中国企業が過去に日本企業から家電事業を次々に買収した時期があった。中国のネット上では、この現象は中国企業の勃興と日本企業の没落を象徴しているという声が溢れたものだが、中国メディアの今日頭条は10日付で、中国企業が日本企業から家電事業を買収した事例について、「日本企業に先見の明があった」と称賛する記事を掲載した。

 記事は、際立った先見の明を持つ日本企業の一例としてNECを紹介。NECは「日本コンピューターの始祖」でありながら、まだ多くのユーザーがコンピューターを購入していた2011年当時に「コンピューター事業を放棄することを突然決定」し、日本社会を非常に驚かせたと説明した。

 NECのコンピューター事業を買い取ったのは中国企業のレノボだったが、しかし8年が経過した現在、コンピューター産業はすでに「斜陽産業」になっていると指摘。コンピューター事業を買い取った後のレノボの業績は下降の一途を辿っているとしたが、逆に、NECは伝統的なコンピューターが淘汰されることを「とっくに認識していた」と称賛した。

 また、こうした先見の明は日本のテレビ製造事業においても発揮されたことを紹介、数年前の中国メディアは「中国は日本の最も大きな事業を買い取った」、「日本製造業は終わった」という論調にあふれていたとしたが、現在は家でテレビを見る人は減っていると説明し、日本人はこれを予期していたがゆえにテレビ事業を捨てたのだと論じた。

 さらに、日本企業の先見の明は各企業が現在行っている先進的な事業においても発揮されているとしそのいくつかを紹介したが、結論の部分で中国企業は日本企業のこのような「どっしりとした恒久的な発展方式」を見倣うべきだと提言した。

 この記事に対して、多くの中国ネットユーザーは分析の明晰さに同意するコメントを多く寄せており、「読み終わった後に沈黙してしまった」、「日中の科学技術レベルの差の大きさを真実に反映している」など日本企業の先見の明に唸るコメントが見受けられた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本企業に先見の明があった・・・だから事業を中国企業に売却した=中国メディア