ハラスメント」とは、いじめや嫌がらせのことであり、とくに近年は社会的に問題視されています。学校や職場など、被害者はさまざまな場所にいますが、時として、何でもかんでもハラスメント認定されて萎縮してしまうことも――。

ビジネス 不満
※画像はイメージです(以下同じ)
 若者からの「それ、パワハラですよ」という一言に、社会や企業が敏感になっているからこそ、起こってしまうこの問題。そんな実例を取材しました。

口達者なインターンにタジタジな上司…

 佐藤光さん(仮名・27歳)はIT企業で働く、ビジネスマン。佐藤さんの女性上司と、インターン学生の間でトラブルが発生したといいます。

「うちの会社では長期インターンを募集するので、大学生インターンとも1年近い時間を一緒に過ごすことになります。私のもとにも大学生インターンがいて、若いのに視野が広くて優秀なのですが、ちょっとクセが強くて……」

 そのインターン生は、はっきりとした考え方を持つ有名私大生。教えられたことや仕事の内容について、少しでも違和感を覚えたら反論してくるそうです。

「逆に私の上司は、あまりはっきりと人に意見を言えない、控えめな女性なので、『ちゃんと説明してもらわないとわからないですよ』などと、インターン学生に言い返されていることも多いんです」(佐藤さん、以下同)

 まっとうな反論ならむしろ見所のある学生ですが、どうもカラんでいるようなフシがあるようで…。

インターン学生に激詰めされる女性上司

疑う ビジネス

 佐藤さんは「上司が間違ったことを言っているとは思わないので、最近ちょっと心配なんです」と語ります。

「例えば就業規則として、インターン生はフレックス制度を使えないのですが、インターン生の彼は、それに納得が行かないらしく『インターンにもフレックス制度を使わせてほしい』と、ずっと主張していました。上司は『インターンマネジメントを社員がしっかり行うためだ』と説明。すると、彼は『たかがフレックスになっただけで、マネジメントができなくなるなんて、それは社員の職務怠慢だ』と言うのです」

 いくら上司が、毎日同じ時間に出社することの重要性を説いても、そのインターン生は「それ、ロジハラじゃないんですか」と言い返してくるそう。ロジハラとはロジックハラスメントの略で、正論を突きつけて相手を責めることを、こう呼ぶ場合があるのです。

エモハラ・エアハラ…あらゆる行為を指摘

 その後も上司が言い方に悩み、悲しそうに口をつぐむようにうつむいたりすると、「それはエモハラだ」とか言ったり、話をそらそうとすると、「エアハラだ」と、ハラスメントの名前を連ねてくるそうです。

「……逆に、よくそんなに知ってるなってくらいですよ(笑)。エモハラは、ロジハラの逆で、感情的な側面を強く出して相手を丸め込もうとすること。エアハラは空気を読まない発言で、相手の気分を害するというハラスメントです。

 ここまで何でもハラスメントとして成立してしまうと、話の正誤に関わらず、不快に思ったらハラスメントとして糾弾できてしまいますよ」

 そして佐藤さんはこのインターン生の話しぶりこそ、「逆ハラスメントではないか」と主張します。
 もっとも、学生に言われっぱなしの上司も情けない感じがしますが…。
 

「ハラスメント増え過ぎ?」の風潮も

パワハラ

 最近はコミュニケーションを強要することを「コミュハラ」と呼んだり、カラオケで歌いたくない人に歌うことを強要すると「カラハラ」になったりと、とにかくなんでもかんでも、相手を不快にさせる行為はハラスメントと呼ばれてしまいます。強要はよろしくないですが、それも程度問題ではあります。

ハラスメント対策をすることは大事です。でも、みんなハラスメントに過敏になりすぎではないかと最近思うんです。相手が不快に感じないように気を使ってコミュニケーションするのは当たり前ですが、なんでもハラスメントを盾にされてしまうと、何もできないですよ」

 お互いが気持ちよくコミュニケーションできることは大事ですが、嫌なことを率直に言い合える関係も、一方で必要でしょう。何がハラスメントで、何がまっとうな指揮命令なのか、社会人ならちゃんと整理しておきたいものです。

― 特集・職場のモンスター大学生

<取材・文/ミクニシオリ イラストパウロタスク(@paultaskart)>

【ミクニシオリ】

ゲスライターミクニシオリ。略してゲスミです。ワンポイントモテテクと出会いの場についてすごく詳しいフリーライター広告代理店から都落ちしたサブカルクソ女です。勇気のある人はTwitterのDMにご連絡を、スパム出会い厨も返信率100%です☆ Twitter:@oohrin