中国では近年、汚職の取り締まりが厳しくなっているが、そんな中国では日本が良いお手本になっているといわれる。中国メディアの今日頭条は17日、「どうして日本では政治家になっても貧しいのか」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の政治家は「上に上り詰めれば上り詰めるほど貧しくなる」と紹介。これは、中国人にとっては理解に苦しむ点だろう。中国の政治家は上へ行くほど豊かになるのが常だからだ。しかし最近では汚職取締が功を奏し、権力がある人や裕福な人が国民の目を気にしてぜいたくできなくなっている傾向にある。

 では、日本の政治家はどんなところが「貧しい」と感じるのだろうか。記事は、村山富市元首相の引退後の生活について紹介。「家を買うお金も、白内障の手術をするお金もなく、家政婦を雇える余裕などあるはずもなく、自転車買い物に行く姿が目撃されている」と伝えた。

 どうやら中国人からすると、自転車は貧しい人の乗り物という思い込みがあるようで、そのため「家を買うお金もない」という発想になるのだろう。「元首相が自転車に乗っている」というのは中国人にとってはかなりの衝撃のようだ。

 記事はさらに、日本では公務員も収入がかなり低いと紹介している。それでいながら、日本の公務員は仕事にまじめでわいろを受け取らず、職権乱用をしようともしないと感心したように伝えた。公務員に限らず、どんな仕事でも権力を駆使して私利私欲を肥やすことに懸命な中国の考えとは全く違うといって良さそうだ。

 日本の政治家も、すべてが「清廉潔白」とは言えないだろうが、中国と比べれば称賛に値するのだろう。記事に対して多くの中国人ユーザーから「だからこそこんなに小さな島国がここまで強くなった」という称賛のコメントや、「日本は偉大だというほかない」という意見があり、手放しで絶賛されていた。腐敗撲滅に力を入れる中国だが、日本との距離はまだまだあるようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本ではなぜ政治家や公務員は「職権を乱用しようとしないのか」=中国メディア