日本には空き家が多い。田舎では集落が消滅する危機があるほどだが、各自治体がさまざまな趣向を凝らし、成功している例もある。中国メディアの今日頭条はこのほど、農村の消滅の危機を回避するための日本の自治体の対策を紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、農村の人口流出問題は単純な資金援助や観光地化では根本的な問題解決にはならないと指摘。中国でも同じ問題に悩まされているため、日本の対策に興味を持っているようだ。ただ中国と違うのは、「若い世代が田舎に好感を持っている」ことだ。ある調査では、20代の若者には田舎好きが多く、42%の若者が「田舎に住んでみたい」と回答したという。

 そんな日本では、それぞれの自治体が対策を考え、ある町では休暇に若者を受け入れ、田舎暮らしを経験してもらう取り組みをしたり、別の場所では「空き家計画」を展開したりしていると紹介。空き家サテライトオフィスを開設し、IT企業を受け入れて町の活性化につなげている。

 さらに記事が感心しているのは、岩手県紫波町が展開する「オガールプロジェクト」だ。この町は、補助金に頼らずに民間主導で地方活性化を成功させた。公共公益施設を少しずつ整備しながら町を作ってきたが、住民の需要を汲みながらも、日本各地から年間100人の集客を得ることができたことを高く評価している。

 中国の大都市では、集客したい場合にはショッピングセンターなどを作る傾向がある。しかし紫波町は、人口が少なくて高齢者が多く、この方法では地域活性化の効果は期待できない。それで、図書館に地元の25%を占める農業従事者を意識した農業関連の本を多く取り揃え、農業関連の教室も開いたと紹介。大きなサッカー場やバレーボール場は大きな試合を行える規格にして毎年試合を行うことで集客に成功していると伝えた。人が集まれば自然と地域に活気が生まれるものだ。

 少子高齢化や農村の過疎化は中国も直面している問題である。記事に対して、中国との違いを指摘するコメントが多く寄せられ、「中国の田舎では古くなればすべて取り壊すのが普通」と、そもそも地域活性化の概念もないという人や、「中国の田舎はぼろぼろだ」という人、さらには「20年後の中国には農村はなくなっている」と予想する人までいた。中国の農村も、「お金や観光地化で解決しようとしない」日本の成功例から学んでみてはどうだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

なるほど! 日本の農村における過疎化対策は「参考になるぞ」=中国メディア