PlayWay S.A.は『Taxi Simulator』を発表し、Steamのストアページをオープンさせた。ポーランドに拠点を置くインディー開発スタジオWoodland Gamesによる、タイトル通り「タクシー・シミュレーションゲーム」だ。発売は2021年を予定している。

 タクシーが題材の名作ゲームといえば、ドリームキャストで発売したクレイジータクシーを思い出すが、本作の主人公もまたタクシーの運転手だ。プレイヤーはさまざまなお客を乗せつつ、目的地まで無事に届けてその対価を受け取ることになる。しかし本作は、タクシーの運転手の日常生活にスポットを当てており、レースゲームというよりもタクシー運転手としてより自由度の高いゲームプレイを体験できる点が魅力となっている。

 ゲームでは都市の最下層地区から仕事が始まる。まずは乗客を乗せつつ会話を楽しんで、退屈させないようにしよう。その会話には街の最新情報が眠っており、いずれはビッグマネーのチャンスへと繋がっていく可能性がある。一般市民、有名人、パリピ、売春婦、ギャング。こういった人たちをゴシップや秘密を活用して、お金持ちになるまでの出世街道を走り続けよう。

(画像はSteam 『Taxi Simulator』より)
(画像はSteam 『Taxi Simulator』より)

 清潔でセレブが住んでいるような一等地でタクシー運転手をするのもよし、地元ギャングの専属ドライバーになるのもよし。どのようなタクシー運転手になって稼いでいくかは、プレイヤーの自由だ。こうして稼いだお金は、設備投資に使うことができる。車の運転性能があがったり、快適な車内は顧客の満足度をあげることができるだろう。

 公開されているトレイラーでは、パトカーに追いかけれてる場面や、車のトランクに縛り付けた人がいる場面、乗客が忘れた携帯電話や財布から情報を引き出す場面など、犯罪に加担しているかのような不穏な映像も。妊婦を乗客として乗せたら病院まで間に合わず、やむなくタクシーの車内で出産の手伝いをする場面までシミューレート(?)しているようだ。

 また、どうやら一人称視点と三人称視点を切り替えることができるようで、どのようにしてタクシーの運転と車内の様子をゲームとして両立させるのかが気になるところである。

(画像はSteam 『Taxi Simulator』より)
(画像はSteam 『Taxi Simulator』より)

 パブリッシャーのPlayWayは、これまでCooking Simulator『Thief Simulator』『Car Mechanic Simulator』シリーズと、シミュレーターゲームを多く発売している会社だが、一発アイディアではなく、しっかりと作りこまれたゲームがプレイヤーにも好評だ。本作『Taxi Simulator』もアイディアだけではなく、しっかりと面白いゲームとして期待してよいのかもしれない。

ライター/福山幸司

ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman