米アマゾン・ドット・コムは9月18日、eコマースでの商品購入の支払いに現金を使えるようにする仕組みを米国で導入すると発表した

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ネットで注文、最寄の店舗で支払い

 「Amazon PayCode」と呼ぶもの。顧客はまず、サイトでの注文確定時にPayCodeを選択し、QRコードと番号を受け取る。それを米送金サービス大手ウエスタユニオンの店舗で見せ、現金で支払う。その後、自宅に商品が届くという仕組みだ。ウエスタユニオンの1万5000店舗がこの決済サービスに対応する。

 このサービスは今年(2019年)2月から南米やアフリカ東南アジアなどで開始し、今は世界19カ国で提供しているが、米国でも今後数カ月かけて順次展開していくという。

チャージ方式の「Amazon Cash」も展開

 また、アマゾンは2017年から「Amazon Cash」と呼ぶサービスを提供している。

 あらかじめ店舗で、顧客のアカウントに5ドルから500ドル(約540円~5万4000円)の範囲でチャージしておき、アマゾンでの買い物時に利用するというものだ。

 その米国における対応店舗数は約10万店。前述したウエスタユニオンCVS/ファーマシーやライト・エイドといったドラッグストア、セブンイレブンなどの店舗で利用できる。

 米国では8割近くの決済が対面で行われている。そのうちの約4割が現金によるものだという。顧客宅近くで利用できる、さまざまな現金払い方法を用意することで、利便性を高めていくとアマゾンは説明している。

レジ精算不要の「Amazon Go」も現金に対応

 企業も個人も効率性を求めてキャッシュレス決済を歓迎しているが、一方で現金を受け入れない店は、銀行口座やクレジットカードを持たない人々を差別しているとの批判が高まっている。

 こうした中、米国では今年7月、ペンシルベニア州フィラルフィア市で、キャッシュレス決済のみの店舗を禁止する条例が成立、7月1日に施行された。現金での支払いを拒否したり、現金支払いの顧客に割高の金額を請求したりする店舗には2000ドル(約22万円)の罰金を科すというものだ。

 3月半ばには、ニュージャージー州でも同様の法が成立した。 ニューヨークサンフランシスコシカゴなどの都市でも、キャッシュレス決済のみの店舗を禁ずる条例が検討されているという。

 こうした動きを受け、アマゾンの実店舗担当シニアバイスプレジデントのスティーブ・ケセル氏は今年3月、決済手段を拡大する方針を表明した。

 同社は現在米国で、レジ精算が不要のコンビニエンスストアAmazon Go」を16店舗展開している。

 USAトゥデイによると、このうちサンフランシスコニューヨークの店舗が現金決済に対応した。今後はすべてのAmazon Go店舗で現金の取り扱いを始める計画だという。

 (参考・関連記事)「アマゾン、“低所得層差別”との批判に対処

[もっと知りたい!続けてお読みください →]  アマゾンが現金払いを急ピッチで導入する理由

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サンフランシスコのAmazon Go(写真:AP/アフロ)