直木賞本屋大賞をW受賞した恩田陸の同名小説を映画化した『蜜蜂と遠雷』(10月4日公開)の完成披露試写会が、9月16日にイイノホールで開催。オーケストラによる生演奏と共に、松岡茉優松坂桃李森崎ウィン、鈴鹿央士、石川慶監督が舞台挨拶に登壇した。コンサートで演奏のバトルを繰り広げる本作にちなみ「いま、闘っていること」について問われると、松岡は「期間限定で始めたインスタグラムで闘っております」と訴えた。

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松岡は「フォロワー数が思わしくない。現在フォローしていただいてる7万人の方々、本当にありがとうございました!でも、私は若手女優群雄割拠のいい世代なんです。ちょっと足りないかな。二桁いきたいです。よろしくお願いします」とおちゃめに嘆願した。

続く松坂は「事務所との闘いが終わりました」と問題発言をすると、松岡から「大丈夫ですか?」と心配される。松坂は「ありがたいことにこの仕事を始めて10年が経ち、アウトプットすることの連続で、ひと息つく間がなかったので、事務所と再度お話しました」と言うと、森崎も「赤裸々すぎる」と驚く。

松岡から「休みが欲しいと?」と聞かれると松坂は「インプットの時間がほしいと話をしたら、ようやくお許しが出ました」とうれしそうにコメント。松岡が「私のフォロワー数の話がぶっ飛んだ。もうアフリカでもブラジルでも行ってらっしゃい」と言って笑いをとった。

森崎は「インフィニットフライトというアプリをやっていて」と、飛行機を操るゲームに夢中だと説明し「僕はパイロットで、ミャンマーまで7時間くらいかかるんですが、これが終わって、家へ帰ったら墜落してる可能性がある」と言うと、松岡から「つまり早く帰りたいってことかな」とツッコまれ、笑いを誘った。

また、オーディションで選ばれた新人、鈴鹿は「食費」とシンプルに答えると、松岡から「高いもんね。岡山から出て来たんだっけ?」とうなずかれ、森崎からは「ミャンマーが一番安いと思う」と言われる。今回、舞台挨拶が始めてだったという鈴鹿の初々しさに、会場はほっこりムードに包まれた。

蜜蜂と遠雷』は、松岡茉優たちが、国際ピアノコンクールに集う若き天才たちを演じる音楽映画。『愚行録』(17)の石川慶が脚本、監督、編集を手掛け、楽曲の演奏シーンでは、河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央という世界で活躍する日本最高峰のピアニストたちも参加した。

松岡は原作について「本が好きな方が読んでも、本を読んだというより、読書体験に近い作品で、音が頭に鳴り響くようなすばらしい本」として、実写化については「我々にとっては挑戦というよりも闘いのような映画でした」と語ったが、舞台挨拶では、原作者の恩田陸からの激賞コメントが代読され、松岡たちは安堵の表情を見せた。(Movie Walker・取材・文/山崎 伸子)

『蜜蜂と遠雷』の完成披露試写会に登壇した松岡茉優と松坂桃李