―[麺すすり子のラーメン巡礼]―


 こんにちは。ほぼ毎日ラーメンを食べる会社員、麺すすり子です。

 私、ラーメン屋店主さんのバックグラウンドを知るのがとても好きです。なんでラーメン屋さんを始めようと思ったのかとか、どんなお店で修行したかとか、今の味になるまでの過程とか。経験がその人の味を作っていると信じてやみません。

 そんな私が気になってたまらないお店が東京・堀切菖蒲園駅にある「麺匠 八雲」です。店主の梅澤愛優香さんは私と同じ22歳。それだけでもラーメン業界では大変レアなのですが、その前職はなんとアイドル。なかなか異色の経歴です。彼女が作るラーメンに興味津々のすすり子、今回八雲のラーメンをいただき、梅澤さんにお話を伺うことができました。

◆素直なおいしさ。味噌のうまみに頬がこぼれる

 こちらがお店の看板メニュー味噌ラーメン、八雲特製ラーメン1100円(基本の味噌ラーメン800円)。

 味噌ならではのうまみが沁みます…。味噌も出汁もどちらも主張はしすぎず、バランスが綺麗に1000点です。まゆか店長(梅澤さんのニックネーム)の製麺する自家製麺は、そんなスープに抜群にマッチした風味と弾力があります。素直な「おいしい」って言葉が似合います。「味噌ラーメンっておいしいなァ…」って、当たり前のことを思わず再確認します。すごいイイ。

 トッピングの海老ワンタンは、ぷりっぷりな海老・ちゃんとちゅるんな自家製皮に翻弄されます。この海老ワンタン、海老をひとつずつ手むきしているそう。そこまで想像して食べてる方何人います???ここはまゆか店長に変わって、すすり子がおこがましくも勝手にアピールしたいと思います。

 そんなたくさんの工夫の中、スープに浮かぶたっぷりのもやしには、飾らない味噌ラーメンの“ならでは”を感じます。やはり「味噌ラーメンにはもやし」という固定観念には、囚われていてもなんの悔いもありません。

 サイドメニューにも一切妥協しないという梅澤さん。おすすめのザンギもいただきました(3個350円)。

 薄衣のサックサクです。大きなサイズ揚げ物って無条件に幸せです。これまで私が食べてきた唐揚げの中でも大きい方に分類されるサイズです。唐揚げ屋さんのクオリティサイズが1個100円ちよっとで食べられちゃうので、唐揚げ業界はマークしておいたほうがいいです。

 私とおんなじ22歳が作っているとは思えない、貫禄とどこか懐かしさを感じる八雲の味。おふくろの味というのでしょうか。ママァ~~~。急なバブみです。冗談ですが、いい意味で「昔どっかで食べた?」って思っちゃうような懐かしい、オーソドックスを極めた味噌ラーメンです。

◆渾身の一杯に溢れる、元・アイドル店主の誇り

 八雲で提供するメニューは、すべて梅澤さんがアイドル時代から独学で勉強した味です。「毎日でも食べられるような味を意識しています」という梅澤さん。味噌ラーメンでも味噌バター辛味噌など、さまざまな味付けで楽しんでもらえるベース作りにこだわっているそう。

 そんな味噌スープに使われている味噌ダレですが、実は梅澤さん以外誰も作り方を知らない、秘伝のタレなんです。誰にも教えない理由を伺うと「こだわって作ったものなので教えたくない。誰かに教えると安っぽく感じてしまう気がして。それが嫌なので」とハッキリ。プライドです。誰かがプライドをもって作ったものをありがたくいただける、そんな時代に生まれたことへの感謝は、どちらにすればよろしいでしょうか????

 しかし、梅澤さんが今に至るまでには、本当にさまざまな苦労があったそう。同い年の女の子として、ラーメンを愛する者同士として、気になることがたくさんあります。学生時代ラーメン屋さんのアルバイトで、鶏ガラの入った重い寸胴を持ち上げられなかったすすり子だからこそ、気になることがたくさんあります。ということで次週、梅澤さんに迫るインタビューをまるっと一本リリースすることになりました~!

 八雲の”究極のオーソドックス”が1人でも多くの人の幸せなラーメン時間に刻まれたらいいなぁと思います。

 ごちそうさまです!

TEXT/麺すすり子>

【麺すすり子】
ほぼ毎日ラーメンを食べる会社員。豚骨ベース鹿児島ラーメンで育ち、18歳で上京してラーメンの幅広さと奥深さに取り憑かれる

―[麺すすり子のラーメン巡礼]―


八雲で提供するメニューは、すべて梅澤さん(右)がアイドル時代から独学で勉強した味なのだそう。