男児(kokoroyuki/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

他者に自分の気持ちを理解してもらうのは、そう簡単なことではない。だからこそ、ふとした言葉に大きく心を揺さぶらることがある。

車いすアーティスト」として活躍し、近頃ではそのブログが話題の詩人・佐野有美(あみ)さんのブログが注目を集めている。

■優しい4歳の甥っ子

先天性四肢欠損症で、生まれつき両腕と右足がない佐野さん。高校在学中はチアリーディング部に所属し、「車いすチアリーダー」として話題になったと言えば、思い出す人も多いのではないか。

18日、佐野さんはブログを更新すると、自身の甥っ子と姪っ子の写真をアップ。今年で4歳になる甥っ子との交流を綴っていく。

甥っ子について「小さいながらに私の障がいのことを前から理解してくれていました(原文ママ)」と語る佐野さん。「何かを渡してくれる時は手の位置ではなく、私の足元に渡してくれたりお菓子を食べたりするときは『あみちゃんのは僕が開けてあげるね』と袋から開けて食べさせて」くれるなど、とても優しいという。

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■「僕が守るんだ」

そんな彼がある日、「なんであみちゃんはおててないの?」と尋ねてくることに。この質問に対し、「ついにこの時が来た。何て答えよう」と悩んだ佐野さんだったが、「うーん。忘れてきちゃったのかな? あみちゃんもわかんないんだ」と返答。

そして、「でも何か困ったことがあったら助けてくれる?」って伝えたところ「僕があみちゃんを守るんだ」と言ってくれたという。この返答が、佐野さんにとっては「とてもうれしかった」そうだ。

■「助けてあげましょう」に違和感も

その後、話題は佐野さんがよく講演会で尋ねられるという「子供たちに障害を持った方のことを聞かれたら何て答えるのが一番いいですか?」という質問に。佐野さんが街を歩いていると親が子供に「ジロジロ見ないの」と言われている光景を見るそうだが、佐野さんは「疑問に思うことは自然なことでありとても大切なこと」と持論を展開。

そして、「障がいを持っている人がいたら助けてあげましょう(原文ママ)」と伝える風潮に対し、自身は違和感を覚えていることを明かす。「障がいを持っているからといってすべての人がいつも困っているわけではない(原文ママ)」というのがその理由だ。ゆえに、佐野さんは「障がいの有無関係なく"困っている人がいたら助けてあげましょう"って思います(原文ママ)」と述べ、甥っ子とのエピソードを締めくくったのだった。

■工夫をこらした家も話題に

これまで、自身の暮らし方をブログやインスタグラムで綴ってきた佐野さん。「床に流し台が埋め込まれた台所」や「電気のスイッチが床近くにある部屋」など、自身が過ごしやすいように工夫をこらした家が話題になってきた。

今後も、彼女ならではの視点が入ったブログ記事を楽しみにしたい。

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(文/しらべぇ編集部・宝田洸太

「なんでおててないの?」 先天性四肢欠損症の女性、4歳甥の言葉に感動