圧力鍋は煮込み料理の調理時間を大幅に短縮できることなどから重宝されているが、使い方をひとつ間違えると大変な事故を招くこともあるようだ。加熱した圧力鍋から飛んできた金属部品により、片目を失明してしまった女性の一報がインドより届いた。『The Sun』『Fox News』などが伝えている。

今月4日、印ジャールカンド州クンティ地区に住むムンダ・バーシーさん(Munda Birsi、57)が調理中の圧力鍋によって大けがをした。

当時ムンダさんは、圧力鍋を使って豆料理を作っていた。彼女は圧力鍋をガスコンロにかけたままそのことを忘れ、裏庭に出て機械を使って干し草を切り続けていた。

そして1時間ほど経ってからムンダさんが圧力鍋のことを思い出し慌てて台所に戻ると、沸騰し続けた圧力鍋は圧力調整装置から蒸気を噴出し、けたたましい音を上げていた。

ムンダさんはコンロから圧力鍋を降ろしたのだが、その瞬間に圧力調整装置の部分が弾丸のように勢いよく飛び出し、ムンダさんの顔に突き刺さってしまったのだ。ムンダさんはすぐにバグワン・マハバー・メディカ・スーパースペシャルティ病院(Bhagwan Mahavir Medica Super Speciality Hospital)に搬送され、CTスキャンで検査を受けることとなった。

その結果、長さ7センチ、直径2センチほどの圧力調整装置の金属部品が、ムンダさんの左目頭の脇に頭蓋骨を突き破って奥深くめり込んでいることが分かった。すぐに手術が行われ、無事金属部品を取り除くことができたものの、ムンダさんの左目は失明してしまった。

執刀したアシシュ・ジョイ・ソーレン医師(Dr. Ashish Joy Soren)は手術の際、金属部品を引き抜くことで大量に出血するのではないかと懸念していた。そのため少しだけ金属部品を引き抜き、危険な出血の恐れがないことを確認したうえで取り除いたとのことだ。ソーレン医師は次のように語っている。

「金属部品を取り除く際、周囲の組織に損傷を与えないように処置を施すことは容易ではありませんでした。ゆっくりと金属部品を引き抜いて、患部をガーゼで覆いました。」

「手術は成功し彼女の命を救うことはできましたが、左目の視力を取り戻すことは不可能でした。」

手術を終えたムンダさんは、当時を振り返り「干し草を切る機械の音で圧力鍋が沸騰した時の音が聞こえなかった」と話している。ムンダさんは今月7日に病院を退院して自宅に戻っているという。

画像は『The Sun 2019年9月9日付「BOILING POINT Woman blinded in one eye as exploding pressure cooker whistle shoots into her SKULL」(Credit: SWNS:SOUTH WEST NEWS SERVICE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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