日本を代表するアーティストの龍玄とし(Toshl)さん。美しくも圧倒的な歌声で、多くの名曲を残してきました。
1992年にソロデビューして27年、龍玄としさんは新たに名曲をアートで表現することに挑戦し、初の個展を開催。
grape編集部は、龍玄としさんの個展に行ってインタビューをしました!
前回は、フィギュアスケートの羽生結弦選手との交流やアートへの想いを語ってくれた龍玄としさん。
【独占インタビュー】龍玄とし(Toshl)の個展に潜入! 羽生結弦から影響も…
今回は、バラエティ番組やSNSへの想い、羽生選手との秘話の続きをご紹介します!
龍玄とし「バラエティ番組は嬉しいし、楽しい!」
近年では、歌手活動だけでなく、バラエティ番組にも引っ張りだこな龍玄としさん。
力強い歌声や、ビジュアルに反して『甘いものが好き』というギャップやクイズ番組での活躍で視聴者から愛されています。
バラエティ番組に出ることについて質問すると、このように語ってくれました。
バラエティ番組に出ることは、嬉しいし、楽しいです。
共演者の方々やスタッフの皆さんの、人を笑顔にする、楽しませるというプロフェッショナルな仕事に感銘を受けます。
初めのころは「恥ずかしい」とか「カッコ悪い」とか、そんな気持ちもありました。
ですが、テレビには映らない裏方の、カメラ、音響や照明のアシスタントさんたちが汗だくで一生懸命に働く姿を拝見し、「自分をすごく見せようと虚勢を張ったり、偉そうにしたりなんかしてられないな」という心境になり、自分が恥ずかしくなるような思いでした。
そんな方々を見て、やるからには、一緒に番組作りに参加させていただく一員として自分なりにベストを尽くし、そして、「思いっきり楽しもう!」と思うようになりました。
―バラエティ界の新星ともいわれているがどう思う?
そんなこといわれてましたか?新星ではないと思いますが(笑)。
ただ、出演させていただくからには、見てくださる皆さんにも、また起用してくださったスタッフの方々にも、喜んでいただけるようにしたいと思っています。
テレビ番組だけでなく、TVコマーシャルなどにも起用していただいて、いわゆる『企業の顔』『商品の顔』という立場になるとは本当に夢みたいな話です。
期待していただけるなら、それを上回るような結果でお返ししたいという意気込みはあります。
ビートたけしとの忘れられないエピソード
これまで出演した数々のバラエティ番組のなかでも、2018年放送の『平成教育委員会』(フジテレビ系)では憧れのビートたけしと共演し、忘れられない経験になったといいます。
『平成教育委員会』に出演させていただいた時に、たけしさんの目の前で番組のエンディングテーマをギターの弾き語りで歌わせていただきました。
たけしさんとの初対面で、ものすごく感激して、緊張して、思わず力が入りすぎて弾いていたギターのピックが折れてしまったんです。
歌い終わった瞬間、その折れたピックをたけしさんがすかさず拾って「よし持って帰ろう」って笑いに変えて、最後にボソっと「すごい声がよく出るんだな〜」と独り言のようにいってくださった。
テレビ番組に出演してきて、一番嬉しかったともいえる瞬間でした。
ピックが折れるハプニングも、たけしさんは笑いに変え、憧れの人に自分の歌声を感心してもらえたことが嬉しかったといいます。
龍玄としさんは、中学生のころからたけしさんを尊敬しており『いろいろなことに挑戦し、自己表現をする』という生きかたに共感。
初めて本格的に描くという個展の絵も、たけしさんの生きかたが影響していました。
シャイだった性格
多くのTV番組に出演してきた龍玄としさん。実は、幼少時からシャイな性格だといいます。人付き合いについて聞いてみると…。
いまでもシャイというか、基本的にあまり人付き合いはしません。
ですが、ここ数年、テレビ番組に出演させていただくようになってからは、「この方には会いたい…」と思う方は、ご縁があれば共演後も直接お会いする機会を作ります。
例えば、滝沢秀明さんや村上信五さんはお話ししていても楽しくてクレバー、真面目で勉強家、誠実で純粋、礼儀正しくてリスペクトフル。そんな素敵な方々のお話し聴かせていただく中で、学ばせていただくことや刺激をいただくことも多いです。
今回の個展にも、そんな心を通わすご縁のあった大切な方々…濱口優さんやカズレーザーさん、手越祐也さんもお忙しい中、絵を見に来てくださいました。
また、くっきー!さんには、絵を描くにあたって大事なアドバイスもいただき、背中を押していただきました。そんな心ある友人にも本当に感謝しています。
龍玄としさんは、自分よりも若い多岐にわたる芸能人の方からも慕われ、刺激をもらっているといいます。
羽生選手からのサプライズに涙
龍玄とし「羽生結弦は人生のプロフェッショナル」
2019年5~6月にかけて日本全国4都市で上演したアイスショー『ファンタジーオンアイス2019』。
羽生結弦選手や宮原知子選手、紀平梨花選手らがパフォーマンスを披露し、龍玄としさんはアーティストとして出演しました。
ショーでは、龍玄としさんの生歌に合わせて羽生選手が演技を披露。その時の秘話を明かしてくれました。
―羽生選手と共演してどうだった?
羽生選手は、人生のプロフェッショナルです。
自分との向かい合いかた、人としての立ち振る舞い、周囲へのリスペクト、また考えかたもそれを実行する気力も本当に圧倒的に素晴らしいです。
僕の楽曲で演技をするにあたって、楽曲を何度も何度も聴いてくださるだけでなく、僕という人間の人生の背景や想いまで全てを把握しよう、感じようと努め、それを心身に入れて込んで、僕自身になりきって演舞してくださいます。
完璧に表現するために、人生の全てをフィギュアスケートに捧げ、日夜練習に励み、フィジカルもメンタルも鍛え抜き、そして人間業を超越したパフォーマンスを私たちに見せてくださるアーティスト。
嘘や、まやかしが通用しない、真剣勝負の世界で戦い続ける孤高の戦士のようです。
ただただ、その純粋さと美しさに感動させられてしまいます。
ファンタジーオンアイスのツアー最終日には、羽生選手からサプライズがあったことも教えてくれました。
最終公演での『CRYSTAL MEMORIES』という楽曲でのパフォーマンスでは、それまでの演技の位置などサプライズで振り付けを変更してくれました。
まるで僕に捧げているかのような渾身のパフォーマンスでした。
公演初日のインタビューで「最終的には『CRYSTAL MEMORIES』はとしさんに捧げたい」といってくださっていた羽生さんの有言実行の言葉、深い想いが伝わりすぎて、もう涙が止まらなかったです。
また、氷上のサプライズだけでなく控室でも羽生選手の人柄を表すような出来事があったといいます。
最終日、控室に入ると羽生さんからの直筆のお手紙がテーブルの上に置かれていました。
それは、絵を描いている最中、さまざまなことに悩み、筆が進まなくなった時などにも僕にとって本当に大切なお手紙でした。
そのお手紙を開いて読み入ることで、また前へ進めることも何度かありました。
ほかにも羽生選手には、ほぼ毎回のように僕の控え室に直筆メッセージ付きで差し入れもいただきました。東北の銘菓や果物など、東北の復興を願っての彼らしい優しさと思いやりに溢れたものでした。
そういうところにも心根の深さを感じました。
龍玄としさんが『人生のプロフェッショナル』というのが分かるような気遣いに驚きますね。
ブログに公開した手紙には「Toshlさん よろしくお願いします!今回もすごく楽しみにしてます!全力で頑張ります! 羽生より」と書いてありました。
実は、ツアー中に龍玄としさんも羽生選手にサプライズをしていたといいます。羽生選手がクマのキャラクター『くまのプーさん』を大好きなことを知っていたため…。
―くまのプーさんのTシャツは手作り?
夜な夜なスワロフスキークリスタルを貼り付けた手作りのTシャツです。
リンクでリハーサルをしていた羽生さんがリンクサイドにいた僕にスーッと近づいて来てくださったので、ガバッとジャケットを開いて下に着ていたそのTシャツをお見せしたんです。
「可愛いー」って羽生さんがプーさんを触ったら、接着剤が乾ききっていなかったクリスタルがボロボロ落ちちゃって。
二人で笑いながらリンクに落ちたクリスタルを拾い集めました(笑)。
羽生選手に喜んでほしくて作ったというTシャツ。サプライズで見せたところ、とても喜んでくれたそうです。
SNSを始めて思ったこと
Twitter、Instagram、Facebookや、ニコニコ動画やYouTubeでも自身のチャンネルを持っている龍玄としさん。
Instagramは、『ナインティナイン』の岡村隆史さんと共演した際、Instagramの話を聞いて始めたそうです。SNSをやることについて聞くと、このように語りました。
ファンの人とダイレクトにつながるなんて、以前はなかなかできなかったんですけど、いまはそれができる時代なんでいいですよね。
SNSはいいことも、もちろん悪いこともあるけれども、上手くコミュニケーションツールとして使うとすごく盛り上がることができます。
ニコニコ生放送は、まるで自分でラジオを手作りでおこなっているような感覚で、毎週のように放送をしています。
視聴してくださっている皆さんからリアルタイムでコメントをいただきながら、お話が出来るなんて、楽しい時代になりました。
愛犬にゃんたろう
そんなSNSにたびたび登場するのが、愛犬の『にゃんたろう』。
犬なのになぜ猫のような『にゃんたろう』という名前なのかを聞いてみると…。
猫みたいだからです!もう可愛くて可愛くてしょうがないです。
作品を描いている時も、疲れてくるし、悩んでイラ立つ時もあるけど、やっぱりそばにいてくれるだけですぐに心を穏やかにしてくれます。
にゃんたろうがいなかったら、描画を推進することはできなかったですね。「マスカレイド・展」絶対功労者の一人?一匹?ですね(笑)。
いつも熱く応援くださるファンの皆さん、尊敬できる友人達、信頼できるスタッフ、そして可愛い可愛いにゃんたろう、本当に多くのかたに支えていただいています。
この新たな挑戦の道を選んだ自分を信じて歩き続けてきたことが、何よりも僕の人生にとって大切なことだなと感じています。
にゃんたろうにも支えてもらいながら描き上げた作品は、実際に個展で見ることができます。
自身初となる個展『マスカレイド・展 音の世界を、描く 龍玄とし』
2019年9月9日まで東京都台東区にある上野の森美術館ギャラリーで開催されていた『マスカレイド・展 音の世界を、描く 龍玄とし』。
同年9月22日からは長野、10月26日からは大阪で開催されます。
通常の絵の道具のみならず、さまざまな道具などを使って、子どもが自由に遊ぶような発想で、絵の世界観を膨らませていきました。
個展では、龍玄としさんが全身全霊で表現した作品が展示されています。目には見えない音楽の世界が、龍玄としさんの手によって『色や形』に変換され、視覚で楽しむことができるのです。
長野と大阪では、東京で展示している作品数よりもさらに多くの作品を展示する予定。また、子どもたちも楽しめる作品もあるのだとか…。
さらに、創作の原点にもなった「龍」をモチーフにした未発表絵画も展示されます。羽生選手にインスパイアされて、描いた絵も…。
「これから全国各地で個展を開催したい」と意気込む龍玄としさん。
最後に、グレイプ読者への直筆メッセージを描いてもらいました!
個展は当日券も販売中です。興味がある人は、ぜひ『マスカレイド・展』にて龍玄としさんの魂の作品をご覧ください!
期間:9月22日(日)~10月6日(日)
時間:10:00~18:00 (17:30最終入場)
場所:北野カルチュラルセンター※公益財団法人北野美術館 別館(長野県長野市西後町1603)
期間:10月26日(土)~11月17日(日)
時間:10:00~20:00 (19:30最終入場)
場所:グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル 地下1階イベントラボ(大阪府大阪市大深町3-1)
チケットぴあにて前売りチケット販売中です。
詳しくはホームページでご確認ください!
ホームページ:マスカレイド・展
また、龍玄としさんとミュージカル俳優の山崎育三郎さんが共演するイベントも開催。
『ニッポン放送「山崎育三郎の I AM 1936」 presents THIS IS IKU 2019 〜男祭〜』は、2019年10月11日(金)東京国際フォーラムAにて開催されます。
龍玄としさんのニコニコ生放送『CRYSTAL ROCKチャンネル』は、毎回テーマのお便りや生歌で超盛り上がる、楽しく感動に満ちた放送です!
詳しくはこちらをご覧ください。
Toshl CRYSTAL ROCK チャンネル(Toshl)
[文・構成/grape編集部]
コメント