ベスト4を目指す戦いに向け、大槻監督は「チャレンジ」という言葉を繰り返す

 浦和レッズの大槻毅監督は、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝第2戦、上海上港(中国)とのホームゲームを翌日に控えた記者会見に出席し、「挑戦」「チャレンジ」というキーワードを強調した。

 浦和はアウェーの初戦を2-2で引き分けてこのホームゲームに臨む。単純に勝利したチームがベスト4への切符を得るが、アウェーゴールを2点奪っていることから、0-0や1-1の引き分けなら浦和が突破できる条件になった。

 一般的にはやや優位と見られる状況で迎えるが、大槻監督は「第1戦の結果は当然あるし、レギュレーション上の条件はある。ただ、それはあるにしても明日の試合という勝負に集中することが重要。強い上海に挑戦していく、自分たちのやってきたことに挑戦していくという姿勢を出して、アグレッシブにゲームを進めることが重要だと考えている」と、受けて立つような試合をしないことを強調した。

 対戦相手の上海上港は、エースの元ブラジル代表FWフッキが累積警告により出場停止になる。一方の浦和もDFマウリシオが同様に出場停止。指揮官はそれを「最初の試合が終わった時点で決まっていたことで、それに対する準備もしてきたつもり」と話す。そして、敵地で2点を先行しながらも追いつかれた相手をこう分析した。

「強力な外国籍選手の存在が間違いなくあり、その周辺をサポートしてハードワークする中国人選手たちのプレー、まとまりのある力を感じる。相手のところも合わせて、噛み合わせやマッチアップの部分は出てくる。それも含め想定内にして戦っていきたい」

 現在、浦和はリーグで15位とJ1残留争いの渦中にある。一方で、ACLでは2年ぶり3回目のアジア制覇を目指し、戦っている。そのギャップに対して大槻監督は「大会が異なり、タイトルに挑戦できる大きな機会がある。そこにチャレンジしましょうと。決まった日数のなかで回復してコンディション調整にもチャレンジする。今やれることにチャレンジすることを選手と共有してきた。明日のゲームにもチャレンジしたい」と語った。

 浦和は前述のとおり2回のアジア制覇を経験している。上海上港はまだそのタイトルに手が届いたことはなく、浦和が前回優勝を果たした2017年には準優勝で撃破した相手でもある。それでも、今の浦和に必要なのはチャレンジ精神なのだろう。冷静さの中に情熱を持ちながら突破に挑戦する浦和は、ACLでの勝負強さを見せつけられるだろうか。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

浦和レッズの大槻毅監督【写真: 轡田哲朗】