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秋のサイクリングシーズンが本格的にスタートし、各地も徐々に賑わい始めている。そんな中、愛媛県サイクリングロードで、事件が発生。しらべぇ取材班は、管理者を直撃した。

■画びょうに接着剤

愛媛県は19日、「瀬戸内しまなみ海道」のサイクリングロード(全長約70キロ、愛媛県今治市広島県尾道市)に、大量の画びょうがばらまかれていたと発表。

けが人はいないが、自転車計31台がパンク被害を受けた。サイクリングロードを管理する今治土木事務所によると、18日午後3時半以降、今治市自転車レンタル店2店にパンク被害の情報が相次いで寄せられたという。

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■現場検証の結果

土木事務所の職員と県警で19日、現場検証を行った結果、今治市の来島海峡大橋―大三島橋間(約30キロ)の計5か所で画びょうがばらまかれていた。

針が上を向いた状態で地面に固定するためか、画びょうの頭の部分には、いずれも液状の接着剤のようなものが付着していた。県が回収した画びょうは150個だが、サイクリストも現場検証前に撤去しているため、かなりの数が撒かれていた可能性がある。

県はSNSなどを通じてサイクリストに注意喚起しているほか、パトロールを強化するとのこと。

■年間約33万人が訪れる聖地

しまなみ海道瀬戸内海の6島を7本の橋で結んでいる。サイクリングロードは日本初の海峡を横断する自転車道で「サイクリストの聖地」と呼ばれ、昨年の利用者数は約33万人。島内でテントを張って宿泊する客もいるという。

来島海峡大橋のそばにあるサイクリングターミナル「サンライズ糸山」では、保有する650台のレンタル自転車のうち18台がパンク被害を受けた。

支配人によると、現場でパンクをし、その場所から約1時間半から2時間かけて自転車を押して戻ったサイクリストもいるという。しらべぇ編集部の取材に対して、以下のように答えた。

「パンクの修理には、一台につき1,000円程度かかる。シーズンインで、一日250人~300人の利用客で賑わっており、サイクリングブームに水を差す行為で悪質にもほどがある。許せない」

■市は被害届を検討中

サンライズ糸山を所有する今治市の担当者によると、現在器物損壊等での警察への被害届を検討しているとのこと。

県警は道交法違反を視野に捜査中。道路交通法116条は「車両等の運転者が業務上必要な注意を怠り、又は重大な過失により他人の建造物を損壊したときは、六月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する」と規定(運転過失物損壊罪)。

また、他人のものを壊す等の器物損壊罪の法定刑は、「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料(刑法261条)」となっている。

いたずらでは済まされない事態であり、犯人の一刻も早い検挙が待たれる。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

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