学校の勉強とは別に、教養と呼ばれるものがあります。これはどういったものとして定義されるでしょうか。高校時代までの勉強は教科書に記されたものを覚えて、テストでアウトプットしていくものとしてとらえられるでしょうね。そこにおいては、勉強というものが定義づけられるでしょう。それは数学は数学、国語は国語として教科としても分類されています。さらには、国語であっても現代文のほか古文や漢文といったものにも分かれてゆきます。それらは互いに結びつくことがなく別個に分かれたものともいえるでしょう。それを結びつけるもの、さらにはテストに出るばかりではないとわからせてくれるものが教養であるといえるでしょう。


世界を知ること

教養を身につける目的は何でしょうか。テストと直接結びつかないであるがゆえには、それは必ずしもテストで良い点を取ることばかりではありません。教養というのは、つきつめてゆけば世界を知ることにもつながるのではないでしょうか。そのような世界を知るための教養について知るためにこそ、読まれるべき本が池上彰による『池上彰の18歳からの教養講座:現代世界を知るために』 (日経ビジネス人文庫) です。

何が記されている?

池上彰さんといえばテレビでもおなじみの物知りなおじさんという人ですが、本書ではどのようなことが記されているのでしょうか。本書では現代史に焦点があてられています。現代とはいつからはじまるのかといったことは諸説はありますが、やはり戦後史とそのまま重なる部分があるといえるでしょう。いまの時代につながる時代、直接つながっている時代を知ることによって、世界が必然的に広がることが、ひとつの学ぶ喜びであり、それが教養として積み重ねていくことによって、人間力が豊かになっていくといった流れがあります。それらはすべてつながりによって生まれていくものなのです。