認知症」。2025年には65歳以上の5人にひとりがなると言われるこの病気の原因や対策について、医学博士で小説家やテレビ・ラジオの監修者としても広く活躍されている米山公啓さんに教えていただきました。

まずは認知症について知ること、そしてその予防を心掛けることで、いつまでもアクティブに自分らしく暮らすことができます。

糖尿病になるとリスクが2倍!?

認知症にはいくつか種類があり、日本では患者の約6割をアルツハイマー型認知症、約2割をレビー小体型認知症が占めていて、どちらも脳細胞が死滅することをきっかけに症状が現れます。アルツハイマー型認知症は脳細胞が死滅し脳が委縮することで物忘れが増え、やがて記憶障がいが起こり、そして身の回りの生活も不自由になってしまうことが特徴です。

このアルツハイマー型認知症の原因とされることのひとつに「生活習慣病」があります。これには糖尿病や肥満、脂質異常症、脳卒中などがありますが、なかでも糖尿病になるとアルツハイマー型認知症のリスクが約2倍になると言われています。なぜなら糖尿病によって減少するインスリン分解酵素には、脳の神経細胞を壊すアミロイドβを分解する力があり、糖尿病によって神経細胞を守れなくなってしまうためです。

大切なのは食事の改善と適度な運動や睡眠

もちろん糖尿病だけでなく、高血圧やコレステロール値の高さもアルツハイマー型認知症の原因になるほか、脳卒中は脳血管性認知症の原因になります。つまり、生活習慣の改善が認知症予防に最善といえるでしょう。

そのために私たちができることは、食事の改善やストレスの緩和、適度な運動や睡眠があります。毎日だらだらと運動もせず、寝転がってばかりいると、生活習慣病のリスクが高まり、その結果、認知症になる可能性も高まってしまいます。そこで、ライフスタイルの中に意識的に運動を取り入れていきましょう。

出典:『老けない脳と体をつくるスクワット

監修:西川佳克
ライター:YOLO編集部

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