ペットを飼う人はペットを家族として、大切に育てるだろう。海外ではそんなペットに攻撃され、命を落とした人がいる。

 オーストラリア・南オーストラリア州に住む高齢の女性が、飼っていたニワトリに脚をつつかれ死亡した事件で、検視の結果、死因は静脈瘤(りゅう)の出血によるものだったことが明らかになったと海外ニュースサイトABCNews』が9月2日に報じた。

 同記事によると、女性は庭の鶏小屋でニワトリを飼っていたそうだ。ある日、女性は鶏小屋で卵を集めていたが、卵を集めている時にニワトリにくちばしで脚をつつかれた。出血した女性は失神して倒れ、その後、死亡が確認された。同州にあるアデレード大学の教授が検死した結果、死因はニワトリにつつかれたことによって左足から大量出血したためだと分かった。

 静脈瘤は血液のポンプ機能がうまく作用せず、静脈に血液がたまって、静脈がこぶ状に浮き出る症状だ。高齢者は静脈瘤になりやすい。同記事によると、静脈瘤は非常に傷つきやすいため、少しの衝撃でも出血多量を招く可能性があるという。なお、健康な人であればニワトリに脚をつつかれても出血多量になることはない。

 このニュースが世界に広がるとネット上では「人間がニワトリに殺されるなんて信じられない」「死を招くほどではないけど、時にニワトリは狂暴になるのは確か」「静脈瘤をつつかれたのは、運が悪かった」などの声が挙がっていた。

 心臓血管病の研究や予防を推進する公益財団法人『日本心臓財団』のサイトによると、軽度のものも含めると、女性の約20%が静脈瘤を患っているという。今回、ニワトリに脚をつつかれて死亡した女性のように、足の静脈に血液がたまる症状を下肢静脈瘤というが、下肢静脈瘤は高齢者のほか、妊婦にも多くみられるようだ。脚の静脈に流れる血液は重力に逆らって流れるため、静脈には血液の逆流を防ぐ弁があるが、妊娠でお腹が大きくなると弁に圧力がかかる。圧力で弁が壊れ、血液が逆流して静脈に血液がたまりやすくなるのだ。

 また、厚生労働省が所管する国立研究開発法人『国立循環器病研究センター』のサイトによると、下肢静脈瘤は立ち仕事が多い人や便秘気味の人も患いやすいそうだ。静脈瘤を患うと、脚にだるさを感じるほか、腫れや痛み、かゆみ、むくみなどの症状が出る。症状が長引くと、静脈瘤が出血しやすい状態になり、大量出血を招くことがまれにあるという。

 血管の病気における良質な医療の提供を目指す団体『日本血管外科学会』は、下肢静脈瘤は長時間の立ち仕事や座位を避けて、脚を上げて休憩し、マッサージをすることで改善できると伝えている。脚を締め付けて圧力をかける弾性ストッキングの着用も効果があるという。また、ホームヘルスケア製品を販売する『オムロン』は、HPで軽いウォーキングやエクササイズで筋肉を動かすことも下肢静脈瘤の予防に役立つと紹介している。筋肉がポンプの役割を果たすことで、血液が心臓に送られやすくなるため、静脈に血液がたまるのを防ぐことができる。

 一見、強そうに見えないペットも、場合によっては、人間を殺害するほどの脅威となるようだ。

記事内の引用について
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Elderly woman dies after being pecked by 'aggressive rooster', highlighting the dangers of varicose veins(ABCNews)より
https://www.abc.net.au/news/2019-09-02/elderly-woman-dies-after-rooster-pecked-varicose-veins/11469394

動脈・静脈疾患(動脈瘤、静脈瘤、動脈解離、等)とは(日本心臓財団)より
https://www.jhf.or.jp/check/opinion/category/c7/

脚の静脈の血行障害−静脈瘤(国立循環器病研究センター)より
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph97.html#m2

下肢静脈瘤って?(日本血管外科学会)より
http://www.jsvs.org/common/kasi/index.html

「下肢静脈瘤」の最新治療(オムロン)より
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/142.html

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