チャンピオンズリーグ(CL)・グループA第1節、パリ・サンジェルマン(PSG)vsレアル・マドリーが18日にパルク・デ・プランスで行われ、ホームのPSGが3-0で快勝した。

マドリーPSGというメガクラブ、日本代表DF長友佑都を擁するガラタサライ、クラブ・ブルージュの4チームで構成されたグループA。今回の初戦では首位通過を争う本命2チームがいきなり激突した。

リーグ戦で首位に立つPSGだが、今回のCL初戦に向けてはムバッペカバーニが負傷、2試合の出場停止中のネイマールの“MCN”を欠く厳しい陣容に。先発には古巣初対戦のGKケイロル・ナバス、グイエ、サラビア、イカルディと4人の新戦力が起用され、3トップはディ・マリアイカルディ、サラビアが並んだ。

一方、開幕から低調なパフォーマンスが続くマドリーは、今回のCL初戦に向けてPSG以上に厳しいメンバー構成を強いられることに。セルヒオ・ラモスとナチョを出場停止で欠いたほか、モドリッチイスコ、マルセロが負傷欠場に。ジダン監督は苦しい台所事情の中でミリトン、フェルラン・メンディ、ハメス・ロドリゲスを代役に指名。3トップにベイルベンゼマアザールが並ぶ攻撃な布陣を選択した。

相手最終ラインのメンバー構成を考慮してか、立ち上がりからハイプレスを仕掛けて相手のビルドアップに牽制をかけるPSG。幾度か良い形でのプレッシャーからカウンターに繋げて序盤の主導権争いで優位に立った。

マドリーの高速カウンターに冷や汗をかく場面こそあるものの、守備が不得手なベイルアザールの背後、アンカーのカゼミロの脇のスペースを効果的に使って相手を押し込むPSGは早い時間帯に先制点を奪う。

14分、相手陣内左サイドでクリアボールをマルキーニョス、ベルナトイカルディと繋いで左サイド深くに抜け出したベルナトがマイナスの折り返しを供給。これをニアへ斜めに走り込んできたディ・マリアが左足ワンタッチでニアポストへ流し込んだ。

ディ・マリアに恩返しゴールを献上したマドリーだが、直後に同点のチャンス。16分、ボックス手前中央でベンゼマから足下にパスを受けたアザールが鋭い膝下の振り抜きから際どいシュートを放つが、これはわずかに枠の右に外れる。

前半半ばから終盤にかけてはホームのPSGが攻守両面でマドリーを圧倒。的確な立ち位置、的確な距離感で相手のプレスをいなし続けてハーフコートゲームを展開し、ボールを失っても素早い囲い込みで相手の十八番であるカウンターを許さない。そして、33分には右サイドでの味方とのパス交換によってボックス付近に抜け出したグイエからの横パスを中央で受けたディ・マリアが見事な左足のコントロールシュートをゴール右隅に突き刺し、貴重な2点目とした。

戦前の予想通り、守備面の問題が顕在化したマドリーは、ボールを奪っても陣形が大きく崩されており、なかなか前にボールを繋いでいくこともできない。その中で唯一個で輝きを放ったベイルが得意の左足で幾度かゴールに迫ったが、35分にループシュートでゴールネットを揺らした場面は、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるレビューの結果、トラップ際で故意に手を使ったとの裁定でゴールは認められず。

PSGの2点リードで折り返した試合はハーフタイムでのマドリーの修正に注目が集まったものの、戦い方に大きな変化はなし。後半も立ち上がりからPSGペースで進んでいく。59分には流れるようなパスワークからゴール左でヴェッラッティのラストパスを受けたディ・マリアがGKクルトワの頭上を抜くループシュートを狙うが、これは惜しくもクロスバーの上を越えてハットトリック達成とはならず。

3失点目を防ぐのが精いっぱいという劣勢が続くマドリーは70分、アザールとハメスを諦めてヨビッチルーカス・バスケスを同時投入。システムを[4-4-2]に変更してまずは反撃の狼煙となる1点を目指しに行く。76分にはヨビッチのシュートのこぼれ球に反応したベンゼマがゴールネットを揺らすが、ここはオフサイドポジションの味方がプレーに関与したとの判定で前半に続いてゴールは認められない。

一方、後半もがっちりと主導権を握るホームチームは疲労の見えたイカルディ、足を痛めたマルキーニョスに代えてチュポ=モティング、エレーラを続けてピッチに送り込み、試合を締めにかかる。91分には自陣でのパスカットからロングカウンターを仕掛けて最後はベルナと共に相手守備を完璧に翻弄したムニエがトドメの3点目を奪い、試合を決定付けた。

共に多くの主力を欠く中でチームとしての完成度の差をまざまざと見せつけたPSGグループAの本命対決となった今季CL初戦を3-0の快勝で飾った。一方、なすすべなく敗れたマドリーは今季公式戦初黒星を喫した。

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