雨の降る日が多くなり、秋の深まりを感じる9月半ば。スポーツの秋到来ですね。
そうしたなか、いま最もホットなスポーツといえば「ラグビー」ではないでしょうか? ラグビーをテーマにしたドラマが大ヒットし、ドラマをきっかけにラグビーを観戦したいと思っている人も増えているようですが、何より4年に一度のラグビーの世界的イベントがいよいよ日本で開催されます! 首を長くして待っていた方もきっと多いことでしょう。
そんなラグビーは競技そのものの魅力はもちろん、文化的背景も興味深いものがあります。ラグビーが誇る“多様性”とは……?

“多様性”を感じさせるスポーツ、ラグビー

“多様性”を感じさせるスポーツ、ラグビー


日本代表だけど国籍が日本ではないのはなぜ?

先月、ラグビーの日本代表メンバー31人が発表されました。そのなかには海外出身の選手15人も含まれています。海外出身といっても日本に帰化したわけではなく、日本国籍でない人ももちろんいます。サッカーや野球など多くの競技においては、日本国籍でないと代表選手には選ばれないことが一般的な通例とされていますが、ラグビー競技の場合、代表選出のルールが異なります。
ラグビーの場合、選手自身または両親、祖父母の誰かひとりの出身国であること、もしくは選手自身がその国に3年以上居住していることが代表選出の条件となります。
そのため、日本代表といっても国籍は多種多様……。この点がラグビーならではの大きな特徴なのです。

日本代表選手の国籍もさまざま!

日本代表選手の国籍もさまざま!


ラグビー界全体に広がる“多様性”

日本代表が体格的に海外の選手に劣る面があるため、海外の選手を呼ぶのかといえば、必ずしも日本だけが多国籍ルールを使っているわけではありません。
前回のW杯(ワールドカップ)を見てみると、強豪国・サモアにおいては外国出身選手が13人と最多。次いで、ウェールズスコットランドトンガの12人となり、日本の外国出身選手は10人でした。
また、現在世界ランキング1位のアイルランドは、「アイルランドと北アイルランド」の連合でチームが成り立っています。長く紛争が続いた両国ですが、これはラグビーについては今も国境を越えて交流が続いているまれなケースとなります。
このように日本に限らず、ラグビー界全体が国籍という概念を越え、“多様性”のなかでチームづくりが行われているのです。

北アイルランドの名所、タイタニック博物館

アイルランドの名所、タイタニック博物館


国歌を歌っておもてなしするプロジェクトも!

“多様性”の広がりを感じさせるスポーツ・ラグビー。ホスト国として世界トップクラスのラグビー選手たちを迎える日本では、各国の国歌を歌っておもてなしを行う「スクラムユニゾン」というプロジェクトが展開されています。
このプロジェクトは、さまざまな国の国歌を歌うことで、その国の文化に触れることができる点が大きな特徴ですが、例えば南アフリカの国歌は独特な成り立ちです。
南アフリカ公用語はなんと11カ国語。その中で5カ国語が国歌に使われているのです。そのため、非常に難易度が高い国歌なのですが、他国の人たちが自国の国歌を歌って出迎えてくれれば、さぞかし選手たちはうれしいことでしょう。また、歌う人にしても、その国に対して理解を深めるよいきっかけともなりますね。

公用語が11カ国語におよぶ南アフリカの国家にも注目!

公用語が11カ国語におよぶ南アフリカの国家にも注目!

いま最もホットなスポーツ・ラグビー。ラグビー競技が掲げる“多様性”とは?