中井貴一

12日に放送された『直撃!シンソウ坂上』(フジテレビ系)では、俳優の中井貴一を特集。二世俳優としての苦労や、恩人である高倉健との想い出を振り返った。

■厳しい母親に「褒めてほしかった」

昭和の名優・佐田啓二を父を持つ中井。しかし、その父は中井が2歳の時に交通事故で他界してしまい、母・益子さんは貴恵と貴一の姉弟を女手ひとつで育てていくことになる。

子どもたちに強く生きてほしい一心で、躾にはことさら厳しかったという益子さん。「とにかく手が早い人で、殴られた記憶しかない」と語るほどで、中井が俳優になってからも「俳優としてはまだまだ」「親父の足元にも及ばない」と一切褒めてくれなかったそうだ。

そんな、厳しいながらも時には優しく二人を育て上げた益子さんは3年前に他界。「ずっと母親に褒めてほしかった」という中井は、亡くなる直前の母と二人きりの時、「一回でいいから頭を撫でてくれ」と頼み、泣き崩れてしまったという。

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■二世俳優としての苦悩

俳優になるつもりは全く無かったという中井は、映画『連合艦隊』で松林宗恵にスカウトされ、その道を歩むことを決意。

しかし、収録の現場では「佐田啓二の息子なのに」「佐田啓二ならできていた」「二世俳優はいいよな」などとスタッフや共演者から辛く当たられることも多かったそうで、「全く記憶にない父親のことを言われる」と、若い頃は二世俳優としての苦悩があったことを告白した。

■高倉健から激励の電話

さらに中井は、2004年に中国映画『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』に出演した時のエピソードを紹介。

過酷なスケジュールや劣悪な環境にうんざりし、一度は撮影途中に帰国を決断したが、そこへかかってきたという高倉健からの激励の電話で、残って撮影を続けることを選んだという。

さらに高倉は、中井が映画賞を受賞した際にお祝いとして、自分が使っていたブレゲの時計をプレゼントする。

今では貴重な遺品となったその時計に中井は「これは高倉さんから預かってるだけだと思ってる。死ぬ前に『この人だ』と思う後輩に譲ってから死のうと思ってる」、と込めた想いを語った。

■視聴者の反応は…

中井貴一さん、苦労してたんだね」

中井貴一が2世俳優だったの今知った」

中井貴一さんのお母様のお話…。私たち世代にはしみる…」

「色々思うところがあり過ぎて泣けてきちゃった。」

「京橋のフィルムセンターで佐田啓二の映画を見るために列に並んでいる母と息子の姿を想像するのは辛かった」

じつは結構な苦労人である中井。番組を見たネットユーザーからは「見る目が変わった」「若い時こんなに苦労してたのか」と驚きの声が数多く寄せられていた。

また、中井が佐田啓二の息子で二世俳優であることを知らないファンも一定数いたようだ。

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(文/しらべぇ編集部・びやじま 3)

中井貴一が恩人・高倉健の想い出語る 「この時計は預かってるだけ」