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Image by jk78/iStock

 ドイツ北部、バルト海の沖合に設置されていた、重要な科学データを集める大型の水中観測ステーションが忽然と消えてしまうという怪事件が発生したそうだ。

 この水中観測ステーション2016年に設置されたものだが、8月21日午後8時15分(現地時間)に突然通信が途絶えた。

 原因を特定するためにダイバーが現場に潜ってみると、ちぎれた通信ケーブルが海底に横たわるのみで、ステーション本体は跡形もなく消え去っていることが判明したという。

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突如通信が途絶えた水中観測ステーション

 この水中観測ステーションは、GEOMARキール・ヘルムホルツ海洋研究センターGEOMAR Helmholtz Center for Ocean Research Kiel)とゲーストハッハト・ヘルムホルツセンター(Helmholtz Center Geesthacht/HZG)が2016年に設置したもので、その設備費用は約3600万円もする。

 8月21日午後8時15分(現地時間)ステーションからの通信が突然途絶えた。

「当初は通信エラーかと思いました」とボクニス・エック観測ステーションプロジェクト・コーディネーター、ヘルマン・バンゲ氏はGEOMARの声明で述べている。

 原因を特定するためにダイバーが現場に潜ったところ、無残に引きちぎられた通信ケーブルのみを残し、ステーション本体は跡形もなく消え去っていたという。

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Image by Research Dive Center of the CAU

重量350キロを超える巨大機器をどうやって?


 ボクニス・エック観測ステーションは、ドイツキールの海岸から北へ11キロ先、バルト海エッカーンフェルデ湾湾口部の水深22メートルの海底に設置されていた。

 その目的は、バルト海南西部の生態系の健全さを評価するために、水温、栄養、塩濃度、海流、クロロフィルおよびメタン濃度を測定することだ。

 重さ250キロと100キロのふたつのフレームで構成された巨大な設備で、それぞれに岸まで伸びる重たい電力ケーブルセンサー類が取り付けられている。

 それらを動かすには相当な力が必要なはずなのだが、どちらも失くなっていたとのこと。

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Image by Research Dive Center of the CAU

いったい誰が?何のために?


 その重さを考えると、台風や海流、あるいは海洋生物によって運び去られたという線はかなり低そうだ。

 観測ステーションがあったのはドイツ北海岸の立ち入り禁止地区で、船舶は許可なく航海することができないところだという。

 今回の事件は、沈没した船が海底から消えてしまう現象を連想させる。

 観測ステーションが集めるデータは、バンゲ氏によれば、値段がつけられないほど貴重なものであるらしい。

 沈没船のケースで犯人と疑われているのは、船体のスクラップ目当ての解体屋だ。ならば今回も同じように観測ステーションを解体して運び去った者たちがいたのかもしれない。だが、今のところ証拠がないのであくまでも憶測にすぎない。

 現在、警察の捜査と並行して、研究所も独自に観測ステーションの行方を追っており、目撃者に情報の提供を呼びかけているとのことだ。

References:iflscience / geomar/ written by hiroching / edited by parumo

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http://karapaia.com/archives/52282515.html
 

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