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俊敏な動きで狩りをするハイイログマ( 写真:Solent News/アフロ)

2015年、カナダのバンフ国立公園で前代未聞の迷惑行為を働いた男の裁判がようやく結審し、罰金4,000カナダドル(約32万5千円)が課せられた。カナダのローカルニュースサイト「Airdrie Today.com」が伝えている。

被告の名はデヴィン・ミツイング。当時の目撃者によると、ミツイングは公園内に現れたハイイログマを見つけて車を駐めた。そしてなぜか上半身裸の状態で車から降りるとボクシングスタイルで「来いよ!」と叫びながらハイイログマを挑発したり、石を投げつけたりしていたという。

その一部始終をカメラに収められていたため、ミツイング国立公園内における野生動物への迷惑行為で起訴された。二度にわたり裁判を欠席した末、ようやく今月13日に法廷に現れたミツイングに対し、判事は「ハイイログマの生活を妨害したことは明かであり、有罪であると考える」と述べ、罰金4,000カナダドルを払うよう命じた。この罰金は、環境の保全や修復に資金を提供する「カナダ環境損害基金」に充当されるという。

クマの生態に詳しい生物学者トム・スミス氏は「こういった“バカバカしい人間のいたずら”をするような人々は、自然と同調することを知らず、クマとのセルフィーや写真を欲しがって危険にさらされがちです。近づきすぎた人間を襲ったクマは殺処分される可能性が高いのです。かといって、今回のようにクマが静観すれば、似たような馬鹿げた行動を取る人がまた出るかも知れません」と語る。