年々増加する訪日外国人観光客だが、日本政府観光協会(JNTO)によると、2018年の訪日客はおよそ3119万人に達し、過去最多となった。訪日客を国籍別に見ると中国人の占める割合が最も多く、日本のインバウンド市場において中国人は大事なお得意様でもあるが、中国メディアの今日頭条はこのほど、前年を上回る勢いをみせた19年上半期の訪日中国人観光客の動向を分析しつつ、「その消費傾向が大きな変化を見せている」と指摘する記事を掲載した。

 かつては「爆買い」と表現されたほど、中国人の消費意欲は旺盛だった。しかし、近年は「モノ消費」から「コト消費」へと大きく移り変わっていると言われている。

 記事は、過去に中国人に人気のあった団体ツアーのコースと言えば「東京、名古屋、大阪」を巡る「ゴールデンルート」と呼ばれるコースで、その日程は1日の半分をバスの車内で過ごすというハードなものであったと紹介。それゆえ、1つの場所で魅力をじっくりと味わう余裕もなく、ほとんどは買い物に重点が置かれていたと振り返った。

 しかし、現在は、「ツアー旅行であっても自由時間が多く取られた内容のツアーが人気を集めている」と紹介したほか、個人旅行で日本を訪れる中国人も増えていると紹介。ビザ取得が容易になり、中国のネット上にも日本の情報が溢れるようになったことで、他の人たちの様々な旅行内容を参考にできるようになったため、「自分の好みや関心にあった日本の過ごし方という選択肢が増えてきた」と主張した。

 それゆえ、中国人観光客の多くは以前ほど東京や大阪といった大都市にこだわらなくなり、「文化の体験を求めて地方の都市に出向き、日本人も知らないような穴場でも中国人の姿を見かけるようになり、買い物ばかりが詰め込まれたツアー旅行の人気が落ちたことで、中国人客の消費が減っている」ことを伝えた。

 記事は日本での「コト消費」として新たに人気を集めている分野は「美容室」、「人間ドックやがん検診」、そして、「美容整形」であると紹介し、「日本のサービス業界は中国人の方向転換に不意を突かれ、対応に追われているようだ」と伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国人が日本でしたいこと、それは「がん検診」「美容整形」「美容室」=中国