2019-20シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)グループステージが9月17日に開幕する。今大会屈指の激戦区の1つとなったグループFでは実績、タレントの質で勝るバルセロナが大本命だ。そして、残り1枠をインテルドルトムントの強豪2チームが争う三つ巴の争いとなりそうだ。

◆編集部予想
◎本命:バルセロナ
○対抗:インテル
△連下:ドルトムント
☆大穴:スラビア・プラハ

◆大本命も序盤戦がカギに~バルセロナ

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ドルトムントと、昨年に続きインテルと同居する難しいグループに入ったバルセロナだが、グループ首位通過の大本命だ。昨季は準決勝でリバプール相手に痛恨の逆転負けを喫したスペイン王者は今夏、FWグリーズマン、MFフレンキー・デ・ヨング、DFジュニオール・フィルポと手薄だったポジションに一線級のスターを補強することに成功した。

開幕からのラ・リーガでの戦いではエースFWメッシ、FWデンベレ、FWスアレスら前線に多くのケガ人が出た影響もあり、4試合で2勝1敗1分けとやや苦戦。それでも、16歳超新星FWアンス・ファティやFWカルレス・ペレスと2人のカンテラーノが台頭を見せるなど、苦境の中で思わぬ収穫も手にした。メッシに関してはドルトムントとの開幕戦に間に合う可能性が出てきているが、コンディション面にやや不安を抱えており、チームとしてはグループステージ序盤戦の戦いが首位通過、グループステージ突破のカギを握りそうだ。

◆コンテ招へいに積極補強を敢行~インテル
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バルセロナの対抗は名将コンテを新指揮官に招へいし積極補強を敢行したインテルだ。今夏の移籍市場ではFFPの問題をクリアした影響もあり、指揮官のリクエスト通りの大型補強を行い、FWルカク、FWサンチェスマンチェスター・ユナイテッドから、MFセンシとMFバレッラと次代のアズーリを担う逸材MF、百戦錬磨のベテランDFゴディンらを新たに加えた。その一方、素行に問題を抱えるFWイカルディ、MFナインゴランを放出し、チームとしての一体感も増した印象だ。

ここまでのセリエA3試合では対戦相手に恵まれたこともあり、内容面には課題を残しながらも3連勝を飾っている。すでにルカクセンシは中心選手として存在感を発揮しており、それ以外の新戦力が徐々にフィットしていけば、バルセロナを食うことも十分に可能だ。ただ、昨季は僅差でグループステージ敗退を強いられており、強豪相手に苦戦するルカクの奮闘、精神的な支柱の役目も期待されるゴディンらの働きが重要となる。

◆昨季から大幅スケールアップ!~ドルトムント
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対抗に推したインテルとほぼ同等評価のドルトムントも突破の本命の1つだ。昨季、リーグ戦において僅差でタイトルを逃したチームは今夏、宿敵バイエルンの得意とする国内ライバルからの引き抜き補強を敢行。DFフンメルス、DFシュルツ、MFトルガン・アザール、MFブラントという実力者をチームに迎え入れている。主力に大きな離脱もなく、選手層に大きな不安を抱えた昨季から大幅なスケールアップに成功している。

開幕4試合では昇格組ウニオン・ベルリンに大敗する波乱もあったものの、直近の試合でレバークーゼンに4-0で快勝するなど、4試合で13ゴールと攻撃陣の破壊力は昨季以上だ。守備に関してはあっさりと先制を許すなど、課題は少なくないが打ち勝つスタイルでこのグループステージも戦いたい。

◆目標は勝ち点奪取~スラビア・プラハ
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クラブ史上2度目のCLグループステージ参戦となるチェコの強豪の決勝トーナメント進出は非常に困難と言わざるを得ない。チェコ代表を中心とするチーム構成は前述の3チームに比べて一体感、コレクティブに戦えるという部分で大きなアドバンテージを持っているが、如何せん個々の能力で大きな差がある。また、ロシアアゼルバイジャンなどのクラブと異なり、長距離移動によるアウェイチームの疲労というアドバンテージも期待できない。

それでも、CLプレーオフを含めて今季ここまでの公式戦では10勝2分けと好調を維持。また、7月にリーグが開幕しており、コンディション面や連係面では前述の3チームを上回っており、常に守勢を強いられる展開の中で粘り強く戦い序盤戦で勝ち点、初勝利を目指したい。
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