2019年9月8日の夜から9日の朝にかけて関東を通過し、停電や断水などの被害を残していった台風15号『ファクサイ』。

被害は広範囲にわたり、当初の見込みより復旧作業は難航しています。

助けを求める人々のために自衛隊だけでなく、民間企業も立ち上がる中、日本航空(以下、JAL)の支援が注目を集めています。

社員の提案で除雪作業車を有効活用

同月13日、JALは停電と断水が続く千葉県多古町の老人福祉施設2か所に向けて、成田空港から除雪作業車を派遣しました。

この除雪作業車は、普段は空港で航空機のつばさなどに付着した氷や霜を、水や薬剤を噴射して溶かしている特殊車両。積載したボイラーとタンクで、一度に4千ℓの水を沸かすことができます。

そのため、JALは除雪作業車で温めたお湯を浴槽などに給湯し、入所者が入浴できる環境を整えました。

産経新聞によれば、今回派遣された除雪作業車は、まだ薬剤を使っていない新車だったとのことです。

「除雪作業車を入浴用のお湯に使えないか」という社員の提案を採用したJALは、被災地まで公道を走れるよう除雪作業車の仮ナンバーを取得。JALが空港外で除雪作業車を活躍させる、初の試みとなりました。

施設長や入所者は、次のように語っています。

特養の藤崎敏宏施設長(59)は「停電後は蒸し暑い日も多く、べたべたになった体を水で拭くことしかできなかった。このままだと尿路感染症などの心配も出てくる。温かいお湯を使って体をきれいにできるのは、とてもありがたい」と話した。入所する菅谷梅子さん(94)は「本当にうれしいよね」と喜んでいた。

産経ニュース ーより引用

JALの支援はSNS上でも話題になり、称賛の声が多数寄せられています。

・普段の用途外のことを、よく思い付いたな。

・これはお見事!提案した社員さんをいっぱい褒めてあげたい!

・社員の声を採用したJALさんもすごい!

・柔軟な企業体質に感銘を受けた。

・わざわざ仮ナンバーを取って、被災地まで除雪作業車を走らせたんだものなあ。これぞ神対応

さまざまな災害に見舞われる日本。いざという時に、官民の垣根を越えて人々を助ける精神が根付いていることを実感させられますね。

1日も早く千葉県が復興できるよう、多くの人が尽力しています。


[文・構成/grape編集部]

出典
産経ニュース