第71回カンヌ国際映画祭の最高賞“パルムドール”を受賞し、興行収入46億円を超えるヒットを記録した『万引き家族』(18)の是枝裕和監督が、初の国際共同製作に挑んだ長編14作目『真実』が10月11日(金)から公開される。カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーククレモンティーヌ・グルニエといった豪華キャスト陣が集結した本作。本作の魅力のひとつでもある、母と娘の辛辣かつ軽妙な会話を様々な形で楽しめるようにと、日本語字幕版に加え、日本語吹替版の劇場公開も決定した。あわせて吹替えキャストとして、洋画吹替え初挑戦となる宮本信子、宮崎あおい、佐々木みゆの出演が発表された。

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本作は、是枝監督が構想に8年間を要した渾身作。国民的大女優のファビエンヌ(ドヌーヴ)が、「真実」というタイトルの自伝本を発表したことから、次第に母と娘のリュミール(ジュリエット)の間に隠された“真実”があぶりだされていく。

日本語吹替えキャストとして発表されたのは、カトリーヌ・ドヌーヴ演じる、国民的大女優ファビエンヌ役に宮本信子、ジュリエットが演じるリュミール役に宮崎あおい。是枝監督は2人を起用した理由について、是枝監督は「宮本さんの凛とした声と、背筋のピンとしたたたずまいは、まさにカトリーヌさんにぴったり重なると思いましたし、宮﨑さんは声のお仕事もご一緒させていただいたことがあるのですが、その繊細な表現力はもう、唯一無二だと思ってましたので、ビノシュさんとの年齢差は気になりませんでした」と宮本、宮崎の演技に絶賛のコメントを寄せている。また、洋画吹替え初挑戦となる宮本は是枝監督からのオファーを受け「洋画の吹替えは初めてのことなので、出来るかどうかとても不安で正直悩みました。でも是枝監督からお声掛けいただいたのですから、受けて立たなくては宮本信子はダメだわ!と思いまして」と意欲的にチャレンジした心境を語った。対して、宮崎は「初めてのことに、なにをどうしたら良いのか不安いっぱいでスタジオに入ったのですが、始まってみたらとても楽しく…自分がジュリエット・ビノシュになったかのような幸せな錯覚を味わいながらの贅沢な時間でした」とリラックスして収録に臨めたことを語った。

さらに、クレモンティーヌ演じるリュミールの娘であるシャルロット役には『万引き家族』でも注目を浴びた子役の佐々木みゆ。是枝監督は、実写版同様に佐々木に台本を渡さず、口伝えの演出で台詞を収録したそう。こだわりの演出による佐々木の感情豊かな声の演技も見逃せないものとなっている。佐々木は「はじまてなので、さいしょはちゃんとできるかな?と心配だったけど、シャルロットちゃんの役ができるチャンスは1回しかないからぜったいやります!と言いました。夢がかなって、今もとても幸せな気持ちです」とコメントした。宮本、宮崎、佐々木ら豪華キャスト陣が集結した日本語吹替え版もあわせて注目してほしい。

<スタッフ キャストコメント>

是枝裕和監督

「宮本さんの凛とした声と、背筋のピンとした佇まいは、まさにカトリーヌさんにぴったり重なると思いましたし、宮﨑さんは声のお仕事もご一緒させていただいたことがあるのですが、その繊細な表現力はもう、唯一無二だと思ってましたので、ビノシュさんとの年齢差は気になりませんでした。ダメ元で僕から提案したおふたりが、おふたりとも、思いがけずお引き受けいただけて、監督としてこんなに嬉しいことはありません。もうひとつの『真実』に出会うのを僕自身楽しみにしています」

●宮本信子(ファビエンヌ役)

「洋画の吹き替えははじめてのことなので、出来るかどうかとても不安で正直悩みました。でも是枝監督からお声掛けいただいたのですから、受けて立たなくては宮本信子はダメだわ!と思いまして。“どうなるか分かりませんが、一生懸命やらせていただきます”とお伝えさせていただきました。真実はひとつではないですし、それを“ひとつであるべきだ”ではなく、色んな風に見られるんだよと言ってくれるような作品だと思います」

宮崎あおい(リュミール役)

「はじめてのことに、なにをどうしたら良いのか不安いっぱいでスタジオに入ったのですが、始まってみたらとても楽しく…自分がジュリエット・ビノシュになったかのような幸せな錯覚を味わいながらの贅沢な時間でした。また新しい形で是枝監督の作品に関わらせていただけたこともとても嬉しかったです」

●佐々木みゆ(シャルロット役)

吹き替えのお仕事をするのは私のあこがれだったので、是枝監督からお話をもらったときはとてもうれしくて不思議だなーと思いました。はじめてなので、さいしょはちゃんとできるかな?と心配だったけど、シャルロットちゃんの役ができるチャンスは1回しかないからぜったいやります!と言いました。夢がかなって、今もとても幸せな気持ちです。シャルロットちゃんは明るくて元気な女の子なので、吹き替えのときもたくさん笑って楽しかったです」(Movie Walker・文/編集部)

宮本信子、宮崎あおい、佐々木みゆは本作で洋画吹替え初挑戦となる