2018年から不調が続く中国の自動車市場。8月の新車販売台数は前年同期比6.9%減の195万8000台にとどまった。プラス成長となったのは日系メーカーのみだったが、特に「レクサス」は中国人に大人気だという。中国メディアの今日頭条は13日、「市場の流れに逆行してレクサスが値上げしたのは妥当なのか」と疑問を投げかけ、分析する記事を掲載した。

 記事によるとレクサスは、今月から主力のESとNX、UXの3モデルを6000元ー1万5000元(約9万円―23万円)値上げするという。この時期の値上げは「中国の自動車市場の流れには逆行している」と言えるだろう。冷え切った中国市場では、販売台数を伸ばすために値下げするとしてもその逆はあり得ないからだ。しかし記事は、安全システムやマルチメディアシステムの改良のための値上げであり、値上げは妥当であると指摘した。

 だが記事によると、中国のネットユーザーからは「調子に乗っている」との見方が出ているという。そう思われるのは主に、値上げというより「追加料金を徴収して早めに納車させる」中国の悪しき習慣によると分析している。これは、人気車種は購入から納車までに時間がかかることが多いため、「追加料金」を支払い早く納車してもらうシステムのことだ。これは中国のディーラーでは良く行われている方法である。

 記事は、供給不足とメンツを愛する傾向ゆえに多くの消費者が追加料金を払ってでもすぐに手に入れたがると指摘。この「追加料金」に加えた今回の値上げに、一部のネットユーザーからは怒りの声が出ており、高級車とはいえ「もう少し謙そんすべき」との意見もあると記事は伝えた。

 しかし、レクサスを購入する層の中国人からは特に不満はないようだ。これは中国市場特有の傾向かもしれない。記事に対して寄せられたコメントを見ても、「質は上がらないのに値上げする中国の不動産と違ってレベルアップしているのだからレクサスが値上げするのは当然」という人や、「メンツを考えればレクサスは80万元(1200万円)したほうがいい、40万元(600万円)では高級車と言えない」と賛成する人も多かった。レクサスの値上げは想像以上に中国人に支持されているようであり、レクサス人気はまだまだ続きそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国で人気を集めるレクサス、値上げをめぐって中国人の声は・・・=中国メディア