入団1年目のサイドスロー 高校時代は三塁手

 ルートインBCリーグ選抜と巨人3軍の交流戦が19日、ジャイアンツ球場で行われ、11-1でBCリーグ選抜が勝利した。8回から登板した武蔵の19歳、松岡洸希投手が1イニングを2奪三振で無失点。この日は同リーグからの指名を目指すNPB10球団、メジャー2球団のスカウト陣が見守った。すでに松岡を高く評価している球団もあるが、試合後すぐ、新たにNPB球団から武蔵に調査書が届いた。

 テンポの良い投球が、また新たな可能性を示した。松岡は高校時代まで本職は三塁手。投手は3年生の春から少しだけ。本格的なピッチングは武蔵に入ってからというから驚きだ。サイド気味の腕の使いで、140キロ後半の直球にスライダーチェンジアップなどを巧みに使い、巨人3軍の中軸を仕留めていった。

「スカウトの方達が見にくるのは分かっていたので、ストレートを見てもらおうと思っていました。3ボールまでいってしまったときもあったので、良くはなかったですが、まっすぐは押し込めたと思います」

 武蔵ヒートベアーズ埼玉県を拠点とする独立リーグで、桶川西出身だった松岡を獲得。元ロッテの角晃多監督、元楽天の片山博視投手コーチ兼選手は野手よりも投手の可能性を見い出し、体の使い方を見て、サイドスローに転向させると才能が開花した。松岡は今年、リーグ戦で32試合に登板。これまで投手経験が少なかったが「経験値が増えたことでピッチングが安定してきました」と二人の元プロの指導に感謝した。

 この日、選抜チームを指揮した角監督も「伸び代がある選手だと思いました。サードをやっていたのでフィールディングもうまい」と評価。ここまでの成長は予想はしてなかったが、リーグ戦からNPBの編成スカウトが視察に来るまでの選手に育てた。独立リーグは高卒1年目でもNPBドラフト対象となる。まだ19歳、それに本格的な投手歴はたった6か月と、松岡の右腕には可能性が詰まっている。

 試合を視察したルートインBCリーグの村山哲二代表は勝利の試合後、選手たちに「君たちが向こう側(NPB)のユニホームを着たいという気持ちが伝わるゲームだった。鳥肌が立つくらい感動した。ドラフト会議10月17日、指名されるのを楽しみにしているし、君たちが作る未来に期待しています」とエールを送った。未来を切り開こうとする若者たちの気持ちがパフォーマンスにつながり、そして、スカウトの心を動かした。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki

巨人3軍との交流戦に登板したBC武蔵・松岡洸希【写真:荒川祐史】