日本では世帯全体に占める持家率は増加傾向にあるものの、誰もがマイホームの取得に意欲的なわけではない。持ち家を持たない人の住宅購買意欲は、単身者を中心に減少しているようだ。これは、不動産購入は必須という価値観の中国とは著しく対照的と言えるだろう。中国メディアの今日頭条は15日、不動産購入のために躍起になる中国人の価値観に疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、在日10年というある中国人の例を紹介。日本で家を3軒購入し2軒を貸し出しているそうだ。借り手は大家が中国人であることに驚き、よほどお金があるのだろうと思うそうだが、記事はこの男性は資産家ではなく、仕事を掛け持ちしてローンを払っていると紹介した。

 中国では投資目的の不動産購入者が非常に多く、そのために不動産バブルとなっている。中国政府も対策を取っており、上海などの大都市では住宅の購入数に制限を課したが、その対策として家を複数購入するために法律上離婚する夫婦が相次いだほどだ。

 この男性は、日本で家を3軒購入して維持するため、夫婦で夜勤の仕事を掛け持ちして休む時間も無く、親や子どもと過ごす時間も無かったそうだ。そのことを知った借主の日本人から「家を買うのは生活の質を上げるためだろう? 生活を犠牲にして家を買うなら失うものの方が多い。家のほかにも重要なことがある。それは幸せだ」と諭されたという。

 実際、中国でも「房奴」と言われる住宅ローン返済に苦しむ庶民は非常に多く、無理して購入した家にいる時間はあまりなく、仕事に追われている人が少なくない。価値観の違いと言えばそれまでだが、冷静にメリットとデメリットを分析し、質の高い豊かな人生を送ろうという日本人から学ぶことは多いのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本人を見習うべき? 中国人は不動産のために躍起になりすぎ=中国メディア