リンゴ・スターポール・マッカートニーが、ジョン・レノンの曲をカバーしたようだ。リンゴが自身20枚目となるスタジオアルバム「ホワッツ・マイ・ネーム」の詳細を明かした際、ジョンの「グロウ・オールド・ウィズ・ミー」をポールとレコーディングしたことを発表した。

リンゴはその経緯について、次のように明かしている。

「(プロデューサーの)ジャックダグラス)に訊ねられたんだよ。ジョンのデモを纏めた『ザ・バミューダ・テープス』を聴いたことがあるかってね」
「僕は、それをほとんど聴いたことがなかった。ジョンは、生前、僕のことを感情に流されやすいタイプだと言っていた。この曲を取り上げたのは、とにかく好きだったからだ。僕はベストを尽くして歌った。ジョンを思いながら、自分の最高の歌唱を披露したと思っている。僕はポールに是非この曲で演奏してもらいたいと思った」
「で、彼は参加を快諾してくれた。僕のスタジオに来て、ベースを弾いて、僕と一緒にちょっと歌ってもくれた。この曲にはジョンも関わっているわけだし、僕も、ポールも参加しているってことだ。今回のアルバムを宣伝したくて話題作りのためにやったわけじゃない。ただこの曲をポールと一緒にレコーディングしたかったんだ」
ジャックがこのトラックに提供してくれたストリング・アレンジをよく聴いてもらえれば、(ジョージ・ハリスン作曲の)「ヒア・カムズ・ザ・サン」のフレーズが引用されていることに気付くはずだ。つまりこのトラックには僕たち“4人”全員が関わっているんだよ」

そして80歳を前にして未だに音楽を楽しんでいるとして、「僕がティーンエイジャーだったころ、母親にいつもこう言われたよ。『あなたはそうやって演奏しているときが一番幸せなのね』ってね。それは今でも同じだ。僕はまったく幸せだと思うよ。13歳のころ夢見ていたことが現実になっているんだから。ゆうべもグリーク・シアターで仲間たちと演奏してきたばかりだし、オール・スター・バンドの活動はもう30年も続いている。今もみんなと演奏するのが楽しくて仕方ないんだ」と続けていた。

また、ニューアルバム「ホワッツ・マイ・ネーム」はリンゴの自宅で収録されたそうで、「僕はもう旧態依然としたレコーディング・スタジオに戻りたくないね」「あの巨大なガラスの壁もセパレーションもうんざりだね。ここには僕たちを隔てるものは何もない。僕自身が招待した連中が集まっているんだからね。いってみればこぢんまりとしたクラブみたいなものだよ。そこが、ここで仕事をする利点だよ。ここなら、レコーディングの合間に(妻の)バーバラの顔を見ることもできる。僕にとっても、僕の音楽にとっても最良の環境だよ」と明かしてもいる。