外交官は海外では出身国の代表であり、その国の国益を擁護し、問題があればそれに反論する立場だが、日本の外交官の場合、海外の派遣先で国の利益、立場を積極的に支援するという務めを怠っているケースがあまりにも多いという。

 「日本の外交官はお茶の会や華道の実演紹介など日本文化を紹介する各種イベントには積極的ですが、政治問題や懸案に対しては沈黙するケースが多い。日本海の呼称問題を話し合う韓国主催のシンポジウムがウィーン大学法学部内で開催されたときも、日本大使館からは誰も参加しませんでした。海外、特に中国や韓国に肩入れするドイツオーストリアでは、『徴用工問題は日本に非がある』と韓国の主張をそのまま引用していますが、現地の外交官は何も反論していません。税金を使い、何のために海外に駐在しているのでしょうか」(国際ジャーナリスト)

 海外の日本外交官の無策、怠慢が日本の声を殺し、特に今の日韓問題では、韓国側の主張がまかり通る最大の理由となっているのだ。

 「徴用工問題では、韓国・北朝鮮の専門家から、文在寅氏が大統領に就任すれば『日韓請求権協定』をちゃぶ台返しすることは確実と見られていました。ところが外務省は全く手を打った形跡がありません。保守系から左翼系に政権が移行すれば、新たなパイプを築かなければなりませんが、それさえやった跡は見られない。今日の韓国の豹変を放置し、見過ごした外務省の責任は大きいと言えます」(同・ジャーナリスト)

 「嘘も100回言えば本当になる」といわれるが、外交の世界も同じ。沈黙は外交の世界では犯罪だ。海外駐在の中国外交官や韓国外交官の積極的な自国アピール外交を見るにつけ、日本の外交官がいつまでもこうした“ひきこもり”を続けることは、あまりにも国益に反していると言わざるを得ないだろう。